投稿日:2026年11月5日
タイトルはIBS(過敏性腸症候群)の下痢型・便秘型・混合型の違いとは?タイプ別の特徴と過ごし方
カテゴリ: 過敏性腸症候群

「下痢をする日もあれば、便秘が続く日もある」「ネットで調べると、下痢型だの便秘型だのと書いてあるけれど、自分がどれなのか分からない」——IBS(過敏性腸症候群)のお悩みを抱えた方から、こうしたご相談をよくいただきます。
実はIBSは、便の状態によっていくつかのタイプに分けられており、タイプによって、食事の注意点や病院での薬の選び方が変わってきます。また、途中でタイプが変わる方も少なくありません。
この記事では、下痢型・便秘型・混合型の違いと、それぞれの特徴、過ごし方を整理します。最後に、ミントはり灸院としての鍼灸の考え方もお伝えしますので、ご自身の状態を知る手がかりにしていただければ幸いです。

この記事の執筆者
ミントはり灸院 院長
森本 賢司
高度専門鍼灸師
【略歴】
神戸東洋医療学院卒業
神戸東洋医療学院にて河村廣定先生に師事
明治国際医療大学 大学院 修士課程 修了
神戸東洋医療学院 非常勤講師
【資格】
はり師免許証・きゅう師免許証
IBSとは?なぜタイプ別に考えるのか
IBS(過敏性腸症候群)は、腹痛やお腹の不快感が、排便と関連して続く状態です。国際的な診断基準(Rome IV基準)では、腹痛が最近3か月のうち週に1日以上みられ、「排便と関連する」「排便の回数が変わる」「便の形が変わる」のうち2つ以上に当てはまることが目安になります。症状の始まりが、診断の6か月以上前であることも条件のひとつです。
大腸の検査をしても、炎症や腫瘍などの異常が見つからないのが特徴で、人口の約1割がこの状態にあるとされています。女性に多く、年齢とともに軽くなる傾向があります。
同じIBSでも、下痢が中心の方と、便秘が中心の方では、つらさの中身が違います。そのため、食事で気をつけたいことや、病院で使われる薬は、タイプによって異なります。自分のタイプを知っておくことは、医師に症状を伝えやすくなるという意味でも、役に立ちます。
便の形で分かる|ブリストル便形状スケールとタイプ分け

ブリストル便形状スケール(1〜7型)
IBSのタイプは、便の形を7段階で表すブリストル便形状スケールを使って分類されます。
・1型|ナッツのように硬く、コロコロと分かれた便
・2型|ソーセージ状だが、表面がデコボコしている
・3型|表面にひび割れがあるソーセージ状
・4型|滑らかで柔らかい、ソーセージやヘビのような形
・5型|縁がはっきりした、柔らかい塊
・6型|縁がギザギザで、ふわふわした、どろっとした便
・7型|固形物がなく、水のような便
1〜2型は便秘のタイプ、6〜7型は下痢のタイプとされています。3〜5型は、一般に「普通」と考えられる範囲です。
異常な便の割合で分ける
IBSのタイプは、排便全体のうち、異常な便がどれくらいの割合を占めるかで分けられます。基準は25%です。
・便秘型(IBS-C)|1〜2型の便が25%を超え、6〜7型は25%以下
・下痢型(IBS-D)|6〜7型の便が25%を超え、1〜2型は25%以下
・混合型(IBS-M)|1〜2型と6〜7型の両方が、25%を超える
・分類不能型(IBS-U)|どちらも25%を超えない(3〜5型が中心)
タイプの判定は、あくまで目安として
ここでご紹介した分け方は、ご自身の状態を知るための目安です。IBSの診断は、大腸の病気がないことを確認したうえで、医師が行います。自己判断でタイプを決めつけず、まずは医療機関で相談してください。
下痢型(IBS-D)の特徴と過ごし方
緊張すると、腹痛や下痢が起きやすい
下痢型では、軟便や水のような便が多く、緊張する場面で腹痛や下痢が起きやすいのが特徴です。通勤電車や会議の前など、「トイレに行けない状況」が近づくだけで、お腹が気になってしまう方も多いでしょう。ストレスが脳から腸への信号を強め、腸の動きが乱れることが関わっていると考えられています。
食事で気をつけたいこと
症状を悪化させやすいものとして、次のようなものが挙げられています。
・脂っこい食事
・アルコール
・カフェイン
・香辛料などの刺激物
これらは、すべてを避ける必要はなく、「控えめにする」という考え方です。あわせて、3食を規則正しくとり、暴飲暴食や、夜遅い時間の大量の食事を避けることも勧められています。
病院での治療の考え方
下痢型には、下痢型に合わせた薬が使われます。腹痛が目立つ場合には、腹痛に合わせた薬が追加されることもあります。薬の種類や量は、症状や体質によって異なりますので、医師と相談して決めてください。
便秘型(IBS-C)の特徴と過ごし方
硬い便が多く、ストレスで悪化しやすい
便秘型では、コロコロした硬い便が多く、排便しても「すっきりしない」「残っている感じがする」という方が少なくありません。お腹の張りや腹痛を伴うこともあります。ストレスによって、便秘が悪化しやすい傾向も知られています。
食物繊維と発酵食品
便秘型では、食物繊維を含む食品が有効とされています。なかでも、海外のガイドラインでは、不溶性の食物繊維(小麦ふすま、全粒穀物など)より、可溶性の食物繊維が勧められています。可溶性食物繊維を多く含む食品には、大麦、オーツ麦、豆類などがあります。また、ヨーグルトなどの発酵食品が、症状の軽減に役立つとされることもあります。
ただし、食物繊維の種類や量が、体に合うかどうかは人によって異なります。お腹が張りやすい方は、少しずつ試しながら、医師や管理栄養士に相談してください。
下剤の常用には注意を
便秘が続くと、市販の下剤に頼りたくなるものです。ただ、刺激の強い下剤を毎日のように使い続けることは、勧められていません。必要なときだけの使用にとどめるのが基本です。便秘型には、便秘型に合わせた薬が病院で処方されますので、自己判断で下剤を続けず、一度医師に相談してみてください。
混合型・分類不能型|下痢と便秘を繰り返すとき
便通のタイプが変わる人も少なくない
混合型は、下痢と便秘を繰り返すタイプです。「今日は下痢、数日後は便秘」というように、症状が行ったり来たりするため、対処法が定まりにくく、戸惑う方も多いようです。
さらに、IBSでは、便通のタイプが途中で変わる方も少なくありません。下痢型だった方が便秘型になる、あるいは混合型になる、ということも珍しくないのです。そのため、「自分は○○型だ」と決めつけすぎないことが大切です。
症状と便の記録をつける
混合型や、タイプが定まらない場合に役立つのが、記録です。次のような点を、簡単なメモで構いませんので、書き残してみてください。
・排便の回数と、便の形(ブリストル便形状スケールの何型か)
・腹痛やお腹の張りの有無
・その日の食事、睡眠、ストレスの状況
記録を続けると、症状が出やすいパターンが見えてくることがあります。受診の際に、医師へ状態を正確に伝える助けにもなります。
どのタイプにも共通する土台|生活習慣と心のケア
規則正しい生活を整える
タイプにかかわらず、土台になるのは生活習慣です。次のような点が勧められています。
・3食を規則正しくとる
・睡眠をしっかりとる
・適度な運動を続ける
特別なことをするより、当たり前の習慣を整えていくことが、お腹の調子を支える基本になります。
低FODMAP食という食事法について
食事法のひとつに、低FODMAP食があります。これは、腸の中で発酵してガスを作りやすい糖質を控える方法で、海外のガイドラインでは、全体的な症状の改善を目的に、医師が勧めることがあるとされています。ただし、自己流で長く続けると、栄養が偏るおそれがあります。試してみたい場合は、必ず医師や管理栄養士に相談しながら進めてください。
ストレスの影響が大きいときは、心理療法も
ストレスがIBSの症状に深く関わっている場合は、ストレスへの対処法を身につける心理療法が、選択肢になります。リラクセーション、認知行動療法、マインドフルネス、催眠療法などがあり、ストレスの影響が大きい方で、効果が期待されるとされています。
ほかの症状を合併することも
IBSの方では、胃もたれ(機能性ディスペプシア)や胸やけ、不安や気分の落ち込みなどを合併しやすいことも知られています。お腹以外の症状も、一緒に医師へ伝えておくと、全体を見た相談につながります。
受診の目安
お腹の不調が続くときは、まずかかりつけ医や消化器内科に相談してください。ストレスが強い場合や、気持ちが不安定な場合は、心療内科の受診も勧められています。
次のような症状がある場合は、別の病気が隠れている可能性があります。早めに専門医を受診しましょう。
・便に血が混じる
・発熱を伴う
・原因が思い当たらないのに、体重が減っている
・50歳以上になってから、初めて症状が出た
・大腸の病気の既往や、ご家族の病歴がある
IBSの方は、潰瘍性大腸炎やクローン病を発症する確率が、やや高いともされています。血便や体重減少は、見過ごさないようにしてください。
ミントはり灸院の考え方|タイプに関わらず見る「体の緊張」
当院の考え方|体の緊張とお腹の状態を見る
ここからは、ミントはり灸院としての過敏性腸症候群の考え方です。
当院では、IBSのタイプにかかわらず、その日のお腹の状態や、首肩・背中の緊張を、触診で確認することを大切にしています。ストレスが強いと、体のこわばりが強くなり、お腹の調子も乱れやすくなるからです。やさしい刺激で体の緊張をゆるめ、お腹の不調と上手につきあうための土台づくりをお手伝いしています。
鍼灸は、病院での診断や治療に代わるものではありません。当院では、病院の治療と併用していただくことをおすすめしています。当院が薬に対して指示をすることはございません、お薬は担当医師の指示に従って判断してください。症状が減ってきて薬が減るのをサポートします。
よくある質問
Q. IBSのタイプは、あとから変わることがありますか?
変わることがあります。下痢型から便秘型へ、あるいは混合型へと、途中で変わる方も少なくありません。タイプに固定して考えず、その時々の状態に合わせて、対処を見直していくことが大切です。
Q. 自分でタイプを決めて、対処してもいいですか?
便の形を目安に、ご自身の傾向を知っておくことは役に立ちます。ただ、IBSの診断は、大腸の病気がないことを確認したうえで行われるものです。自己判断で対処を始める前に、一度は医療機関で相談してください。
Q. 食物繊維は、多くとったほうがいいですか?
便秘型では、食物繊維が有効とされ、特に可溶性のものが勧められています。ただし、体に合う種類や量は人によって違います。お腹が張りやすい方もいますので、医師や管理栄養士に相談しながら進めてください。
Q. 鍼灸と、病院のお薬は併用してもいいですか?
当院では、併用をおすすめしています。お薬は、医師の指示に従って続け、鍼灸を受けていることも、主治医にお伝えください。
まとめ
IBSは、便の状態によって、下痢型・便秘型・混合型などに分けられます。タイプによって、食事の注意点や病院での薬の選び方が変わり、また、途中でタイプが変わることも珍しくありません。ご自身の傾向を知るために、便の形や症状の記録をつけてみることをおすすめします。
まずは消化器内科で、ほかの病気がないことを確認し、生活習慣と、必要に応じて心のケアを整えていきましょう。鍼灸の効果は、研究では確実とは言えませんが、当院では、体の緊張をゆるめてお腹の不調を支える補完ケアとして、併用をおすすめしています。つらさが強いときは、一人で抱え込まず、病院にも相談してください。
ミントはり灸院(神戸・明石)では、IBSに伴う体の緊張やお腹の状態に目を向けながら、一人ひとりに合わせた鍼灸ケアを行っています。病院での治療との併用を歓迎しておりますので、お気軽にご相談ください。
当院「ミントはり灸院」は、根本から改善することに特化した神戸の鍼灸院です《年間10,000人超の実績》。六甲道駅3分”六甲院”/三ノ宮駅6分”三ノ宮院”/明石駅5分”明石院”の3店舗がございます。全室個室でマンツーマンで施術しています、ぜひお越しください。























