投稿日:2024年5月31日 / 更新日:2026年2月11日
女性の股関節痛のツボ紹介!股関節の痛みの原因と痛みの緩和方法とは
カテゴリ: しびれ・神経痛

股関節通の基礎知識
股関節の痛みは、足のつけ根(鼠径部)に「ズキッ」とした違和感として現れることが多い症状です。
とくに立ち上がるときや歩き始めの一歩目に痛みを感じやすいのが特徴です。
症状が進むと、座っているだけ、横になっているだけでも痛みが出るようになります。さらに悪化すると、
・立ち仕事がつらい
・車や電車の乗り降りが痛い
・正座ができない
といった日常動作に支障が出てきます。毎日の生活そのものがストレスになってしまうことも少なくありません。
整形外科を受診すると、まずレントゲン検査を行います。そこで
・軟骨がすり減っている
・関節のすき間が狭くなっている
・骨にトゲ(骨棘)ができている
といった所見が見られると、「変形性股関節症」と診断されることが一般的です。
ただし、すぐに手術というわけではありません。
多くの場合はまず保存療法が選択されます。
具体的には、
・体重コントロール
・股関節まわりの筋力強化
・ストレッチなどの運動療法
を行い、股関節への負担を軽減することを目的としたリハビリが中心になります。
当院に来られる方の多くは、こうしたリハビリを頑張っても十分な改善が見られず、「このままでは手術しかない」と言われて不安を抱えている方々です。
では、鍼灸ではどのようなアプローチを行うのでしょうか。
そして、ご自宅でできるセルフケアとして、どのツボを押せばよいのでしょうか。
実は、今取り組んでいるリハビリの効果を高めるサポートも可能です。
あきらめる前に、ぜひ参考にしてみてください。

この記事の執筆者
ミントはり灸院 院長
森本 賢司
高度専門鍼灸師
【略歴】
神戸東洋医療学院卒業
神戸東洋医療学院にて河村廣定先生に師事
明治国際医療大学 大学院 修士課程 修了
神戸東洋医療学院 非常勤講師
【資格】
はり師免許証・きゅう師免許証
女性が股関節の痛みを感じる原因
「どうしてこんなに痛いの?」
そう感じるとき、体の中では“痛みのスイッチ”が入っています。
私たちが痛みを感じるためには、患部に発痛物質という物質が出ている必要があります。これは、
・筋肉や腱が強く緊張しているとき
・組織に炎症が起きているとき
に分泌されるものです。
発痛物質は、その部分にある神経を興奮させることで「痛い」という感覚を脳に伝えます。痛みの強さは、炎症の程度と、その部位にどれだけ神経が分布しているかで変わります。
ここで女性の股関節痛を考えると、大切なポイントがあります。
実は、骨そのものには痛みを感じる神経はそれほど多くありません。骨の表面(骨膜)には神経がありますが、筋肉・腱・皮膚に比べると圧倒的に少ないのです。
そのため、股関節の痛みの多くは「骨が痛んでいる」というよりも、
・股関節まわりの筋肉の緊張
・骨盤周囲の筋膜の硬さ
・血流低下による炎症
といった、やわらかい組織のトラブルが関係しているケースが非常に多いのです。
特に女性は、
・ホルモン変動による靭帯のゆるみ
・出産や加齢による骨盤バランスの変化
・冷えやすい体質による血流低下
といった要因が重なりやすく、股関節まわりの筋肉に負担が集中しやすい傾向があります。
つまり、股関節痛の原因は「骨が悪いから」と単純に決めつけるのではなく、
筋肉や皮膚、血流など、女性特有の体の変化を含めて考えることが大切なのです。
原因①:骨と筋力と体重のバランス
女性は男性ホルモン量が少ないということもあって、筋肉量が少なくなっています。さらに女性ホルモンの減少による骨粗鬆症。また食事で取り入れるたんぱく質が少ないというのもあって腱が弱くなります。
体重は運動量が低下すれば簡単に増加してしまうことを考えると筋力低下のタイミングで体重に対して関節が耐えられずに痛みを起こすことがあります。女性にはそのタイミングとして「座り仕事」「妊娠」などがあります。
例えば腕立て伏せ。女性でちゃんとできる人はあまりいません。それを無理やりでも腕立て伏せをすると関節に痛みを感じます。
まさに荷重に対して筋肉が耐えられず、荷重が関節に集中することで、組織破壊の可能性があるため患部に痛みを感じるわけです。
股関節痛も同じようなことが起きています。
腕立てほどわかりにくいのは我々の普段の生活が立つことが多かったり歩くことがあるからです。腕よりは使用頻度が多いというのが突然痛くなるという確立を下げます。
ただ、コロナが流行した時にフレイルの人が増えたという報告があるように。ちょっと家で過ごす時間が長くなるとあっという間に足の筋肉が衰えてしまい、家の中で歩くだけで痛みを感じる人が増えてきました。
他に在宅ワークによる腰痛なども同じことが起きています。
自分の荷重と骨や筋力のバランスが崩れることで股関節痛の原因となります。
原因②:ホルモンバランスの乱れと更年期
女性の股関節痛を考えるうえで、ホルモンバランスの影響は見逃せません。
とくに40代後半から50代にかけての更年期には、女性ホルモン(エストロゲン)が大きく減少します。このホルモンは、骨や関節、筋肉、血管の健康を保つ働きを担っています。
エストロゲンが低下すると、
・骨密度が低下しやすくなる
・関節の軟骨が弱りやすくなる
・筋肉量が減少しやすくなる
・血流が悪くなりやすい
といった変化が起こります。
その結果、股関節まわりの支持力が低下し、わずかな負担でも炎症や筋緊張が起こりやすくなります。これが「特別なケガをしたわけではないのに痛い」という状態につながります。
また、更年期は自律神経も乱れやすい時期です。
自律神経のバランスが崩れると血流が低下し、筋肉に疲労物質が蓄積しやすくなります。これが慢性的な痛みを長引かせる要因になります。
この時期は「年齢のせい」と片づけず、体の内側の変化を理解したうえでケアしていくことが大切です。
原因③:婦人科系疾患や冷えによる影響
女性の股関節痛を考えるとき、婦人科系の状態や「冷え」は重要な視点です。
子宮や卵巣などの生殖器は、大きな内膜組織を持っています。そのため、体調やホルモンバランスの変化によって内部に炎症が起こりやすい特徴があります。
たとえば、
・生理不順が続いている
・経血量が極端に少ない、または多い
・強い生理痛がある
といった状態がある場合、子宮内膜のターンオーバー(排出と再生)のリズムが乱れ、内部で炎症が持続しやすくなります。
また、閉経後は月経による排出機能がなくなるため、体質によっては骨盤内の循環が停滞しやすくなります。これが慢性的な違和感や痛みの背景になることもあります。
さらに、生殖器周辺には多くの自律神経、とくに副交感神経が分布しています。これらの神経は仙骨部(骨盤の後方)に集まり、そこから下肢の内側へとつながっています。
そのため、
骨盤内の炎症や冷え
↓
自律神経の緊張
↓
太もも内側や内転筋群の持続的な緊張
という連鎖が起こることがあります。
下肢内側の筋肉が硬くなると、股関節から膝にかけての筋バランスが崩れ、体重のかかり方に偏りが生まれます。こうしたわずかなアンバランスの積み重ねが、股関節への慢性的な負荷となり、痛みを引き起こします。
加えて、女性に多い「冷え」は血流を低下させ、炎症物質や疲労物質が滞りやすい状態をつくります。冷えがあると筋肉はさらに緊張しやすくなり、痛みが長引く傾向があります。
つまり、婦人科系の不調や冷えは、単にお腹の問題ではなく、
骨盤内の炎症・自律神経・下肢筋バランスの崩れを通じて股関節痛に影響する
ということがいえます。
【年代別】女性の股関節痛の症例
20代女性:股関節の障害
大学でダンスを専攻しており、日々のトレーニングに励んでいる。最近、右股関節に鈍い痛みを感じるようになり、特にダンスの動作中に鋭い痛みが走ることがあった。整形外科での診断の結果、股関節形成不全と診断。
ダンスの動作が股関節に過度な負担をかけているため、痛みが生じています。
若い方に多いのが股関節形成不全です。
ただ痛みと形成不全は必ずしも関係するものではありません。
この時に考えるべきは「生理不順」です。
形成不全による荷重のアンバランスはありますが、同時に内臓から発生するアンバランスも重なっている可能性もあります。
40代女性:股関節の変形
日常生活で左股関節に痛みとこわばりを感じるようになった、特に階段の上り下りや長時間の歩行が困難になる。医師の診断により、変形性股関節症が原因であることが言われた。加齢とともに軟骨がすり減り、股関節に炎症が生じている。
このころに多いのが栄養の偏り、運動不足、年齢による体質の変化です。
年齢に合わせて必要な栄養を摂るべきですが、家族に合わせて糖質が多い食事になると、筋力低下と体重増加によって股関節への負担が増えます。
また年齢による筋力の低下や更年期に向かう最中による体調の変化(特に生理)が股関節周辺の筋肉を硬くする事があります。
70代女性:骨折による痛み

数年前から両股関節に慢性的な痛みを感じており、特に夜間に痛みが強くなってきた。最近では、歩行も困難になる。医師の診断により、骨粗鬆症による大腿骨骨折が痛みの原因であることがわかりました。骨密度の低下により、骨が脆くなり、ちょっとした尻もちで骨折します。
骨がもろくなるのは女性ホルモンの影響もありますが、近年では運動不足が主要因と言われています。骨を鍛えることで、破壊と再生を繰り返して骨を強くするということです。
高齢になるとふらつきや倦怠感などで運動量が極端に減ってきます。すると骨もどんどんもろくなってくる。
転倒してしまうのも運動不足が原因とも言えます。定年後からは運動ができる身体でい続けることが健康寿命を延ばします。
普段からの体の手入れが股関節痛を防ぐ事ができるのです。
股関節の痛みに即効アプローチ!おすすめのツボ厳選
先ほど紹介した事例ごとにセルフケアのツボを紹介します。
年齢とか関係なく股関節に痛みを感じたら全てのツボを使うことをお勧めします。
三陰交(さんいんこう):女性ホルモンを整え、冷えをやわらげる大切なツボ
三陰交は、内くるぶしのいちばん高いところから指3本分ほど上にあるツボです。女性の体と深く関わる代表的なポイントで、「婦人科のツボ」といえばまず挙げられる場所です。
このツボは、
・生理痛の緩和
・生理不順のサポート
・冷えの改善
・更年期の不調ケア
など、女性特有のお悩みに幅広く使われます。
指でそのまま押してもよいのですが、ちょうど骨のきわにあるため、押しても効いている感じがしにくいことがあります。その場合は、お灸がおすすめです。
市販のお灸で、いちばん温度が低いタイプを選び、左右それぞれ1日1個ずつで十分です。
最初はあまり熱さを感じないことがありますが、それは体が冷えていたり、疲れが溜まっているサイン。続けていくうちに、少しずつ温かさを感じやすくなっていきます。
閉経後の子宮まわりのケアとしても活用できる、大切にしたいツボです。
環跳(かんちょう):お尻の深部から股関節をゆるめる特効穴
環跳は、お尻の奥深く、股関節と大腿骨の関節部分に近い位置にあるツボです。正座をしたときに、かかととお尻が当たるあたりを目安に探してみてください。
この部分は、股関節の動きに大きく関わる筋肉が集まる場所です。ここが硬くなると、
・股関節のこわばり
・歩き始めの痛み
・長時間立ったあとの重だるさ
が出やすくなります。
指で押すのは少し難しいため、テニスボールやゴルフボールなど、適度に硬さのあるものを使うのがおすすめです。
仰向けに寝て、床とお尻の間にボールを置き、体重をゆっくり乗せていきます。
「イタ気持ちいい」程度が目安です。強すぎる刺激は逆効果になることもあるため、呼吸を止めずに行いましょう。
ボールを置いたときに強い痛みを感じる場合は、その筋肉が硬くなっているサインです。1回3分ほどを目安に続けてみてください。
立ち仕事が多い方や、夕方になると股関節が重くなる方のセルフケアとしてもおすすめです。
足三里(あしさんり):胃腸を整え足全体の重だるさを解消
足三里は、ひざのお皿の下にある出っ張った骨の外側から、指3本分ほど下にあるツボです。触ると少しへこんだ場所にあります。
このツボは、昔から「元気のツボ」とも呼ばれ、胃腸の働きを高める代表的なポイントです。女性は冷えやホルモンバランスの影響で胃腸が弱りやすく、それが全身のだるさや足の重さにつながることがあります。
胃腸の働きが落ちると、
・食事量が減る
・エネルギー不足になる
・動く気力がわかない
・さらに食事が減る
という悪循環に入りやすくなります。
特に更年期前後や体力が落ちているときは、「動かなきゃ」と思っても体がついてこないことがあります。そんなときは、まず体の土台である“消化吸収”を整えることが大切です。
たんぱく質をしっかり摂ることは筋力維持に欠かせませんが、急に増やすと胃がもたれることもあります。足三里は、胃の負担をやわらげながら栄養吸収をサポートしてくれるツボです。
刺激することで、
・胃腸の働きのサポート
・ふくらはぎ全体の緊張緩和
・足のむくみや重だるさの軽減
が期待できます。
「最近なんとなく元気が出ない」「足が重くて動きたくない」そんなときこそ、まずは足三里から整えてみてください。
委中(いちゅう):膝裏から腰・股関節の巡りを促す
委中は、膝の裏のちょうど中央にあるツボです。東洋医学では「足の太陽膀胱経」という経絡上に位置し、腰からお尻、太もも、ふくらはぎへとつながるラインに属しています。
この経絡は、腰痛や坐骨神経痛、股関節の痛みと深く関係すると考えられおり。特に、股関節の動きが悪い方や、太もも裏が張っている方には反応が出やすいポイントです。
膝裏はリンパや血管、神経が集まる場所でもあり、ここが硬くなると下半身全体の循環が滞りやすくなります。その結果、股関節まわりの筋肉に疲労物質が蓄積し、痛みや重だるさにつながります。
委中をやさしく刺激することで、
・膝裏の緊張緩和
・太もも裏の筋肉の柔軟性向上
・腰から股関節への血流改善
が期待できます。
押すときは、膝を軽く曲げた状態で、両手の親指を重ねてゆっくり5秒ほど圧をかけます。痛気持ちいい程度で、呼吸を止めずに行うのがポイントです。
股関節だけでなく、「腰から整える」という視点で活用していただきたいツボです。
女性の股関節の痛みを和らげる方法
これまで紹介してきたツボはどちらかと言うと予防的な考えで紹介しました。
今まさに痛みがあるという人のための方法を紹介します。
股関節ストレッチ
ストレッチ専門店も最近は増えてきました。
そういうお店に行ってケアしてもらうことも有効な方法です。
特にお尻周りをいろんな方向からストレッチしてもらいましょう。
股関節周りの筋肉を緩めることで、荷重に対するアンバランスを正常化します。さらに痛みがある場合は筋肉を緩めることで痛みを緩和できる効果が期待できます。
普段から運動量が少ない人は筋肉をストレッチするだけでも筋トレ効果がありますので運動不足改善にも期待できるからです。
股関節は球状の関節です。
いろんな方向に動くことができるからこそ、様々な方向から筋肉がついています。
そのどれも正確にストレッチするのは素人ではとても難しいので専門の人に手伝ってもらって下さい。
きっと自宅でのストレッチ方法を教えてくれますよ。
股関節マッサージ
股関節周囲の筋肉へのマッサージもおすすめです。
リラクゼーション系のマッサージよりも、整体や整骨といった身体の構造を熟知しているところがおすすめです。
股関節痛を感じる筋肉の緊張は特定の場所にあります。
そこにピンポイントに指をぐっと当ててもらうことで痛みに対して即効性があります。
マッサージの難しいのはピンポイントなので適切な場所を探すのに時間が必要な場合があります。
なので、受ける前にどのシチュエーションで痛みが起きやすいのか伝えておくと施術者は探しやすくなると思います。
特に階段の上り下りのどちらで痛みがでるのか?はとても重要な情報になります。
股関節の鍼治療
鍼灸の場合もマッサージと考え方は同じです。
身体の構造を考えて痛みを起こしている筋肉の緊張をピンポイントで緩めることができます。とくに鍼は患部となる筋肉に直接刺激を与えることができる唯一の方法です。
マッサージよりも筋肉の特定が難しくなるのは鍼が細いからです。こちらについても痛みが出るシチュエーション等の情報共有が大切になります。
同時に内臓や自律神経のことを理解して効かせることができる鍼灸師であれば、上記のような複雑な股関節痛に対しても予防や根本の解決に向かうことができます。
まとめ
今回は女性の股関節痛について解説しました。
立って動くことは日常生活で何度も行いますので股関節が痛いことの生活のストレスは非常に大きくなります。
長期間の痛みというのは自律神経失調症の原因になることも忘れてはいけません。場合によって心理的な負担にもなり脳が混乱をおこすことも。
ぎっくり腰などとちがって突然に怪我をするというよりも、これまでの積み重ねで痛みを発症します。
これを機に自分の体を見返す機会ととらえていただいて、股関節の痛みを解決しながらご自身の身体の手入れも一緒に考えていただくと嬉しいです。
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