ミントはり灸院・針治療は鎮痛剤を飲んでも可能?鍼灸を痛み止めの服用と並行すべき?

2025年4月4日

針治療は鎮痛剤を飲んでも可能?鍼灸を痛み止めの服用と並行すべき?

カテゴリ: Q&A(よくある質問)

頭痛に多いのが痛み止めを飲んだ状態で鍼灸院に来院される場合です。
痛み止めが鍼灸治療に悪さをしないのか?それとも鍼灸の効果を打ち消してしまうのではないか?と心配になりますよね。

せっかつの鍼灸治療を無駄にしないために、鎮痛剤や痛み止めにどのように扱っていけばよいのかを解説します。

院長 森本 賢司

この記事の執筆者

ミントはり灸院 院長
森本 賢司

高度専門鍼灸師

【略歴】
神戸東洋医療学院卒業
神戸東洋医療学院にて河村廣定先生に師事
明治国際医療大学 大学院 修士課程 修了
神戸東洋医療学院 非常勤講師

【資格】
はり師免許証・きゅう師免許証

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針治療は鎮痛剤を服用していても可能か?

結論から言うと「服用していても大丈夫」となります。

なぜ、おなじ鎮痛なのに大丈夫なのか?

それは鍼灸が行っている鎮痛の機序と鎮痛剤が行っている機序が違うからなんですね。
全く違うというわけではありませんが、それぞれがターゲットにしているところが違います。

薬の場合だと「抗炎症」の作用を使った鎮痛になります。炎症による痛みがある場合に有効となります。
また、カロナールやアセトアミノフェン系の炎症をターゲットにしていない薬の場合は脳の痛みの信号を抑制することで痛みを感じにくくしています。
リリカは神経線維の回復を促しています。

鍼灸の場合は筋肉の痙攣や皮膚の引き攣れの緩和を目的としています。固くなって、歪みが生じている状態です。そこに刺激を与えることでもとの硬さの歪みが無い状態を作り出して痛みの発生をなくしているわけです。

また血管の拡張作用もあるので、痛みの物質を流すことで痛みを抑制する効果もあります。(例:お風呂で温まると筋肉痛が緩和する)

ちょっと複雑な説明でしたが、それぞれがやろうとしていることが違うので併用していても大丈夫なわけです。

鍼灸治療と痛み止めの服薬は並行すべき?

じゃあ、並行して進めることで早く治るとか良い効果は期待できるのか?

これは原因によるとなります。

たとえば痛み止めを飲んでも効果がでない痛みの場合はそのことを担当鍼灸師が知っていると、痛みに対するアプローチが鑑別しやすくなって、効果的な治療ができやすくなります。

また痛み止めが良く効いていた場合は、炎症系の痛みをどうやって防ぐための鍼灸治療を提供することができるの、早期の回復が可能となります。

効果としては鎮痛ですが、ターゲットが違うことで、鍼灸師が判断しやすくなったり、役割分担ができることで治療の効率性が高まります。

そういう意味で並行することは良い判断と言えます。

また痛みがすぐに改善しない場合もありますので、そのときは目の前の痛みを優先したほうが回復が早い場合もあります。
痛みがあって眠れない状況では、鍼灸治療を受けても効果が望めません。そういう場合はまず鎮痛剤を使って、眠れる状況を作ってから鍼灸治療をうけることをおすすめしています。
不眠や不安による鍼灸治療の効果が感じなくなったり、出づらくなったりする場合もあるからです。

痛み止めをどう活用するかは鍼灸院ごとに違う場合もあるので、担当の先生にどのような薬を飲んでいるのか確認してみてください。

鎮痛剤を飲んでいる方の施術で注意すべきこと

市販薬でも湿布薬でも痛み止めにはさまざまな副作用があります。

この副作用によって他の痛みや不調が起きている場合があるので、不調の鑑別を正しく行わないと、いつまでも痛みが改善されないだけでなく、どんどん体調が悪化していくという悪循環に入ってしまう場合があります。

副作用の例としては

【胃腸障害】
胃もたれ、食欲不振、腹痛、胃の不快感、吐き気、嘔吐
胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの消化性潰瘍

【腎機能障害】
腎臓の働きが低下し、腎臓病が悪化するリスク
尿量の減少、むくみ、食欲不振

【アレルギー反応】
アスピリンを摂取すると、激しい喘息発作、鼻汁、眼充血、顔面潮紅があらわれることがある

【その他の副作用】
高血圧の方が使用すると、さらに血圧が上昇する場合がある
オピオイドでは便秘・吐き気・眠気などを起こすことがある
アセトアミノフェンは比較的安全な薬ですが、使用する量が増えると肝臓の機能が低下する場合がある

とくに胃腸障害は有名で、ロキソニンの湿布を体中に貼っていて、吐血をしてしまう場合もあります。

痛みは心理的な作用も強く受けます。本当に痛み止めが必要なのかを患者さんとよく話し合って、時には減薬していくことをお医者さんと相談してもらうようにお願いすることもあります。

六甲道本院
三ノ宮院
明石院

まとめ

痛みによって、感情的な不安や恐れがある場合、またさらに他の痛みを起こすことがあります。

それを防ぐことができるのが痛み止めの最大のメリットと私は思っています。痛み止めを対処療法だと批判する同業者もいますが、それは必ずしも正しいとは思いません。

痛みが軽減し普段の生活がある程度できるところを維持しながら、鍼灸治療で根本改善していく。

改善に向けた、痛み止めの賢い使い方を提案していきます。

当院「ミントはり灸院」は、根本から改善することに特化した神戸の鍼灸院です《年間10,000人超の実績》。六甲道駅3分”六甲院”/三ノ宮駅6分”三ノ宮院”/明石駅5分”明石院”の3店舗がございます。全室個室でマンツーマンで施術しています、ぜひお越しください。