投稿日:2025年3月27日 / 更新日:2026年7月8日
鍼治療で痛いところと痛くないところの違いは?痛む場所や理由を解説
カテゴリ: Q&A(よくある質問)

皮膚に鍼をする瞬間は、神経が最も興奮するタイミングです。
ただ、興奮の程度はその時の皮膚の状態や身体の状態、脳の状態によって痛みの感度が変わります。
基本的に無痛なのが鍼灸治療ですが、たまに「チク」っとしてびっくりする方もいらっしゃいます。
普段痛みがない分、「さっきの場所は悪いところですか?」という質問をいただくことがあります。
この記事では、痛みの感度の違いによって起きる、痛いところと痛くなりにくいところを解説していきます。

この記事の執筆者
ミントはり灸院 院長
森本 賢司
高度専門鍼灸師
【略歴】
神戸東洋医療学院卒業
神戸東洋医療学院にて河村廣定先生に師事
明治国際医療大学 大学院 修士課程 修了
神戸東洋医療学院 非常勤講師
【資格】
はり師免許証・きゅう師免許証
鍼治療は痛い?痛いところと痛くないところがある理由
鍼治療は基本的に強い痛みを感じにくい施術です。
しかし、皮膚の薄さや神経の多さ、筋肉の緊張、体調や不安の強さなどによっては、稀に「チクッ」と感じることがあります。
痛みを感じたからといって、必ずしも危険な状態や施術ミスを意味するわけではありません。
痛みの出方には、大きく分けて2つの要因が関わっています。
①身体の構造的な違い
・神経密度が高い部位:手指や足指、顔などは感覚神経が集中している
・皮膚が薄い部位:骨の近くや皮膚が薄い部分(頭皮や鎖骨周辺など)
・筋肉の緊張が強い部位:筋肉が硬直している場所
これら3箇所の共通点は皮膚の緊張度です。
皮膚の緊張度が強い場所は、鍼の刺激を強く感じやすくなります。
一方で、お腹や臀部など皮下脂肪が厚いところは、痛みを感じにくい傾向にあります。
②神経の感受性
痛覚閾値とは、痛みと感じるレベルのことです。
恐怖感が強い場合はこのレベルが下がって痛みを感じやすくなり、逆に酔っ払っているとレベルが上がって痛みを感じにくくなります。
痛みに対する感受性は人によって異なります。
痛みに対する経験量の違いも大きく影響するでしょう。
予防接種の痛みなども、事前に痛みの程度がわかっていると感受性が下がるものです。
ツボの場所だから痛みが出やすいというわけではありません。
これまでに解説した条件が複数当てはまっているところが、痛みとして出やすくなるわけです。
手足のツボなどは皮膚が薄く、筋腱の移行部に集中しているため、痛みが出やすい傾向にあります。
鍼治療で痛いところは悪い場所なのか?
鍼治療で痛みを感じた場所が、必ずしも「悪い場所」とは限りません。
痛みの感じ方は、皮膚の緊張や神経の密度、筋肉のこわばり、体調や不安の強さによって変わります。
ただし、筋肉が硬くなっている部位や皮膚の緊張が強い部位では刺激を感じやすくなるため、体の状態を知る一つの目安になることもあるでしょう。
「痛い=悪い場所」と単純に結びつけるのではなく、体からのサインの一つとして捉えていただくのがよいかもしれません。
鍼治療で痛む可能性のある場所とは?
理論的な説明だけではイメージしづらいと思いますので、痛む可能性が高い場所を実際に紹介します。
痛くなりやすいとあらかじめわかっていれば、感受性を下げることができます。
以下の文章を読むだけでも、痛みを軽減できるかもしれません。
痛いところ①:手のひら、足の裏
体の中で最も神経が集中していて、皮膚の緊張度も高く、骨の近くにあるので、痛みが出やすい条件がすべてそろっています。
当院でも腱鞘炎や足底腱膜炎の治療で鍼をしないといけないときがありますが、そのときはさまざまな方法を使って痛みを軽減しながら治療しています。
痛みの感じとしては、感電するような「ビリ」っとした痛みを感じることが多いです。
痛いところ②:不安や怒り
こちらは感情的な要素です。
不安や怒りは、痛みの感度を高めます。
うつ病の方は、10倍以上感度が高まるとも言われています。
まれに「鍼は怖い、でも治すために我慢して受けます」という患者さんがいらっしゃいますが、その場合は鍼をすることをおすすめしていません。
痛みが強くなって不安がさらに強くなり、症状が悪化する場合が多いからです。
鍼ではない刺激を使って、まずは慣れてもらうことを優先して治療しますが、中には「物足りない、せっかく覚悟してきたのに」と思う方もいるでしょう。
それだけ不安になることを警戒しているということです。
痛いところ③:体調不良
睡眠不足であったり、痩せていたり、アレルギーがあったり、冷え性があったりすると、痛みの感度が高まります。
皮下の痛みの神経が過敏になっていたり、血流が悪化することで発痛物質が排出されなかったり、皮膚そのものの感度が高まっていたりすることが背景にあります。
もちろん、こうした悩みを抱えて鍼灸院に来られる方が多いため、完全な対策は難しいのが正直なところです。
ただ、体質改善とともに鍼灸治療による痛みはどんどんなくなっていきます。
最初はチクチクする痛みのたびに目をぎゅっとしていた方も、数回の治療で体が楽になるころには、体中に鍼を受けていてもぐっすり眠って寝息を立てていることもあるほどです。
鍼治療で痛みを感じやすい人の特徴
ここまでの内容を整理すると、鍼治療で痛みを感じやすいのは、以下のような方といえるでしょう。
・不安や怒りなど、感情が高ぶりやすい状態にある方
・睡眠不足が続いている方
・痩せ型で皮下脂肪が少ない方
・アレルギー体質の方
・冷え性で血流が滞りやすい方
これらに当てはまる方は、皮下の神経が過敏になっていたり、血流の悪化によって発痛物質が排出されにくくなっていたりすることが考えられます。
また、うつ状態にある方は痛みの感度が10倍以上高まるとも言われており、心の状態が痛みの感じ方に大きく影響することがわかります。
ただし、これらの状態は体質改善や治療を重ねることで少しずつ変化していきます。
「今は痛みを感じやすい」というだけで、ずっとそのままというわけではありません。
鍼治療で痛む可能性を下げる方法は?
とくに初回が、最も痛みに対して感度が高くなります。
初回をどうやってクリアするかがポイントです。
初回の印象がよければ、治療のたびに痛みの感度は下がっていきます。
施術を担当する人をうまく頼りながら、初回の不安を取り去る方法をお伝えします。
①痛みが苦手、怖いことをちゃんと伝える
鍼灸院に来たら必ず鍼を受けなければならない、というわけではありません。
それ以外の方法で体を改善できる方法もあります。
不安を伝えれば、初回は鍼をせずに慣れることを優先した治療をしてもらえるはずです。
②治療の不安を話す
不安なことを解消するには、解決策を示してもらうことよりも、自分の想いをちゃんと話すことが効果的です。
なぜ治療をしようと思ったのか、鍼灸院を選んだ理由、治ったらどんなことがしたいのか——そういった話をしてみてください。
それだけでも不安は解消され、痛みが出にくくなります。
③楽しむ
治療を楽しむことも有効です。
不調があるとなかなか難しいかもしれませんが、そんなときはお気に入りの動画を来院前に見たり、家族の写真を見たりして、感情を少し前向きにしてみましょう。
施術中も怖くて黙ってしまうよりは、鍼灸の不思議さを体験して、体で感じたことを施術者に伝えてみるのもよいでしょう。
その時間を楽しむようにすれば、あっという間に時間は過ぎていきます。
まとめ
鍼治療で痛い場所と痛くない場所があるのは、身体の構造や神経の感受性によるものです。
手のひらや足裏など神経が多い部分は痛みを感じやすく、不安や体調によっても影響を受けます。
でも、ちょっとした工夫で痛みを和らげることもできます。
「鍼が痛いのが心配…」と思っている方は、どうしたらリラックスできそうか、少し考えてみてください。
まずは不安を話してみるのも一つの方法かもしれません。
無理をせず、自分に合った方法で鍼治療を受けてみてください。
初めての方は、自分に合いそうだなと思うところを選ぶのがおすすめです。
当院「ミントはり灸院」は、根本から改善することに特化した神戸の鍼灸院です《年間10,000人超の実績》。六甲道駅3分”六甲院”/三ノ宮駅6分”三ノ宮院”/明石駅5分”明石院”の3店舗がございます。全室個室でマンツーマンで施術しています、ぜひお越しください。






























