2025年3月27日
針治療で痛いところと痛くないところの違いは?痛む場所や理由を解説
カテゴリ: Q&A(よくある質問)
皮膚に針をする瞬間は神経が最も興奮します。
ただ、興奮の程度というのはその時の皮膚の状態や身体の状態または脳の状態によって痛みの感度が変わります。
なので、基本的に無痛なのが鍼灸治療なのですが、たまに「チク」っとしたりしてびっくりする方がいます。
普段痛みがないので「さっきの場所は悪いところですか?」という質問がありますが、その型絵はは当たらずとも遠からずといったところです。
なぜなら、針をする場所は全てが悪さがあるからです。
感度の違いによって起きる、痛いところと痛くなりにくいところを解説していきます。

この記事の執筆者
ミントはり灸院 院長
森本 賢司
高度専門鍼灸師
【略歴】
神戸東洋医療学院卒業
神戸東洋医療学院にて河村廣定先生に師事
明治国際医療大学 大学院 修士課程 修了
神戸東洋医療学院 非常勤講師
【資格】
はり師免許証・きゅう師免許証
針治療で痛いところと痛くないところが生じる理由
1:身体の構造的な違い
・神経密度が高い部位
手指や足指、顔などは感覚神経が集中している。
・皮膚が薄い部位
骨の近くや皮膚が薄い部分(例えば、頭皮や鎖骨周辺)
・筋肉の緊張が強い部位
筋肉が硬直している場所
3箇所の共通点は皮膚の緊張度です。皮膚の緊張度が強い場所は鍼の刺激を強く感じやすくなります。
一方で、お腹や臀部など皮下脂肪が厚いところは痛みが感じにくくなります。
2. 神経の感受性
・痛覚閾値の違い
痛みと感じるレベルのことですが、これはさまざまな条件が影響します。恐怖感が強い場合はレベルが下がって痛みを感じやすくなりますし、酔っ払っているとレベルが上って痛みを感じにくくなります。
・個人差
痛みに対する感受性は人によって異なります。痛みに対する経験量の違いが大きいと思います。予防接種の痛みなども、事前に痛みの程度がわかっておくと感受性が下がります。
ツボの場所だから痛みが出やすいか?というとそういうわけではありません。これまでに解説した条件が複数当てはまっているところが痛みとして出やすくなります。
手足のツボなどは皮膚が薄く、筋腱の移行部に集中しているので痛みが出やすい傾向にあります。
針治療で痛む可能性のある場所とは?
理論的な説明だけではイメージしづらいと思いますので、痛む可能性が高い場所を実際に紹介します。
痛くなりやすいとわかっていれば、感受性を下げることができますので、以下の文章を読むだけでも痛みを軽減できるかもしれません。
痛いところ①:手のひら、足の裏
体の中で最も神経が集中していて、皮膚の緊張度も高く、骨の近くにあるので、痛みが出やすい条件が全てそろっています。
私どもでも腱鞘炎や足底腱膜炎の治療で針をしないといけないときがありますが、そのときはさまざまな方法を使って痛みを軽減して治療しています。
痛みの感じとしては感電するような「ビリ」っとした痛みを感じます。
痛いところ②:不安や怒り
こちらは感情的な要素です。
不安や怒りは痛みの感度を高めます。
うつ病の人は10倍以上感度が高まるとも言われています。
まれに「鍼は怖い!でも治すために、我慢して受けます!」という患者さんがいますが、その場合は鍼をすることをおすすめしていません。
痛みが強くなって、不安が強くなり、症状が悪化する場合が多いからです。
鍼ではない刺激を使って、最初は慣れてもらうことを優先して治療しますが、中には「物足りない、せっかく覚悟してきたのに」と思う方もいます。
それだけ不安になることを警戒しているからですね。
痛いところ③:体調不良
睡眠不足であったり、痩せていたり、アレルギーがあったり、冷え性があったりすると痛みの感度が高まります。
皮下の痛みの神経が過敏になっていたり、血流が悪化していることで発痛物質が排出されなかったり、皮膚そのものの感度が高まっていたりすることがあります。
もちろんこういう悩みを抱えて鍼灸院に来られるわけなので完全な対策は難しいのですが、体質改善とともに鍼灸治療による痛みがどんどんなくなってきます。
最初はチクチクする痛みのたびに目をぎゅっとしていた人も、数回の治療で体が楽になるころには、体中の鍼を受けていてもぐっすり眠っていて寝息を立てていることもあります。
針治療で痛む可能性を下げる方法は?
とくに初回が最も痛みに対して感度が高いです。
初回をどうやってクリアするかになります。初回の印象がよければ、治療ごとに痛みの感度は下がっていきます。
施術を担当する人を上手く使って初回の不安を取り去る方法をお伝えします。
1:痛みが苦手、怖いことをちゃんと伝える。
鍼灸院にきたら必ず鍼を受けなければならないというわけではありません。それ以外の方法で体を改善できる方法はあります。
初回は鍼をしないで慣れることを優先した治療をしてくれるようになります。
2:治療の不安を話す
不安なことを解消するには、解決策を示すよりも、自分の想いをちゃんと話すことです。なぜ治療をしようと思ったのか、鍼灸院を選んだ理由、治ったらどんなことがしたいのか、などなど色んな話をしてみてください。
それだけでも不安は解消されて痛みが出にくくなります。
3:楽しむ
治療を楽しむことも有効です。不調があったらなかなか難しいかもしれませんが、そんなときはお気に入りの動画を来院前に見たり、家族の写真を見たりして、感情を少し前向きにしてみましょう。
施術中も怖くて黙ってしまうよりは、鍼灸の不思議さを体験して、体で感じたことを施術者に伝えたりしても良いでしょう。
その時間を楽しむようにすれば、あっという間に時間は過ぎていきます。
まとめ
針治療で痛い場所と痛くない場所があるのは、身体の構造や神経の感受性によるもの。手のひらや足裏など神経が多い部分は痛みを感じやすく、不安や体調によっても影響を受けます。でも、ちょっとした工夫で痛みを和らげることもできます。
「鍼が痛いのが心配…」と思っているあなたは、どうしたらリラックスできそうですか? まずは不安を話してみるのも一つの方法かもしれません。無理せず、自分に合った方法で針治療を受けてみてください。
初めての方は自分に合いそうだなぁと思うところを選ぶのがオススメです。
当院「ミントはり灸院」は、根本から改善することに特化した神戸の鍼灸院です《年間10,000人超の実績》。六甲道駅3分”六甲院”/三ノ宮駅6分”三ノ宮院”/明石駅5分”明石院”の3店舗がございます。全室個室でマンツーマンで施術しています、ぜひお越しください。