2025年5月11日
鍼治療後や翌日に体が痛い原因は?痛みはいつ治まる?過ごし方のコツも解説
カテゴリ: Q&A(よくある質問)
頭痛や腰痛などの痛みを少しでも楽にするために鍼灸院に行って施術を受けたのに翌日になると痛い!
せっかく受けたのにどういうこと!?治療が合っていないの?それとも好転反応なの?
でも痛いのは辛い・・・
そのように感じる方も少なくないと思います。
痛みというのはとにかく早く楽にしたいですよね。
なぜこんなことが起きるのか?それがいつまで続くのか?について解説します。

この記事の執筆者
ミントはり灸院 院長
森本 賢司
高度専門鍼灸師
【略歴】
神戸東洋医療学院卒業
神戸東洋医療学院にて河村廣定先生に師事
明治国際医療大学 大学院 修士課程 修了
神戸東洋医療学院 非常勤講師
【資格】
はり師免許証・きゅう師免許証
鍼治療後や翌日に体が痛い原因とは
痛みというのは神経が発痛物質をうけて興奮して脳が認識しています。
発痛物質は「炎症」によって発生し痛みを感じます。
もう一つ痛みを感じる条件があり、皮下の神経に直接刺激が加わる場合です。
これは「皮膚や筋肉の過剰な引きつれや怪我」によって痛みを感じます。
これらの原理以外で痛みを感じることはありません。
なので、鍼灸治療後に体が痛いというのは以下のようなことがおきていると考えられわけです。
炎症が続いている
炎症はすぐに改善されませんが、鍼治療後は一時的に血流改善によって炎症がすーっと緩和します。そのときに「楽になった」と感じるわけですが、その効果も少しずつ失われてきてまた炎症が強くなり痛みを感じるわけです。
筋肉の引きつれが取れてない
筋肉や皮膚の引きつれについても鍼灸刺激で緩和されます。炎症ほどぶり返す可能性が低くなっていますが、治療後に生活動作を繰り返すことで徐々に筋肉の緊張が強くなる場合もあります。
これはある意味で、痛みを感じる患部と違うところに問題があって、それを改善しきれていない場合は時間の経過とともに痛みがぶり返されます。このケースは施術者の力量が原因かもしれません。
内臓の不調がある
炎症も筋肉の緊張もそもそもは内臓の不調から始まります。痛みを感じるところに鍼をしても内臓の不調があるかぎり、また痛みは発生するわけです。
内臓の不調はすぐには改善しないので、治療初期は治療後であっても痛みがぶり返すことを繰り返します。
鍼灸の鎮痛効果は強力
鍼灸治療の鎮痛効果は非常に強く作用します。がんの痛みを楽にすることができますし、歩けないほどのギックリ腰を数回の鍼でスキップして帰るぐらいにできます。
私の経験ですが、骨折している痛みに対しても鍼をすることで楽になりました。このケースではすぐに痛みがぶり返したので病院に行ってもらい骨折していることが判明しました。
鍼の強力な鎮痛作用があるからこそ、翌日の痛みを感じてしまう原因です。人は痛みを絶対評価できません相対評価です。鍼灸を受ける前の痛みが10だとして、治療後に3まで改善した。翌日に7まで戻ったとしても受ける前から3改善したというよりは4悪化したと認識するわけです。
鍼灸治療後に別の場所が痛いのは好転反応?
人間の身体は特定の場所に集中した痛みを優先的に感じ、他の痛みを一時的に「抑制」する仕組みを持っています。
これは、怪我の治療において大事なところを守り、回復することが生命の維持において重要なので仕組みとして持っています。
ということは治療後に感じた別の痛みは、主な痛みが改善したことで表在した痛みということになります。
また精神的なショックによって小さな痛みが増幅されて、脳が強く感じてしまった可能性もあります。
場合によっては潜在していた痛みが慢性化している症状だったりもしますので、別の場所が痛みとして出た場合の原因を解説します。
頭痛
頭痛の発生場所にもよりますが、片頭痛を訴える場合が多いようです。
この場合は原因として「くいしばり」が考えられます。
治療を受ける前の痛みによって、睡眠中のストレスが強い場合はそのストレス解消や痛みの緩和を目的として顎に力をいれる動作を無意識で行います。
その行為によって側頭筋などが緊張し痛みが発生するわけです。
主な痛みが緩和したときに、いつの間にか筋肉の緊張が蓄積していた側頭部の痛みを感じるようになり頭痛を起こす場合があります。
筋肉痛
潜在した筋肉の痛みを感じる場合によって筋肉痛のように感じることがあります。これは脳の興奮も関わっている場合もあります。
なれない鍼灸刺激によって、脳が興奮することもあります。痛みは脳が感じるので、筋肉の痛みが1しかなくても、脳の興奮で3倍に膨れ上がることもあります。それによって筋肉痛を感じるわけです。
まれに筋肉の痛みがとれることで、体の動かし方がスムーズになり、痛みを感じているときはぎこちなく動かしていたときに比べて違う筋肉を使うようになります。
筋力は1週間使わなくなると25%低下すると言われていますので、どんどん筋力が低下し動けるようになったことで筋肉痛になる場合もあります。
これはある意味では良いサインなので、どんどん体を動かして元の筋力に戻していきたいですね。
倦怠感
治療によって患部の発痛物質や炎症物質が吸収の過程で全身に巡ります。そのときに一時的な倦怠感を起こすことがあります。
これはつかれているときにサウナや銭湯、温泉などに行くと眠たくなったり、倦怠感が出ますが同じような原理です。
これも治療後の悪いサインではないので、これが最も好転反応に近いかもしれません。ただ、体が良くなっているわけではなく、これまでの疲労が改善しているだけなので、痛みの改善につながらないところでは微妙なところです。
鍼治療後の痛みはいつ治まるのか
治療後の体の不調もそこまで長く続くことはありません。通常であれば半日もすれば感じなくなります。
これは先に説明した痛みを感じる原因がどれに該当するかによって変わります。
半日以上続く場合は「体の回復はまだまだ」と思って、これまで頑張ってきた自分と体をしっかりと労ってください。
施術を受けていればいずれは改善していきます。
大事なのは慌てないことです。慌てることで過剰なストレスになってしまったら、さらに痛みが強くなったり、他の症状が出る場合もあるからです。考えすぎずにいつも通り過ごすようにしてください。どうしても不安に感じたら担当している鍼灸師に相談しましょう。
鍼治療後の過ごし方のコツ
一般的な鍼灸院では「安静に」「家でゆっくり」「〇〇禁止」などの指示が出ることがありますのでそれに従って過ごしてもらうことが基本ですが。
当院の場合はとくに制限を言うことはありません。
普通の生活、普段の生活を取り戻すために治療を受けているわけですから、制限をすることは本末転倒だと感じていますし、普通の生活の中に不調の原因があったりしますのでそれを見つけることで再発予防にもなります。
痛み止めを飲むのではなく、鍼灸で治すと決めた気持ちに答えるためにも、少しでも早く元の生活を手に入れることを大事に考えています。
もしどうしても治療後の痛みがでるのが嫌だなと思うなら以下の過ごし方をおすすめします。
・お水をしっかり飲む
・仮眠を取る(できれば布団に入って)起きたら散歩をする
・エンタメに触れて笑う
どれも痛みを感じにくくする効果があります。
自分のできるところからやってみてください。
まとめ
今回は治療後の痛みがなぜ?起きるのか?について解説しました。
治療初期とくに初診の後だと、痛みが起きることで治療をやめてしまうことがありますが、非常にもったいないと思います。
それは鍼灸を受ける限り発生する可能性があるからです。ほかの鍼灸院でも同じことが起きるということです。なぜなら鍼灸の効果は高く鎮痛効果が強いからですね。
効果のある施術だけにそこでやめてしまうのはもったいない。
治療後の痛みによって、身体のことが分かる場合もありますので、その痛みを持って施術者は治療を調整しています。
こういった情報を上手に活用して、自分に合うようにお互いに協力しましょう。ベストパートナーの鍼灸師になれば、健康的な毎日を送るうえですごくうえで、かかせない存在になりますよ。
当院「ミントはり灸院」は、根本から改善することに特化した神戸の鍼灸院です《年間10,000人超の実績》。六甲道駅3分”六甲院”/三ノ宮駅6分”三ノ宮院”/明石駅5分”明石院”の3店舗がございます。全室個室でマンツーマンで施術しています、ぜひお越しください。