投稿日:2018年8月6日 / 更新日:2025年11月9日
鼻をかみすぎて頭が痛い!すぐ楽になる対処法と危険なサイン見分け方
カテゴリ: 頭痛・偏頭痛

あなたもこんな経験、ありませんか?
鼻をかみすぎて、いつの間にか「ズキーン」と頭の奥が痛くなる。
ティッシュの山を築きながら、「風邪かな、それとも副鼻腔炎?」と不安になる。
気づけば鏡の前で、鼻のまわりが赤くなっていて、息もしづらい。
けれど仕事は待ってくれないし、頭がボーッとして集中できない??。
もし少しでも「わかる…」と感じたなら、この記事はまさにあなたのためのものです。
実はこの「鼻をかむと頭が痛くなる」症状、単なる風邪や花粉症の延長ではなく、鼻腔内の圧力や神経の反応が関係していることが多いんです。
この記事では、
・今すぐできる頭痛の対処法
・病院へ行くべき危険なサイン
・再発を防ぐ“正しい鼻のケア”
を、鍼灸師の視点からわかりやすく解説します。

この記事の執筆者
ミントはり灸院 院長
森本 賢司
高度専門鍼灸師
【略歴】
神戸東洋医療学院卒業
神戸東洋医療学院にて河村廣定先生に師事
明治国際医療大学 大学院 修士課程 修了
神戸東洋医療学院 非常勤講師
【資格】
はり師免許証・きゅう師免許証
「鼻をかむたびに痛い」「もう少しで治りそうなのに長引く」
そんなあなたの不快な頭痛が、この記事を読んで“今日から軽くなる”かもしれません。
鼻かみすぎて頭が痛い人が今すぐできる対処法
「ズキズキする頭をなんとかしたい…」
そんなときは、まず“鼻と頭の負担を減らす”ことを意識しましょう。
すぐにできる方法を、順番に紹介します。
まず試してほしいのが温めることです。
蒸しタオルを鼻のつけ根や首の後ろに当てると、血流が良くなり鼻づまりがやわらぎます。
温かいお茶やスープなど、体の中から温めるのも効果的。
体温が上がることで副交感神経が優位になり、自然と痛みも落ち着いていきます。
次に、姿勢を整えましょう。
つらいときほど前かがみになりがちですが、頭を心臓より高い位置に保つことで鼻腔内の圧が下がり、“ズーンと重い痛み”が軽くなります。
それでも違和感が残る場合は、ツボ押しを取り入れてみてください。
目頭の下にある「晴明(せいめい)」と、首の後ろのくぼみにある「風池(ふうち)」を、
指の腹で5秒ずつ×3回、やさしく押すのがおすすめです。
鼻まわりの血流が促され、こわばった筋肉や神経の緊張がほぐれていきます。
また、部屋の湿度管理も大切です。
乾燥した空気は鼻の粘膜を刺激し、痛みや炎症を悪化させます。
加湿器を使うか、濡れタオルを吊るして湿度を50~60%に保ちましょう。
そして、どうしてもつらいときは市販の鎮痛薬を一時的に使うのも選択肢です。
胃にやさしい「イブ」から試し、効果が不十分なら「ロキソニン」を。
ただし、あくまで“その場しのぎ”と考えてください。
痛みが何日も続く、あるいは鼻づまりと熱を伴う場合は、
副鼻腔炎(蓄膿症)などの可能性もあります。
市販薬で抑え込まず、耳鼻科など専門医に相談しましょう。
鼻をかむと頭が痛くなる原因とは
「鼻をかむとズキッと頭が痛む」「おでこの奥が重たい」――そんな経験はありませんか?
実は、これは単なる“かみすぎ”ではなく、鼻の奥で起きている圧力や神経興奮が関係しています。
鼻の通りが悪い状態で何度もかむと、鼻腔(びくう)内の圧が一気に上がり、頭痛や目の奥の痛みを引き起こすことがあります。
鼻腔の圧力急上昇→三叉神経を刺激
鼻を強くかむと、鼻の奥にある細い通り道に一瞬で圧力がかかります。
この圧が顔全体の感覚を司る「三叉神経(さんさしんけい)」を刺激し、
額やこめかみ、目の奥などに“キーン”とした痛みを感じることがあります。
特に花粉症や風邪で粘膜が腫れているときは、少しの圧でも神経が過敏になりやすく、痛みが出やすい状態です。
鼻水が副鼻腔に逆流→急性副鼻腔炎(蓄膿症)
鼻の奥には「副鼻腔(ふくびくう)」と呼ばれる空洞があり、ここに鼻水が逆流して溜まると炎症を起こしやすくなります。
これがいわゆる「急性副鼻腔炎」や「蓄膿症」と呼ばれる状態です。
空洞内に膿や鼻汁がたまることで、内側からの圧が高まります。それが皮膚の緊張を高めたり、炎症による神経の興奮などから筋肉が固くなります。それが痛みの原因です。
おでこの痛みや頬の奥の重だるさ、顔の圧迫感を伴うのが特徴で、悪化すると頭全体がズーンと重く感じるようになります。
鼻づまりによる酸素不足→血管拡張
もう一つの原因が、鼻づまりによる“酸素不足”です。
鼻呼吸ができずに口呼吸ばかりしていると、脳への酸素供給が低下し、血管が拡張して頭痛を引き起こします。
このタイプの痛みは、頭がボーッとする、集中できない、といった自律神経の乱れを伴うことも少なくありません。
十分な睡眠と深呼吸を意識することで、症状が軽くなる場合もあります。
病院の受診が必要なケース
鼻をかみすぎて頭が痛いとき、ほとんどは自宅でのケアで改善します。
しかし、次のような症状がある場合は、自己判断せず早めに耳鼻科を受診してください。
・視力異常・物が二重に見える
・激しい片側の頭痛(雷鳴のような痛み)
・意識がもうろうとする・ふらつく
・38度以上の高熱と強い頭痛が続く
これらの症状は、
単なる鼻炎や風邪ではなく、副鼻腔炎(ふくびくうえん)などの感染性炎症が進行しているサインかもしれません。
副鼻腔炎とは、鼻の奥にある「副鼻腔」という空洞に炎症が広がった状態で、ウイルスや細菌が鼻腔から侵入し、粘膜が腫れて膿(うみ)がたまってしまうことで起こります。
特徴的な症状には、青っぱな・黄色く粘り気のある鼻水、鼻の奥から喉に流れる後鼻漏(こうびろう)、鼻づまり、嗅覚の低下、そしておでこや頬の奥の鈍い痛みなどが挙げられます。
急性の場合は抗生剤や薬の治療で回復しますが、放置すると慢性化し、いわゆる「蓄膿症」に。
重症になるとポリープ(鼻たけ)ができたり、最悪の場合は手術が必要になることもあります。
さらに、慢性の副鼻腔炎をそのままにすると、扁桃炎・歯周病・気管支炎・肺炎など、別の感染症を引き起こす危険もあります。
たかが「鼻」「鼻水」と侮らず、症状が長引くときは必ず専門医に相談しましょう。
正しい鼻のかみ方
実は、鼻のかみ方ひとつで頭痛や炎症のリスクが大きく変わります。
多くの人が無意識のうちに間違ったかみ方をしており、
それが鼻づまりや副鼻腔炎を悪化させる原因になっているのです。
間違ったかみ方
両方の鼻をギュッと閉じて、思い切り「ブッ」とかむ――。
このやり方は、鼻の奥に強い圧をかけてしまい、
副鼻腔や耳につながる「耳管(じかん)」へ空気が逆流します。
その結果、頭痛・耳のつまり感・炎症の悪化を招くことがあります。
正しいかみ方
・片方の鼻の穴を指でしっかり押さえる
・もう片方の鼻から、口を少し開けてゆっくり息を吐くようにかむ
・左右交互に行う(1回あたり5秒以内が目安)
勢いよくかむのではなく、「ゆっくり・やさしく・片方ずつ」がポイントです。
鼻の通りを確保しつつ、神経や副鼻腔への圧を最小限に抑えることができます。
かむ前の準備が9割
鼻をかむ前に、鼻腔内を整えることもとても大切です。
鼻の粘液は温めたり、水分を追加することで柔らかくなり、スムーズに排出しやすくなります。
・蒸しタオルを鼻や頬に当てて温める
・シャワーの蒸気を鼻で軽く吸い込む
・加湿器で室内の湿度を50~60%に保つ
・鼻うがいで膿やアレルゲンをやさしく洗い流す
こうした「準備」をしてから鼻をかむと、粘膜への負担が減り、頭痛や炎症の悪化を防ぐことができます。
一見小さなことですが、毎日の習慣が鼻の健康を守る大きな一歩になります。
鼻のかみすぎで頭痛がある時は「鼻うがい」が効果的!
おでこの痛みや頭の重さが続くときは、原因となっている鼻の炎症を鎮めることが大切です。
鍼やローラー鍼で筋肉をゆるめる施術も有効ですが、自宅でできるセルフケアとしては、やはり「鼻うがい」がおすすめです。
鼻うがいで鼻の奥を洗い流すと、炎症を起こしている粘膜の刺激がやわらぎ、こもったような圧迫感や頭痛が軽くなることがあります。
実際に、医学誌でも鼻うがいによる花粉症症状の改善効果が報告されており、近年では自律神経の安定にもつながるといわれています。
「なんとなく面倒そう」「痛そう」と感じるかもしれませんが、正しいやり方を覚えればまったく怖くありません。
鼻の通りがスッと楽になる感覚は、思わずクセになるほどです。
準備と手順
準備するもの:専用洗浄液(生理食塩水)、鼻うがい容器
手順:
1:ぬるま湯(36~38度)に専用の粉を溶かす
2:洗面台で少し前かがみになり、「エー」と声を出しながら片鼻に注入
※絶対に上を向かない(中耳に液が入るリスク)
反対の鼻または口から液を出すのが理想ですが、そのまま出てきてもOKです。
中耳炎既往歴がある方は医師に相談してから実施してください。
ドラッグストアでは小林製薬の「ハナノア」など、初心者でも使いやすい鼻うがい器が販売されています。
また、鼻うがいにプラスして鼻まわりのマッサージもおすすめです。テレビを見ながらで構いません。眉頭の下や鼻筋を指でやさしくさすると、筋肉のこわばりがゆるみ、血流が改善してスッキリ感が得られます。
大切なのは毎日の継続。
鼻うがいは花粉症や風邪の予防はもちろん、冬の乾燥による「ドライノーズ」対策にも有効です。
手洗い・喉うがいと同じように、鼻うがいを生活習慣のひとつに取り入れてみてください。
それでも痛みや不快感が改善しない場合は、炎症が深部まで広がっている可能性があります。病院で鼻の奥を診てもらうようにしましょう。
マッサージと効果的なツボ
鼻づまりや頭痛を和らげるには、鼻うがいとあわせて顔まわりのマッサージやツボ押しを行うのがおすすめです。
血流を促し、鼻の通りを整えることで、圧迫感や痛みを軽減できます。
まずは、目頭のすぐ下にある「晴明(せいめい)」というツボ。
鼻づまりや目の奥の痛みに効果があり、指の腹で5秒押してゆっくり離す動作を3回ほど繰り返します。
次に、鼻の両脇にある「迎香(げいこう)」のツボ。
ここを軽く円を描くようにマッサージすると、鼻の通りがスッと良くなります。鼻を噛むまえにまずはこちらを刺激してみるのがおすすめです。
さらに、首の後ろのくぼみにある「風池(ふうち)」もおすすめ。
鼻づまりや頭痛だけでなく、肩こりや自律神経の乱れにも効果的です。
親指でやさしく5秒ほど押し、深呼吸をしながら数回繰り返しましょう。
マッサージはお風呂上がりや就寝前など、体が温まっているときに行うとより効果的です。
強く押しすぎず、気持ちいいと感じる程度の力加減で続けてみてください。
鼻周囲のツボは真下に押すよりも、指で擦るように刺激するほうが簡単にできますので試してみて下さい。
よくある質問
鼻うがいは毎日やっても大丈夫?
→ はい、大丈夫です。
ただし、やりすぎて鼻粘膜を乾燥させないよう、1日1~2回が目安です。
花粉症や風邪の時期は朝(起床後)と夜(帰宅後)の2回、それ以外の時期は1日1回でも十分です。
使用後はやさしく鼻をかみ、水分をしっかり抜くようにしましょう。
子供(小学生)も同じ対処法でいい?
→ 基本的には同じ方法で構いません。
ただし、お子さんの場合は水の温度や圧力に敏感なので、ぬるま湯を使い、勢いよく流さないように注意します。
最初は親が一緒にやり方を見せてあげると安心です。
無理にさせず、「気持ちいい」と感じる範囲で行いましょう。
最近ではシャワータイプ、ミストタイプの鼻うがいもあります。鼻は穴のところから数センチが最も汚れるのでその部分だけでも洗い流すだけでも十分に効果があります。
水を奥に入れるのが苦手なら入口だけスッキリを目指しましょう。
ちなみにミストなら赤ちゃんでもできますよ。
まとめ
では、いよいよここまでの話を整理してみましょう。
「鼻をかみすぎて頭が痛い」というあの不快な現象。
実は、鼻の奥で起きている“圧力の急上昇”や“神経の刺激”、“炎症の波及”といった複数の要因が絡み合って起きています。
つまり、原因は「鼻そのもの」ではなく、鼻をどう扱うかにあるんです。
力いっぱいかむほど、鼻腔の中では小さな爆発が起き、
三叉神経や副鼻腔が悲鳴を上げてしまう。
これが「かんだ瞬間に頭がズキッと痛む」正体。
では、どうすればいいのか。
答えはシンプルです。正しく、やさしく、そして習慣的にケアすること。
・片鼻ずつゆっくりかむ。
・鼻うがいで奥を洗い流す。
・マッサージで血流を整える。
たったそれだけで、炎症の鎮まり方がまるで変わります。
軽い頭痛や鼻づまりなら、毎日のセルフケアで十分に改善可能。
けれど、「熱がある」「片側だけ痛む」「長引いている」ときは要注意です。
そのときは迷わず耳鼻科へ。早期対応が、回復の近道になります。
あなたの体は、いつも小さなサインを出しています。
無理に我慢せず、やさしく応えてあげてください。
鼻も頭もスッと軽くなり、深呼吸するたびに「あ、楽になった」と感じられる。
その瞬間、ようやく本来のあなたのリズムが戻ってきます。
明日の自分のために、今日からできることを。
その第一歩が、「鼻にやさしく」です。
当院「ミントはり灸院」は、根本から改善することに特化した神戸の鍼灸院です《年間10,000人超の実績》。六甲道駅3分”六甲院”/三ノ宮駅6分”三ノ宮院”/明石駅5分”明石院”の3店舗がございます。全室個室でマンツーマンで施術しています、ぜひお越しください。































