ミントはり灸院・腰痛に鍼灸治療は効きますか?実は◯◯が原因だった!?

投稿日:2023年9月12日 / 更新日:2025年10月2日

腰痛に鍼灸治療は効きますか?実は◯◯が原因だった!?

カテゴリ: 腰痛・ぎっくり腰

皆さんは何かの拍子で腰の痛みを感じたことがありますか?
一度は腰痛の経験もあると思います。
私もバイクに乗っていてギックリ腰になった経験があります。

状況は人それぞれですが、朝起きたら腰が痛い、重いものを持ったらぎっくり腰になってしまった、お腹の調子が悪いと同時に腰も痛む、生理前や生理中は腰が痛む…

色んなケースがあると思います。

そして対処法も人それぞれではないでしょうか。

痛み止めの飲み薬や貼り薬でやり過ごす、整骨院や整体、マッサージへ行く、家族に腰を押してもらう、温める、冷やす、などなど・・・

どれもテーマは筋肉の緊張や姿勢が悪いからと思っての対処になります。
では腰痛に対する鍼灸アプローチについて解説します。

院長 森本 賢司

この記事の執筆者

ミントはり灸院 院長
森本 賢司

高度専門鍼灸師

【略歴】
神戸東洋医療学院卒業
神戸東洋医療学院にて河村廣定先生に師事
明治国際医療大学 大学院 修士課程 修了
神戸東洋医療学院 非常勤講師

【資格】
はり師免許証・きゅう師免許証

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腰痛に鍼灸治療は効果あり!

鍼灸は、腰痛を始めとする「痛み」の改善に効果あります。
はっきりと断定できます。

鍼灸のメカニズムとして筋肉に直接鍼を刺してアプローチすることが出来ますし、お灸を使って腰全体を温め、血行を改善することが出来ます。

鍼灸はピンポイントの刺激になりますが、だからこそ腰痛の原因を狙い撃つことで効率よく効果を出すことができるわけです。

なぜ、効果があると断定できるのか、まずはその根拠と対象となる腰痛の種類について解説します。

【WHO認定】鍼治療の腰痛への有効性

世界保健機関(WHO)は、鍼治療が腰痛に有効であることを正式に認めており、国際的に科学的根拠のある治療法の一つとして位置づけています。
そのため、欧米を含めた多くの国で医療の一環として鍼灸が取り入れられています。2017年に米国内科学会が発表した診療ガイドラインでは、慢性腰痛の初回治療として推奨される選択肢の中に鍼治療が含まれています。

【厚生労働省】鍼灸治療の位置づけ

日本国内においては厚生労働省が鍼灸を「医療類似行為」として認めており、国家資格を持つ鍼灸師のみが施術できます。さらに、医師による同意書があれば保険適用の対象となる場合もあり、腰痛の改善を目的として安心して利用できる治療法のひとつといえます。
慢性腰痛に対してのみ保険適用できるということは、治療改善効果があることを国が認めていることと言えます。

効果が期待できる腰痛のタイプ(急性・慢性別)

重い荷物を持ち上げたときに突然強い痛みが出る「ぎっくり腰」などの急性腰痛に対しては、炎症や筋肉の過緊張を和らげる効果が期待されます。

一方で、長年続く慢性的な腰痛の場合には、血流改善や自律神経の調整作用を通じて、筋肉のこわばりを取り除いたり、自律神経の不調による痛みの発症を防ぐことができます。

このように、急性・慢性どちらの腰痛にも適応できる点が鍼灸の特徴です。腰痛の状態に応じて柔軟に対応できます。

「腰痛に鍼治療は効きますか?」3つの科学的メカニズム

基本的には筋肉の緊張緩和と血流改善を患者さんに説明しますが、実際にはもっと複雑な生理的作用によって腰痛を改善します。

「気が滞る」だけしか言えない、説明力や知識が不足している鍼灸師の施術を受けるのは要注意です。身体のことをちゃんと理解している鍼灸師に担当してもらいましょう。

痛み信号のブロック効果

鍼が皮膚や筋肉に刺入されると、その刺激は神経を通じて脊髄へ伝わります。このとき、「ゲートコントロール理論」と呼ばれる仕組みが働きます。痛みを伝えるAδ線維やC線維の情報は、太い神経線維(Aβ線維)の刺激によって抑制されることが分かっています。鍼の刺激はこのAβ線維を活性化させるため、痛みの信号が脊髄レベルでブロックされ、脳へ届く痛みの情報量が減少します。結果として「痛みが和らいだ」と感じるのです。

血流改善による筋肉緩和

鍼の刺激は自律神経系、とくに交感神経の緊張を調整し、局所の血流を改善させる作用があります。血液循環が回復することで筋肉の硬直が緩み、酸素と栄養が行き渡るようになり、痛みを感じる物質の排出も促進されます。
交感神経系の興奮は内臓の炎症が関与するので、筋肉だけでなく内臓の不調を見つける技術が必要となります。

脳内鎮痛物質の分泌

鍼刺激は末梢神経を介して脊髄を上行し、最終的に脳内の中枢神経系に作用します。そこでエンドルフィンやエンケファリンといった内因性オピオイド(体内で分泌される鎮痛物質)が放出されることが分かっています。これらの物質はモルヒネに似た作用を持ち、痛みを抑制する強い効果があります。加えて、セロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質の調整にも関与し、痛みに対する耐性を高めるだけでなく、気分の安定やリラックス効果にもつながります。

このような科学的なメカニズムを用いて腰痛の改善を行っています。
体の仕組みを上手に使うための刺激方法を選び効率よく体の変化を促すことができます。

腰痛への鍼治療5つの質問

当院で腰痛で悩む患者さんから多い質問を紹介します。
鍼灸治療を選択する上で不安なことは沢山あると思いますので少しでも解消できればと思います。

Q1.鍼で腰痛が悪化することはある?

基本的に鍼治療で腰痛が悪化することはありません。ただし、施術後に一時的に筋肉が重だるく感じる場合があります。これは筋肉が緩み、血流が変化することで、痛みの物質や疲労物質が前進を回って、体が反応している状態です。通常は数日以内に軽快し、改善へつながります。

Q2.体に針を刺すのは痛いですか?

鍼で使用する針は髪の毛ほどの細さで、注射針とはまったく異なります。多くの方が「ほとんど痛みを感じない」「チクッとする程度」と答えます。刺入時よりも、むしろ治療効果として感じる「重さ」や「響き」の感覚が特徴的です。
施術で感じる重さや響きについても苦手な人はいますので調整することができます。

Q3.副作用や施術後の症状が心配です

鍼灸は副作用が少ない治療法です。ただし、まれに内出血や一時的なだるさが起こることがあります。いずれも自然に回復し、長引くものではありません。その人の生活に合わせて刺激量を調整できます。鍼灸に慣れるまでは低刺激にすれば心配ありません。

Q4.「治らない」ケースはどんな場合?

腰痛には多くの原因があり、中には脊椎の重度の変形や腫瘍、感染症など、医療機関での治療が必要な病態もあります。鍼治療が効果を発揮しやすいのは、筋肉の緊張や血流不良、自律神経の乱れが関与するタイプの腰痛です。そのため、まずは原因を見極めることが大切で、鍼灸師が鑑別をして適切な医療を提案します。

Q5.安全性は本当に大丈夫?

日本では鍼灸師は国家資格であり、衛生管理や解剖学を学んだ上で施術を行います。実際に使い捨てのディスポーザブル鍼を用いるため感染のリスクはほぼありません。WHOや厚生労働省も鍼治療を安全性の高い医療手段として位置づけています。

鍼治療vs整体|あなたの腰痛にはどちらが適している?

腰痛の改善方法として「鍼治療」と「整体」はよく比較されますが、それぞれ根本的なアプローチが異なります。

根本的なアプローチの違い

整体は骨格や筋肉のバランスを手技で整えることで、関節の可動域を広げたり筋肉の緊張を和らげたりするのが中心です。一方、鍼治療は体の表面から深部の筋肉や神経に直接アプローチし、血流の改善や自律神経の調整、さらに脳内の鎮痛物質の分泌を促すことで痛みのコントロールを図ります。

どちらが適しているかは腰痛の原因によって変わります。例えば、姿勢の歪みや骨格のアンバランスが強く影響している場合には整体が効果を発揮しやすく、筋肉の緊張や血流不良、自律神経の乱れが関与する場合には鍼治療がより適しています。

自分の腰痛のタイプを見極め、必要に応じて組み合わせて取り入れることが、早期の改善への近道です。タイプを見極めるのは簡単ではないので、有資格者による検査をおすすめします。

効果実感までの通院頻度と期間目安

鍼灸治療で腰痛の改善を実感するまでの通院頻度や期間については、多くの臨床研究が行われています。

たとえば、「腰痛に対する鍼治療の有効性を検討したランダム化比較試験(RCT)」では、週1~2回の治療を4~6週間継続することで、疼痛スコアや機能障害スコア(ODI:Oswestry Disability Index)の有意な改善が報告されています(Cherkin et al., Annals of Internal Medicine, 2009)。
また、米国国立衛生研究所(NIH)や欧州のガイドラインでも、慢性腰痛に対しては「一定期間、複数回の鍼治療を行うことが有効」と位置づけられています。

一般的な目安としては、

急性腰痛(ぎっくり腰など)の場合:1週間に2回程度の施術を1~2週間続けることで改善が期待されるケースが多いです。

慢性腰痛の場合:週1回の施術を4~8回継続し、その後は症状の変化に応じて間隔を調整するのが標準的です。

ただし、腰痛は原因が多様であり、筋肉の緊張、血流不良、椎間関節や椎間板の変性、自律神経の乱れなど、背景によって効果が出るスピードも異なります。そのため、最初の数回で体の反応を確認し、症状の変化に合わせて治療間隔を調整していくことが大切です。全く痛みが改善しないということはありません、痛みの軽減であれば数回程度で実感できます。

結論として、エビデンスの多くは「継続的な通院(少なくとも4~6回程度)」によって鍼治療の効果を示しています。早期に効果を実感する方もいれば、徐々に変化を感じる方もおり、体質や生活習慣に応じた個別の治療計画が必要です。

腰痛を早く改善させよう!自宅で出来るセルフケア

腰痛の改善には、痛みの出ている筋肉そのものを整えるケアと、内臓や自律神経の働きを整えて体の内側から回復力を高めるケアの両方が大切です。

筋肉のケア方法

腰痛の多くは筋肉の過緊張や血流不良が関わっています。自宅でできるセルフケアには以下のような方法があります。

ストレッチ:太ももの裏(ハムストリング)やお尻の筋肉(梨状筋)を軽く伸ばすと、腰の負担が和らぎます。反動をつけず、ゆっくり呼吸しながら伸ばすのがポイントです。ストレッチポールなどを使うと簡単にできます。

温熱ケア:使い捨てカイロや蒸しタオルを腰やお腹に当てることで血流が改善し、筋肉がほぐれやすくなります。冷え性の方は特に効果的です。腰を捻る動きを1分くらい繰り返すことも筋温が上昇してケアになります。

呼吸と姿勢の調整:デスクワークの合間に深呼吸をしたり、骨盤を立てるように座ることで、腰の筋肉への負担を減らせます。

内臓・自律神経のケア

腰痛は筋肉だけでなく、内臓の疲れや自律神経の乱れが関与することもあります。そのため、体の内側から整えるケアも重要です。

腹式呼吸:お腹を膨らませるようにゆっくり吸って吐く呼吸は、副交感神経を高め、腰回りの血流を改善します。寝る前に行うとリラックス効果も得られます。

生活リズムの安定:不規則な睡眠や食生活は自律神経を乱し、腰痛の回復を妨げます。毎日同じ時間に寝起きすることが腰の回復につながります。

食養生:冷たい飲み物や脂っこい食事を控え、消化に優しい食事や食物繊維多めの食事を心がけることで内臓の負担が減り、自律神経のバランスも整いやすくなります。

六甲道本院
三ノ宮院
明石院

まとめ

腰痛は多くの人が悩まされる症状ですが、その原因は筋肉の緊張や血流不良、自律神経の乱れ、さらには生活習慣まで意外と幅広い。
鍼灸治療は、こうした多面的で複雑な要因に働きかけられる点が大きな特徴です。世界保健機関(WHO)や厚生労働省も有効性や安全性を認めています。なぜなら、科学的に痛み信号のブロック、血流改善、脳内鎮痛物質の分泌といった複数のメカニズムが確認されているからです。

もちろん、鍼灸に対する「痛いのでは?」「副作用は?」といった不安の声もありますが、国家資格を持つ鍼灸師が行う施術は安全性が高く、副作用も極めて少なく、腰痛改善メリットのほうが大きいです。整体との違いは、骨格や関節にアプローチするのか、神経や血流に働きかけるのかという点にあるので、適切な施術を選んでください。

通院の目安としては、急性腰痛では1~2週間の集中的な施術、慢性腰痛では週1回を数週間継続することで改善効果が期待できます。さらに、自宅でのストレッチや温熱ケア、腹式呼吸や生活リズムの安定といったセルフケアを組み合わせることで、治療効果を高め、再発予防にもつながります。

腰痛に悩んでいる方は、我慢せず、専門的なケアとセルフケアを併用して取り組むことが大切です。鍼灸は体の外側と内側の両方からバランスを整え自然な回復力を引き出しますので、一度ご相談ください。

当院「ミントはり灸院」は、根本から改善することに特化した神戸の鍼灸院です《年間10,000人超の実績》。六甲道駅3分”六甲院”/三ノ宮駅6分”三ノ宮院”/明石駅5分”明石院”の3店舗がございます。全室個室でマンツーマンで施術しています、ぜひお越しください。