投稿日:2026年8月20日
左肩甲骨の痛みの原因とは?背中左側・肩甲骨の下が痛いときの対処法
カテゴリ: 肩こり・五十肩

左肩甲骨の痛み・背中左側の痛みで考えられる原因
左肩甲骨や背中の左側に感じる痛みの多くは、筋肉のこりや姿勢の崩れ、寝違えなどが原因です。とくにパソコンやスマートフォンの操作が多い方は、肩甲骨まわりの筋肉が緊張しやすく、それが痛みとして現れやすい傾向があります。一方で、まれにではありますが、心臓や肺など循環器をはじめとする内臓の不調が背中や肩甲骨に痛みとして現れる「関連痛」というケースも否定できません。まずは自分の痛みがどちらのタイプに近いのかを知ることが、適切な対処への第一歩になります。

この記事の執筆者
ミントはり灸院 院長
森本 賢司
高度専門鍼灸師
【略歴】
神戸東洋医療学院卒業
神戸東洋医療学院にて河村廣定先生に師事
明治国際医療大学 大学院 修士課程 修了
神戸東洋医療学院 非常勤講師
【資格】
はり師免許証・きゅう師免許証
「たかが肩こり」と思って放置してしまう方も多いのですが、痛みの出方や伴っている症状によっては、思わぬ体のサインを見逃してしまう可能性もあります。この記事では、左肩甲骨の痛みで考えられる原因を筋肉・姿勢の問題と内臓由来の問題に分けて詳しく解説するとともに、まず確認しておきたい危険なサイン、痛みの出方による見分け方、自宅でできるセルフケアまで、順を追ってご紹介していきます。
まず確認したい危険な症状と受診の目安

左肩甲骨の痛みの多くは心配のいらないものですが、以下のような症状を伴う場合は、筋肉のこりではなく、命に関わる病気のサインである可能性があります。すぐに医療機関を受診するか、症状が強い場合はためらわず救急要請(119番)をしてください。
・突然の激しい痛みが出た
・胸の圧迫感や締めつけ感を伴う
・息苦しさ、呼吸のしづらさがある
・冷や汗、吐き気、嘔吐を伴う
・腕や手にしびれがある、力が入りにくい
・安静にしていても痛みが引かない、むしろ強くなっていく
これらは狭心症や心筋梗塞といった心臓の病気、あるいは急性膵炎や大動脈解離など、緊急性の高い病気のサインであることがあります。とくに中高年の方や、高血圧・糖尿病・脂質異常症などの持病がある方は注意が必要です。「肩こりだろう」と自己判断せず、少しでも様子がおかしいと感じたら、迷わず医療機関を頼ってください。上記に当てはまらない、軽い違和感や慢性的な痛みの場合は、次章で紹介する原因を参考にしていただければと思います。
左肩甲骨の痛みが起こりやすい主な原因
危険な症状がない場合、左肩甲骨の痛みには主に次のような原因が考えられます。
筋肉のこり・姿勢不良による痛み

もっとも多いのが、僧帽筋や菱形筋、肩甲挙筋といった肩甲骨まわりの筋肉のこりです。パソコン作業やスマートフォンの操作が長時間続くと、腕を前に出した姿勢が続くことで肩甲骨が外側に開いた「外転位」のまま固定されやすくなります。この状態が続くと、左右の肩甲骨の間にある菱形筋や僧帽筋中部が常に引き伸ばされ、血流が滞って緊張しやすくなり、こりや張りとして痛みが現れます。利き手側だけでなく、あまり使わない側の筋肉が血流不足で硬くなり、痛みが出ることもあるため、右利きの方でも左側だけに痛みを感じるケースは珍しくありません。
寝違えや急な動きによる痛み
朝起きたときに突然痛みを感じる場合は、寝ている間の不自然な姿勢によって筋肉や靭帯に負担がかかった、いわゆる寝違えの可能性があります。また、急に重い荷物を持ち上げたり、勢いよく振り向いたりといった動作がきっかけで、筋線維に小さな損傷が生じ、痛みとして現れることもあります。この場合、特定の動きをしたときに痛みが強まるのが特徴です。
肩甲骨の下・内側の筋肉の緊張
肩甲骨の下部から内側にかけては、菱形筋や広背筋、脊柱起立筋などが重なり合っており、姿勢の崩れや長時間の同一姿勢によって深部の筋肉までこりが及ぶことがあります。表面をもんでも届きにくい深い部分の緊張は、押しても分かりにくい鈍い痛みやだるさとして感じられることが多く、慢性化しやすいのも特徴です。とくに猫背姿勢が続くと、肩甲骨が外側に開いたまま固定されやすくなり、内側の筋肉が常に引き伸ばされた状態になることで、慢性的な張り感やコリとして自覚されるケースも多く見られます。
内臓の不調による関連痛
心臓や肺など循環器の不調をはじめ、胃や膵臓などの内臓に不調があると、その痛みの信号が脊髄の同じ経路を通る背中や肩甲骨周辺の感覚神経にも伝わり、実際には内臓が原因であるにもかかわらず、肩甲骨のあたりが痛むように感じることがあります。これを「関連痛(放散痛)」と呼びます。
代表的なものとしては、狭心症や心筋梗塞といった心臓の病気があります。心臓の痛みを伝える神経と、左肩・左肩甲骨の感覚を伝える神経が脊髄の同じ部分に合流するため、心臓に負担がかかっていても、実際には左肩や左肩甲骨の痛みとして感じられることがあるのです。肺の病気(気胸や肺炎など)でも、肺の後方に炎症や異常があると、肩甲骨に近い場所に痛みとして現れることがあります。そのほか、胃炎や胃潰瘍、逆流性食道炎では食後に痛みが強まりやすく、胸やけや酸っぱいものが上がってくる感覚を伴うことがあります。膵臓に炎症が起きる急性膵炎では、みぞおちから背中の左側にかけて強い痛みが出やすく、吐き気や嘔吐を伴うことも特徴のひとつです。また、更年期やストレスによって自律神経のバランスが乱れると、血管の収縮・拡張がうまくコントロールできなくなり、特定の部位の血流が悪化して、こりや痛みとして左側に症状が偏って出ることもあります。
筋肉のこりとは異なり、動かしても押しても痛みの強さが変わらない、あるいは食事のタイミングと連動して痛みが強くなる・弱くなる、安静にしていても痛むという場合は、内臓由来の可能性も視野に入れておく必要があります。
痛みの出方で原因を見分けるポイント
「筋肉由来なのか、それとも内臓由来なのか」を完全に見分けることは専門的な診察が必要ですが、痛みの出方にはある程度の傾向があります。あくまで目安として参考にしてください。
動かすと痛い場合
腕を上げる、振り向く、深呼吸をするといった特定の動作で痛みが強くなる場合は、筋肉や関節、神経の圧迫など、身体の構造的な問題が原因であることが多いとされています。動きに連動して痛みが変化するのが特徴で、逆にじっとしている間は痛みが軽くなる、あるいは消えることもあります。寝返りを打ったときや、立ち上がる瞬間だけ痛むというケースも、この動作連動型の痛みに該当します。
押すと痛い場合
肩甲骨まわりを指で押したときに、ピンポイントで痛みや張りを感じる場合は、その部分の筋肉がこり固まっている可能性が高いです。いわゆる「トリガーポイント」と呼ばれる、こりの芯になっている部分が該当することもあります。押した場所と同じ場所に響くように痛みを感じるのが特徴で、内臓由来の関連痛では、こうした「圧痛」がはっきり出にくいことが見分けるポイントのひとつになります。
安静にしていても痛い場合
特に動かしていない、姿勢を変えていないにもかかわらず、じっとしていても痛みが続く、あるいはズキズキとうずくような場合は、筋肉由来の痛みだけでは説明がつかないことがあります。内臓の不調による関連痛は、こうした「安静時痛」として現れやすい傾向があるため、注意しておきたいポイントです。
息苦しさ・冷や汗・吐き気を伴う場合
痛みそのものよりも、息苦しさや冷や汗、吐き気、顔面蒼白といった全身症状を伴っている場合は、心臓や血管、肺の病気など、緊急性の高い状態が疑われます。この場合は自己判断や自宅でのセルフケアではなく、すぐに医療機関を受診、あるいは救急要請をしてください。
左肩甲骨の痛みを和らげるセルフケア
危険な症状がなく、筋肉のこりや姿勢によるものと考えられる場合には、以下のようなセルフケアで痛みが和らぐことがあります。
肩甲骨まわりを温める
血流が滞ることで筋肉のこりは強くなりやすいため、蒸しタオルや入浴などで肩甲骨まわりをじんわりと温めるのがおすすめです。40℃前後のお湯にゆっくり浸かることで全身の血行が促され、こわばった筋肉がゆるみやすくなります。急性の強い痛みがある場合は、無理に温めず、まずは安静にすることを優先してください。
首・背中・胸まわりをゆるめる
肩甲骨は首や胸の筋肉とも連動して動いているため、肩甲骨周辺だけでなく、首をゆっくり倒すストレッチや、両腕を大きく開いて胸を伸ばすストレッチも取り入れてみてください。パソコンやスマホ操作で縮こまりやすい胸の筋肉をゆるめることで、外転位で固定されがちな肩甲骨の動きそのものが改善しやすくなります。呼吸を止めず、痛みが強くならない範囲でゆっくり行うことがポイントです。
長時間同じ姿勢を避ける
デスクワークや家事などで同じ姿勢が続くと、特定の筋肉に負担が集中し、こりが慢性化しやすくなります。1時間に1回程度は席を立つ、肩を回す、伸びをするなど、こまめに姿勢を変える習慣をつけることが、痛みの予防・改善につながります。
セルフケアで改善しない場合は?
セルフケアを続けても痛みが引かない、痛みが長引く、あるいは一度おさまってもまた繰り返すという場合は、放置せずに専門家へ相談することをおすすめします。とくに、痛みによって仕事に集中できない、夜眠りにくい、寝返りのたびに目が覚めてしまうなど、日常生活や睡眠に支障が出ている場合は、我慢を続けずに早めに相談していただきたいポイントです。
1週間以上痛みが続く場合や、徐々に痛みが強くなっていく場合は、整形外科での検査を受け、骨や神経に問題がないかを確認しておくと安心です。内臓由来の可能性がある場合は内科の受診も選択肢になります。筋肉や姿勢の崩れが原因と考えられる場合は、鍼灸による施術で緊張した筋肉をゆるめ、血流を促していくことも有効な手段のひとつです。とくに、セルフケアだけでは届きにくい深部の筋肉や、慢性的に硬くなった部分に対しては、専門的な施術によって緊張をほぐしていくことで、痛みの根本的な改善につながりやすくなります。何が原因か判断がつきにくいときこそ、自己判断で放置せず、専門家に相談しながら対処法を選んでいただければと思います。
まとめ
左肩甲骨や背中左側の痛みは、多くの場合、パソコンやスマホ操作による姿勢の崩れや筋肉のこり、寝違えといった身近な原因によるものです。しかし、胸の圧迫感や冷や汗、息苦しさなどを伴う場合には、心臓や肺などの循環器をはじめとする内臓の病気が背景にある可能性もゼロではありません。痛みの出方(動かすと痛いか、安静時にも痛むかなど)を手がかりに、まずは危険なサインがないかをチェックし、心配な症状がなければ、温める・ゆるめる・姿勢を変えるといったセルフケアから試してみてください。それでも痛みが長引く、繰り返す、仕事や睡眠に支障が出ているという場合は、我慢せずに専門機関にご相談ください。
当院は神戸市・明石市に店舗を構え、肩甲骨まわりの痛みや肩こりでお悩みの方への施術を行っております。「これは筋肉の痛みなのか、それとも別の原因なのか分からず不安」という方も、お気軽にご相談ください。
当院「ミントはり灸院」は、根本から改善することに特化した神戸の鍼灸院です《年間10,000人超の実績》。六甲道駅3分”六甲院”/三ノ宮駅6分”三ノ宮院”/明石駅5分”明石院”の3店舗がございます。全室個室でマンツーマンで施術しています、ぜひお越しください。























