ミントはり灸院・鍼灸治療は危険!?副作用や好転反応、デメリットとは

投稿日:2023年9月12日 / 更新日:2025年9月11日

鍼灸治療は危険!?副作用や好転反応、デメリットとは

カテゴリ: 初めての鍼灸

鍼灸治療が初めての方から『鍼が怖いんです』と相談されることがあります。

・なんだか痛そう
・金属アレルギーがあったけど大丈夫?
・血が出ないか心配
・場所を間違ったらなんだか危険そう・・・
・鍼の後に体調が悪くなった友達がいる。

とさまざまな怖い理由があります。
一方で鍼治療は国家資格として認められ、さらに世界に広がっている施術として長年愛されてきています。本当に危険ならすでに消滅しているはずですよね。

果たして鍼治療は危険なのでしょうか?

院長 森本 賢司

この記事の執筆者

ミントはり灸院 院長
森本 賢司

高度専門鍼灸師

【略歴】
神戸東洋医療学院卒業
神戸東洋医療学院にて河村廣定先生に師事
明治国際医療大学 大学院 修士課程 修了
神戸東洋医療学院 非常勤講師

【資格】
はり師免許証・きゅう師免許証

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鍼を打ってはいけない「禁忌部位」と安全な受け方

まず結論から解説します。

「絶対に避けるべき部位」

目の周囲:視神経や血管が密集しており損傷リスクが高い
胸部(特に肺の奥深く):誤刺入により気胸など重大な事故の可能性
急性炎症・化膿箇所:感染や症状悪化のリスクがあるため避ける

「安全に鍼を受けるための5つの条件」

1:国家資格を持つ鍼灸師を選ぶ
2:使い捨て(ディスポーザブル)鍼や滅菌済み器具を使用しているか確認する
3:初回カウンセリングで禁忌部位やリスク説明があるか確認する
4:体調や既往歴・服薬状況を必ず事前申告する
5:施術中に痛み・熱さ・違和感を感じたらすぐに伝える

鍼灸治療は、正しい知識と技術のもとで受ければ非常に安全な施術です。逆に、知識のない施術者が「目」「胸部」「炎症部位」など危険な箇所に無理に刺鍼したり、患者さんが体調や服薬内容を伝えずに受けると、内出血や炎症悪化などのリスクが高まります。

安全性を確保するためには、上記の「絶対に避けるべき部位」と「安全に受けるための5つの条件」を事前に把握しておくことが大切です。これにより、施術者とのコミュニケーションもスムーズになり、より安心して鍼灸治療を受けられます。

鍼灸治療が危険なケース

もちろん、意味も無くむやみやたらに鍼を大量に打ち続けたり、肺の奥深くなど打ってはいけない場所に打つことは危険です。

しかし鍼灸師は国家資格を持っているため、正しく治療を行えば危険を伴うことはほとんどありません。

実際、メディアで報道される鍼灸事故の多くは「無資格者」や「不適切な部位への施術」が原因です。正しい知識を持つ国家資格者による施術では、重大事故のリスクは極めて低いことも知っておいてください。

また、感染を心配されるケースもあります。最近では鍼灸院のほとんどがディスポーザブル(使い捨て)の鍼を使用しています。当院でももちろん全て使い捨ての鍼を使用しており、鍼以外の道具についても滅菌処理を行っていますのでご安心ください。

お灸の火傷に関しては、とにかく熱さの我慢は危険です。水膨れを起こす恐れや、ずっと跡が残る可能性もあります。特にご年配の方に多いのが「熱い方が効く」という勘違いです。実際に『せんねん灸のにんにく灸(熱さレベル5段階中4)を軽く火傷しながら使っている』という患者さんに出会ったことがあります。

実は「温かくて気持ちいい」と感じる温度が一番効果的です。しかしその日の体調や気温によっても熱さの感じ方は変わるので、少しでも熱いと感じたときはすぐに鍼灸師に伝えましょう。お灸にもさまざまな温度があるため、患者さんに合わせて使っていきます。

これらのケース以外でも、鍼灸治療が「危ない」というイメージを持たれる理由の一つとして、内出血や副作用が挙げられます。内出血や副作用については後ほど解説します。

絶対に鍼を打ってはいけない身体の部位

生命に関わる危険部位

鍼灸には「禁忌部位」とされる場所があります。
代表的なものは、生命に関わる重要な器官や神経・血管が集中する部位です。たとえば肺の奥深くや心臓周囲、頸動脈や眼球に近い部位など、誤って深く刺鍼すると重大な事故につながる可能性がある場所は、鍼を打つことを禁止されています。
こうした部位では、鍼の角度や深さを慎重に調整してもリスクが高いため、基本的には刺鍼を行わないのが原則です。

条件次第で施術可能な場所

一方で、必ずしも禁忌というわけではなく、条件次第で施術が可能な部位もあります。たとえば皮膚が薄く血管が多いところや炎症反応が強く出ている箇所では、内出血や過剰な反応が出やすいため注意が必要ですが、患者さんとの丁寧なコミュニケーションを取りながら、鍼の太さ・深さ・刺激量を調整することで安全に施術することができます。

妊婦さんも腹部の鍼灸は禁止されていますが、これは深さの問題があるからです。皮下数ミリであれば一般の患者さんと変わらずに鍼灸治療を受けることができます。
腋窩についても血管やリンパ節が多い場所ですが、こちらも深さを数ミリにすれば施術することができます。
絶対的に安全な深さというのが人間の身体にはあります。それを守れば基本的には安全施術効果を出すことができます。逆に言うと安全な深さを守らなければどの場所でもリスクが高まります。当院は浅い鍼でも効果を出す技術がありますので、リスクもほぼ0で施術できます。

またお灸についても同様です。熱さを我慢させるのではなく「温かくて気持ちいい」と感じる温度を共有する、お灸や鍼の刺激量をその日の体調や感覚に合わせて調整するなど、患者さんの感覚を尊重することが大切です。こうした配慮を行うことで、鍼灸のリスクを最小限に抑え、安全かつ効果的な施術が可能になります。

あなたは鍼を受けても大丈夫?セルフチェックリスト

鍼灸治療で最も難しいのが禁忌か判断できないときです。
腰痛と思って鍼灸院に来た患者さんが尿管結石や帯状疱疹であったという話はよくあります。

急性症状があるときはまずは病院に行ってほしいですが、その判断をするのは簡単ではないですよね。

そのため、簡単なセルフチェックリストを作りましたので鍼灸を受ける前に確認してみてください。

以下の質問にひとつでも「はい」があれば、まずは医療機関で診断を受けるか、鍼灸師に必ず相談してください。

・現在、38℃以上の発熱がありますか?
・急に出現した激しい痛みや腫れがありますか?(例:急な腰痛・関節痛など)
・化膿や強い炎症がある部位がありますか?
・出血や内出血が止まりにくい状態(抗凝固薬服用中など)ですか?
・原因不明のしびれや脱力、呼吸困難などの症状が急に出ていませんか?
・強い倦怠感や悪寒、吐き気など体調が著しく悪い状態ですか?

こうした「急性期症状」がある場合、まずは医師の診察を受けて原因を特定し、鍼灸施術は体調が安定してからにしましょう。

施術を避けるべき人・タイミング

急性期ではないけれど、鍼灸を受けるのは積極に勧められない人もいます。
当てはまる人は鍼灸を受ける前にかかりつけ医に相談するなどしてから判断しましょう。
すでに鍼灸院に通っている方については担当する鍼灸師に相談してから決めてください。

・妊娠初期や切迫流産の既往がある方
・重度の高血圧や心臓疾患がある方
・抗凝固薬や免疫抑制剤を服用中の方
・皮膚が極端に弱い方やアレルギーが強い方

他にも飲酒後なども、施術を受けても効果を感じないので施術を受けることは避けましょう。

よくある疑問:「これって大丈夫?」に専門家が回答

Q1.鍼灸治療の副作用とは?内出血が出来るって本当?

例えば、美容に特化した鍼灸院やエステサロンではハリネズミのように大量の鍼を顔に刺す「美容鍼」があるのですが『結婚式の前日にやってしまい翌日目の周りが内出血で大変なことになった!』という話を聞いたことがあります。

当院では初診の際に内出血のリスクや、お灸による火傷のリスクについて説明をするのですが、それでも実際に内出血が出来ると不安になりますよね。

そもそもなぜ鍼を打つと内出血が出来る可能性があるのでしょうか。まず鍼治療の仕組みとして、自然治癒力を利用し、鍼を打ってわざと皮膚や筋肉に小さな傷をつけています。鍼によってついた、目には見えないほどの小さな傷を自分の身体で治そうとすることで血液循環が促されるという訳です。このときにどうしても血管が傷ついて内出血を起こしてしまうことがあります。

人によっては赤紫色に腫れてしまうこともあるのですが、怖がる必要はありません。安全面でも全く問題はありません。そしてこの内出血は鍼灸師の技術に左右されるものでもありません。
特に身体の悪い部分、当院の考えでいうと「反応が強く出ている箇所」では内出血のリスクが高いです。それは血管の壁の弾力が弱くなっているからだと考えられます。

内出血が出来てしまった場合の対処としては、まず痛みや腫れがある場合は冷やしましょう。痛みや腫れが落ち着いてきたら今度は温めます。さすったりローラー鍼を使うのも良いでしょう。人にもよりますが短いと3日ほどで、長くても3週間以内には内出血も消えていきます。
こうした内出血のリスクを考えると結婚式やイベントごとの撮影がある直前には、目に触れる部位の鍼治療は避けた方が安心です。

Q2.鍼灸治療の後に怠くなるのは好転反応?いつまで続く?

マッサージや整体、温泉、サウナの後でもそうですが、鍼灸治療で滞っていた血液やリンパ液などが一気に流れることで体内の老廃物も全身を巡ります。これにより眠気や怠さ、発熱を引き起こすことがあります。人によってはお手洗いが近くなったり下痢をするケースもあるでしょう。

特に初めて治療を受ける場合は、鍼灸だけでなく治療者、場所にも慣れていないので緊張して好転反応を受けやすくなります。時には強く効果が出る場合や、主訴と違うところに違和感を感じること、思っていたような効果が得られないと感じることも。

しかし治療を受けていくごとに身体に馴染んでいくので、しっかりとした効果を感じやすくなります。

もし好転反応が出たとしても1日から1週間で落ち着いてきます。鍼灸治療を身体に馴染ませる意味や主訴を早く取り除く意味でも、初診からは出来るだけ間をあけずに2回目の治療を受けると良いでしょう。最初だけでも1週間に2回受けられるのがベストです。

もちろん好転反応を全く感じない人もいます。好転反応が出ない=効いていないという訳ではありません。体質にもよるのです。初めて治療を受けた後や、好転反応が出てしまった場合はしっかりと水を飲み、できればゆっくりと横になって休むことをおすすめします。

余裕があればぬるめの湯船に短時間ほど浸かってリラックスしたり汗をかくのも良いですね。

Q3.鍼灸治療の後に飲酒は禁忌?スポーツは?

先ほどマッサージや整体、温泉、サウナを挙げましたが、血行が良くなった後は思わず冷たいビールが飲みたくなりますよね。特に鍼灸治療で痛みが取れた後はスッキリして喉が乾くので、お酒を飲みたくなる人も多いと思います。

しかし鍼灸治療後の飲酒は出来るだけ控えておきましょう。まず鍼灸の後は血行が良くなっているので、いつもよりもお酒が回りやすくなります。また、アルコールを分解する肝臓に多く血液が巡るので、せっかくの鍼灸治療の効果が薄まってしまう可能性もあります。特に治療前の飲酒は厳禁です。

食事に関してはそこまで問題ないのですが、胃腸にもアプローチをしていくので食事の直後だと人によっては不快感を感じることも。出来るだけ治療の30分前くらいまでに食事を済ませ、治療の前後は水を飲むのがベストです。

ちなみに治療後のスポーツに関してですが、特に初めて鍼灸を受ける場合や、普段からあまりスポーツをしていない人は避けた方が良さそうです。治療後に激しいスポーツを行うことでいつもよりバテやすくなることがあります。出来るだけ水分をしっかり摂ってしばらくゆっくり休むことを心がけましょう。

安全な鍼灸院の選び方

鍼灸院を選ぶ際には、施術の技術だけでなく「安全性」をしっかり確認することが大切です。以下のポイントを参考にすると、安心して通える鍼灸院を見極めやすくなります。

安全性などを重視している鍼灸院ではHPなどでこういった情報をちゃんと書いていますので確認してみてください。

国家資格(はり師・きゅう師免許)を持つ施術者が在籍しているか
→免許番号や資格証の掲示があるかを確認しましょう。

使い捨て(ディスポーザブル)鍼や滅菌済み器具を使用しているか
→感染対策が徹底されているか、院内の清潔感を含めてチェックします。

初回カウンセリングでしっかり説明してくれるか
→症状や体調、服薬内容を丁寧にヒアリングし、リスクや施術方針についても説明があるかどうかを見ます。

体調に合わせて施術プランを調整してくれるか
→患者さんの感覚や希望を尊重し、刺激量や部位を柔軟に変更してくれる鍼灸院は安全性が高いです。

口コミや実績、専門性を確認する
→ホームページやSNSで症例・患者さんの声、学会活動などを見て、専門性や安全対策への取り組みを確認しましょう。

以上のことから安全な鍼灸院は「清潔・資格・説明・柔軟性」の4つが揃っていることがポイントになります。施術前にこれらの点をチェックしておくと、安心して鍼灸治療を受けることができます。

六甲道本院
三ノ宮院
明石院

初回施術で確認すべきポイント

HPなどをチェックして「大丈夫」と思っても不安になることがありますよね。
そこで実際に来院してから確認するべきポイントをあげます。
鍼灸院の多くは後払いのところが多いと思います。
来院してみて不安に感じたら「施術を受けるのをやめます」と言っても対応してくれると思います。
なので、最終チェックをして安心して施術をうける準備をしましょう。

・院内の雰囲気が清潔・整理整頓されているか
待合室や施術スペースの清潔感は、衛生管理や安全意識の高さを反映しています。

・担当者が国家資格(はり師・きゅう師)を持っているか
資格証の掲示やプロフィールで確認できると安心です。

・初回カウンセリングの丁寧さ
体調・既往歴・服薬状況などをしっかり聞き取り、リスク説明や禁忌部位についても事前に案内してくれるかが重要です。

・施術の内容や刺激量について説明があるか
鍼の太さ・深さ・お灸の温度など、どのように安全管理しているか説明してくれると信頼できます。

・患者の感覚や不安を尊重してくれるか
「痛い」「熱い」「怖い」と感じたときに、すぐ調整してくれる雰囲気があるかを見ます。

・プライバシーや快適さへの配慮
カーテンや個室など、安心して施術を受けられる空間かどうかも安全性に直結します。

まとめ

鍼灸治療は、正しい知識と国家資格を持つ鍼灸師によって行われれば、安全性が非常に高い施術です。危険性が指摘されるケースの多くは、無資格者による不適切な施術や、肺・眼球・大血管など「絶対に避けるべき部位」への誤刺鍼など、基本的な禁忌を守らなかったことが原因です。

これは「食中毒を出す飲食店」とよく似ています。飲食店そのものが危険なのではなく、衛生管理や調理法を守らない店舗が食中毒を引き起こすのです。鍼灸も同じく、国家資格者が基本を守って施術している院では重大な事故のリスクは極めて低く、安全性が確保されています。

また、熱いお灸を我慢することや、炎症の強い箇所への過剰な刺激もリスクとなります。鍼灸は「温かく心地よい」刺激が最も効果的であり、体調やその日の感覚に合わせて刺激量や施術部位を調整することが大切です。

さらに、妊娠初期・重度の高血圧・抗凝固薬服用中など、急性期ではないがリスクの高い方は事前に相談し、刺激量や施術内容を調整してもらうことが望ましいでしょう。

安全な鍼灸院を選ぶには、国家資格者の在籍、使い捨て鍼・滅菌器具の使用、丁寧なカウンセリング、患者さんの感覚を尊重する柔軟な対応などをチェックすることが重要です。初回施術では院内の清潔感、説明の分かりやすさ、担当者との信頼関係なども確認し、安心して施術を受けられる環境かを見極めましょう。違うと思ったら「断る」こともできます。

このようなポイントを押さえることで、鍼灸治療のメリットを最大限に活かしつつ、安全かつ効果的な施術を受けることができます。
あなたの周りにも安全な鍼灸院はありますので探してみてくださいね。

当院「ミントはり灸院」は、根本から改善することに特化した神戸の鍼灸院です《年間10,000人超の実績》。六甲道駅3分”六甲院”/三ノ宮駅6分”三ノ宮院”/明石駅5分”明石院”の3店舗がございます。全室個室でマンツーマンで施術しています、ぜひお越しください。