ミントはり灸院・頭が重いのは頭のむくみと小さな頭痛の合わせ技

投稿日:2018年8月4日 / 更新日:2025年12月18日

頭が重いのは頭のむくみと小さな頭痛の合わせ技

カテゴリ: 頭痛・偏頭痛

頭のむくみは重くなる

朝起きた瞬間から顔やまぶたが重く、同時にズキッとした頭痛がある。
夕方になると足がパンパンにむくみ、決まって頭も重だるくなる。

「これって疲れのせい?」「薬を飲むほどでもないけど、毎回つらい」
そんな違和感を感じながらも、はっきりした原因が分からず我慢していませんか。

実は、むくみと頭痛が同時に起こる状態には、いくつか共通した体のサインがあります。
水分代謝、気圧の変化、ホルモンバランスなど、一見バラバラに見える要因が重なって起きているケースも少なくありません。

今回のブログでは、、
なぜ「むくみ」と「頭痛」がセットで現れやすいのかを整理し、
症状の出方から考えられる原因、今すぐ取り入れられる対処法までを分かりやすく解説します。

「自分の頭痛はどのタイプなのか」
「日常生活で何を見直せばいいのか」

読み進めることで、これまで曖昧だった不調の正体が見えてくるはずです。

院長 森本 賢司

この記事の執筆者

ミントはり灸院 院長
森本 賢司

高度専門鍼灸師

【略歴】
神戸東洋医療学院卒業
神戸東洋医療学院にて河村廣定先生に師事
明治国際医療大学 大学院 修士課程 修了
神戸東洋医療学院 非常勤講師

【資格】
はり師免許証・きゅう師免許証

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むくみと頭痛が一緒に起こるのはなぜ?

むくみと頭痛が同時に起こる背景には、循環の低下と筋肉疲労が深く関係しています。
顔や首、頭まわりの筋肉や皮膚の動きが悪くなると、血液やリンパの流れが滞りやすくなります。

血液循環が悪くなると、老廃物がうまく回収されず体内に残ります。
体はその老廃物を薄めて流そうとして水分を集めるため、結果として「むくみ」が生じます。

一方で、むくみが出ている部位は筋肉が疲労し、正常に動けていない状態でもあります。
筋肉が疲れて硬くなると、周囲の血管や神経を圧迫しやすくなり、これが頭痛の原因になります。

強い頭痛の場合は広い範囲の筋肉が強く緊張しているため、「ここが痛い」と場所を特定しやすい傾向があります。
反対に、軽い頭痛や違和感程度の症状は、むくんで膨らんだ周囲や循環が悪くなっている局所の筋緊張によって起こります。
痛みが小さい分、自覚されにくく、不調が積み重なって慢性化しやすい点が特徴です。

【水毒】体の「水はけの悪さ」による頭痛とむくみ

東洋医学では、体内の水分バランスが乱れ、不要な水分が停滞している状態を「水毒」と考えます。いわゆる、むくみが長時間解消されない状態のことを表しています。

水毒が起こると、顔・まぶた・頭・首まわりに水分が溜まりやすくなり、むくみが目立つようになります。

水分が溜まることで皮膚や筋肉は膨らみ、正常な収縮や弛緩ができなくなります。
その結果、筋肉は常に軽い疲労状態となり、頭皮や首の筋肉が硬くなって頭痛を引き起こします。

このタイプの頭痛は、ズキズキする強い痛みよりも、
重だるさ・締め付けられる感じ・スッキリしない違和感として現れることが多いのが特徴です。

西洋医学てきな水中毒とは違います。あくまで体の働きとしての水分調整機能が低下している状態です。低下してしまう理由としては冷えや運動不足、栄養不足、不眠などがあります。

【気象病】低気圧による頭痛とむくみ

低気圧が近づくと、体にかかる外からの圧力が下がります。
その影響で血管が拡張しやすくなり、体内の水分バランスも崩れやすくなります。

特に、もともと循環が弱っている人や筋肉が硬い人は、
低気圧の影響を受けて頭皮や顔まわりにむくみが出やすく、同時に頭痛が起こりやすい傾向があります。

雨の日や天気が崩れる前に感じる頭の重さ、顔の張り感は、
単なる気のせいではなく、気圧変化による体の反応と考えられます。

もともとむくみがある人も気象病の影響を受けやすくなります。気圧が下がることで外圧が減って、皮膚が緊張してしまうからです。

最近は気象病予報なるものが増えてきました、それだけむくみを持っている人が多いと言えます。

【ホルモン】生理前の女性に多い頭痛とむくみ

生理前は、女性ホルモンの影響で体が水分を溜め込みやすい時期です。
そのため、顔・手足・下半身だけでなく、頭まわりにもむくみが出やすくなります。

むくみによって頭皮や首の筋肉が疲労すると、
普段は気にならない程度の筋緊張でも頭痛として感じやすくなります。

この時期の頭痛は、
「いつもより頭が重い」「集中しにくい」「ぼんやり痛む」
といった、はっきりしない不調として現れることが多いのが特徴です。

ホルモン変動そのものを止めることはできませんが、
循環や筋肉の状態を整えることで、症状の出方を軽減できるケースは少なくありません。

生理前によって、水分量が増えることは止めることはできませんが、もともとむくんでいたら、生理による影響が加算されて症状が出ます。
ということは生理が問題ではなく、そもそもの体のむくみが常に起きていることが問題と言えます。

症状別・原因別で見る「むくみ頭痛」のパターン

朝起きた時のむくみ頭痛

― 食いしばりの影響を受ける側頭部の痛み ―

朝起きた直後からこめかみ周辺が重い、押されるように痛む場合、
睡眠中の食いしばりや歯ぎしりが大きく関係していることがあります。

就寝中は無意識に噛みしめが起こりやすく、側頭部の筋肉が長時間緊張した状態になります。
この緊張により血液やリンパの流れが低下し、老廃物が溜まりやすくなります。

体は老廃物を薄めて流そうと水分を集めるため、
朝は特にむくみ+筋肉疲労が重なった状態になり、側頭部の頭痛として現れます。

「しっかり寝たはずなのに頭が重い」という方は、このタイプが疑われます。

夕方のむくみ頭痛

― 眼精疲労を由来とする前頭部の痛み ―

夕方になるにつれて額や眉の奥がズーンと重くなる頭痛は、
目の使い過ぎによる眼精疲労が原因となっているケースが多く見られます。

長時間のスマートフォンやパソコン作業により、
目の周囲や前頭部の筋肉は常に緊張した状態が続きます。

この緊張が血流を妨げると、老廃物が溜まり、
それを処理するために水分が集まりやすくなります。

その結果、夕方になるほど
前頭部のむくみ+鈍い頭痛として症状が強くなっていきます。

またはデスクワークによる首の疲労からくる後頭部のむくみ頭痛が発生することがあります。筋肉の疲労によって出る疲労物質がむくみをつくることがあります。

生理前からのむくみ頭痛

― 頭部全体が締め付けられるような痛み ―

生理前はホルモンバランスの影響で、体が水分を溜め込みやすい時期です。
この変化は顔や手足だけでなく、頭部全体にも及びます。

頭皮や首、肩まわりがむくむことで筋肉が疲労し、
結果として頭全体を締め付けられるような圧迫感のある頭痛が起こります。

ズキズキする強い痛みよりも、
「重い」「きつく巻かれている感じ」と表現されることが多く、
我慢できてしまう分、放置されやすいのが特徴です。

同じような症状として不眠を由来とした頭痛も近い症状になります。
特定の場所ではないので頭の中心が痛いという特徴的な表現をすることがあります。

雨の日や天気が悪くなる前のむくみや頭痛

― 気圧変化による内耳由来の頭痛 ―

雨の日や天気が崩れる前に起こる頭痛やむくみは、
気圧変化による内耳への刺激がきっかけとなって発症するケースが多く見られます。

内耳は、平衡感覚や自律神経の調整に関わる非常に繊細な器官です。
低気圧になると外部からの圧力が変化し、その影響が内耳に伝わることで体のバランスが乱れます。

この刺激によって迷走神経が興奮しやすくなり、
血管の拡張や筋緊張の変化が起こります。
その結果、ズキズキとした片頭痛や、こめかみ周辺が重くなる側頭部の緊張型頭痛として症状が現れやすくなります。

また、自律神経の乱れは血液やリンパの流れにも影響するため、
頭や顔まわりに水分が溜まりやすくなり、むくみを伴うことも少なくありません。

「天気が悪くなる前から頭が重い」「雨の日は決まって調子が悪い」という方は、
内耳と自律神経の影響を強く受けている可能性があります。

【今すぐ試せる】むくみ頭痛を和らげる即効セルフケア

セルフケア①:頭・顔・耳・首のリンパを流すケア

頭が重いと感じるときは、まず頭全体を指の腹でやさしくさすってみましょう。
いわゆる頭皮マッサージです。

このとき、頭皮が「むにゅっ」と動く感覚があれば、
頭まわりに水分が溜まり、むくんでいるサインと考えられます。

頭のむくみは、頭痛だけでなく、
耳鳴り・めまい・顔まわりの違和感・睡眠の質低下・抜け毛などにも影響します。
自覚しにくい小さな不調が重なり、「重だるさ」として感じられるようになります。

強く押す必要はありません。
軽くさするだけで十分なので、
ローラー鍼や美容ローラー、頭皮マッサージブラシを使うのも効果的です。

セルフケア②:ツボ押しと首まわりの緊張をゆるめる

むくみやすい体質の方は、
合谷(ごうこく)や三陰交(さんいんこう)などのツボを、
心地よい強さでゆっくり刺激してみましょう。

ツボ押しは、局所の循環を促すだけでなく、
自律神経の緊張をやわらげる効果も期待できます。

あわせて、首や肩を軽く回したり、
呼吸に合わせて首を伸ばすストレッチを行うことで、
頭部への血流とリンパの流れが改善しやすくなります。

セルフケア③:水分・運動・塩分を整えて「流れる体」を作る

むくみ対策というと水分を控えがちですが、
正しいタイミングと量で水分を摂ることが大切です。
一度に大量に飲むのではなく、こまめに補給することで体内循環が整いやすくなります。

とくにナトリウムやカリウムの量を見直してみるのも有効です、普段から塩味が多いなと思う方はカリウムを意識して摂取しましょう。豆類や赤身魚に多く含まれます。

また、小さなむくみは軽い運動だけでも十分改善が見込めます。
一駅手前で降りて歩く、階段を使うなど、
日常の中で少し体を動かす意識を持つだけで変化が出やすくなります。

さらに、湯船に浸かって汗をかくことも、
体内の水分循環を促す手軽で効果的な方法です。

冷えたり、不眠があることでおきるむくみの多くは心臓の働き低下によるものです。心臓に少し刺激を与えて全身のむくみを解消しましょう。

「溜めない・滞らせない」生活習慣を意識することが、
むくみ頭痛の予防と軽減につながります。

気圧頭痛アプリ「頭痛ーる」の活用

「頭痛ーる」は、気圧の変化による体調不良(気象病)を予測・管理するためのアプリです。気圧の上下や天気の変動が頭痛やむくみ、だるさといった不調に影響しますので、このアプリを活用することで、体調不良を“予兆として捉え、対策につなげる”ことが可能になります。
自分が気象病なのかを認識することができ、それが予防につながります。

アプリの主な機能は、気圧グラフと予報の表示です。
気圧の変化量に応じて、やや注意・注意・警戒といったアイコンで頭痛や不調が起こりやすいタイミングを視覚的に示してくれます。
低気圧が近づくときや急激な気圧低下の前にチェックすることで、症状が出る前に休息や準備を行うことができます。くるぞとわかっていたら、痛みへのメンタル的なストレスはかなり軽減されます。予定も調整しておくと安心ですよね。

他にも「痛みノート」や痛み・服薬の記録機能があり、
頭痛の発生時刻、強さ、飲んだ薬などを入力して保存できます。
日々の記録を続けることで、気圧の変化と自身の症状の関係性を分析でき、日常生活や治療計画に役立ちます。頭痛薬のODを防ぐ効果も期待できます。
また、振り返り機能はがあるので担当医に症状を正確に伝える際にも有効です。

無料版でも基本機能が使えるため、まずはダウンロードして日々の気圧変化と体調の関連を観察してみてはいかがでしょうか?

むくみと頭痛に鍼灸でできること

むくみと頭痛が同時に起きている場合、
鍼灸では「むくみや頭痛そのもの」と「体の内側の原因」の両方にアプローチします。

まず、むくみが出ている部位に鍼を行うことで、
滞っていた血流やリンパの流れが一気に動き出し、
むくみが速やかに引き、頭の重さや痛みが軽減するケースは少なくありません。

その場で変化を感じやすいのは、他にはない鍼灸の大きな特徴です。

一方で、むくみは単なる局所の問題ではなく、
内臓の働きや自律神経の乱れを反映した結果として現れていることが多い症状です。
表面のむくみだけを取っても、原因が残っていれば同じ不調を繰り返してしまいます。

鍼灸では、腹部・全身の緊張状態などを確認しながら、
どの内臓機能や体のバランスが崩れているのかを見極め、
根本となる要因に対して施術を行います。

不調が出るたびに発症要因から「避ける」のではなく、
なぜ起きているのかという原因から整えていくことが、再発を防ぐためには重要です。

最終的な目標は、
頭痛が出るたびに痛み止めに頼らなくてもよい体の状態を作ること。
鍼灸は、そのための土台づくりをサポートできる施術方法です。

不安な時は病院受診へ

むくみは、単なる疲れや一時的な不調として現れることもありますが、
内臓の状態や全身の異常を知らせるサインである場合もあります。

「むくんでいるだけ」「いつもの頭痛」と安易に考えてしまうと、
背景にある病気の発見が遅れてしまう可能性も否定できません。

以下のようなポイントに当てはまる場合は、
自己判断せず、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

・むくみや頭痛が急に強く出現した、または日ごとに悪化している
・片側だけの強い頭痛や、今まで経験したことのない痛みがある
・むくみに加えて、息切れ・動悸・めまい・吐き気などを伴う
・朝だけでなく一日中むくみが引かない状態が続いている
・休養やセルフケアを行ってもまったく改善しない
・手足のしびれ、ろれつが回らないなど、神経症状を伴う

これらは、内臓疾患や神経系のトラブルが関係している可能性も考えられます。

鍼灸は体のバランスを整える有効な手段ですが、病気を見逃さないことが最優先です。

必要な場合は医療機関での検査を受けたうえで、その後のケアとして鍼灸を併用するという考え方も大切です。

「いつもと違う」「何かおかしい」と感じた感覚は、体からの重要なサインです。
不安を感じたときは、無理をせず病院受診を選択してください。

六甲道本院
三ノ宮院
明石院

まとめ:

むくみや頭痛は、はっきりした痛みとして現れる前に、「頭が重い」「顔がスッキリしない」といった小さな違和感として始まることが多くあります。

こうした自覚しにくい顔まわりの不調が、循環の低下を招き、やがて内臓の働きの乱れや精神的ストレスへとつながっていくケースも少なくありません。

まだ「つらい痛み」ではなく、「重さ」や「違和感」の段階であれば、体は比較的スムーズに整いやすい状態です。

不調が積み重なる前に、早めにケアを行うことが大切です。

当院の全身治療では、

顔や頭まわりへの施術に加え、首・肩の筋緊張の緩和、さらに内臓や自律神経の状態まで含めて総合的に体を診ていきます。

そのため、ご本人が気づいていなかった不調に気づき、頭の重さだけでなく、別の症状まで一緒に軽減することもあります。

また、全身治療にプラスして美容鍼を組み合わせることも可能です。
むくみは全身性なので、顔もむくんでいることが多いから、顔の鍼で顔がスッキリします。
なので、頭の重さの改善と同時に、フェイスラインの変化やリフトアップを実感される方も多くいらっしゃいます。

「これくらいなら大丈夫」と思っている今こそが、体を整える良いタイミングです。
気になる症状がある方は、ぜひ一度ミントはり灸院へご相談ください。

頭痛の症状解説ページはこちら

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