ミントはり灸院・耳管開放症と鼻炎の関係|耳鳴り・耳閉感が起こる原因を解説

投稿日:2012年3月26日 / 更新日:2026年6月25日

耳管開放症と鼻炎の関係|耳鳴り・耳閉感が起こる原因を解説

カテゴリ: 耳鳴り・難聴

耳管開放症に悩む女性

 

「耳がふさがった感じがする」「自分の声が頭の中で響く」——そんな症状に心当たりはないでしょうか。

耳の不調というと、耳そのものに問題があると思いがちです。 でも実は、鼻の状態が耳の症状に深く関わっていることがあります。

今回は「耳管開放症」をテーマに、耳と鼻のつながりについてわかりやすく解説します。

院長 森本 賢司

この記事の執筆者

ミントはり灸院 院長
森本 賢司

高度専門鍼灸師

【略歴】
神戸東洋医療学院卒業
神戸東洋医療学院にて河村廣定先生に師事
明治国際医療大学 大学院 修士課程 修了
神戸東洋医療学院 非常勤講師

【資格】
はり師免許証・きゅう師免許証

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耳管開放症とは?耳管が開いたままになる状態

耳管開放症とは、普段閉じているはずの耳管が開放されたままになる状態のことです。

耳管が開きっぱなしになることで、耳閉感だったり自分の声が響いたり、耳鳴りを感じたりすることがあります。

耳管開放症の代表的な症状として、以下のものが挙げられます。

・耳閉感(耳がふさがった感じ) ・自声強聴(自分の声が異常に大きく聞こえる) ・自己呼吸音の聴取(自分の呼吸音が耳に響く) ・耳鳴り

これらの症状には、立った状態より横になると楽になるという特徴があります。 横になると耳管周囲の血流が増えて管が閉じやすくなるためです。 この点が、診断の一つの手がかりにもなっています。

また、耳管開放症は体重減少をきっかけに発症するケースも少なくありません。 ダイエット後や体調不良による急な体重低下が引き金になることがあります。


耳管の働きと鼻との関係

耳と耳管のイメージ図

耳と耳管のイメージ図

耳管は中耳と鼻の奥をつなぐ管

まず、耳管について少し説明させてください。

中耳(鼓膜あたり)は耳管という管で鼻の奥とつながっています

普段は閉じています。 でも、つばを飲み込むときや、あくびをするときに耳管が開きます。

すると、空気が鼻から耳の中へと入ります。 その結果、中耳と外界との気圧が同じになり、鼓膜がよく響くようになるわけです。

耳管は英語で「Eustachian tube(ユースタキー管)」とも呼ばれ、中耳の換気・排液・保護という三つの重要な役割を担っています。

耳抜きは耳管が開いて気圧を調整する仕組み

「耳抜き」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

飛行機に乗ったとき、トンネルを通ったとき、耳がつまったような感じがすることがありますよね。 あのとき、つばを飲み込んだりあくびをしたりすると「ポン」と耳が抜ける感覚があります。

あれがまさに耳管が一時的に開いて気圧を調整している仕組みです。

耳管は普段は閉じていますが、必要なときに開いて中耳の気圧を外界と等しく保つ。 この微妙なバランスが崩れたときに、耳管開放症や耳管狭窄症といった症状が出てくるわけです。


耳管開放症で起こる主な症状

耳閉感

耳がふさがったような、水が入ったような感覚です。

耳管が開放されることで、外の音や気圧の変化が中耳に直接伝わりやすくなります。 その結果、鼓膜の動きが乱れ、耳閉感として感じられるようになります。

「耳鼻科で診てもらったけど異常はないと言われた」という方でも、耳管開放症が原因になっているケースがあります。

自分の声が響く

自声強聴(じせいきょうちょう)といいます。

自分が話す声が、頭の中や耳の中でこだまするように響く症状です。 耳管が開いていると、声帯から発せられた音が口→鼻→開いた耳管→中耳というルートで直接伝わってしまうため、異常に大きく・響いて聞こえてしまうわけです。

会話がつらくなったり、電話でうまく話せなくなったりと、日常生活への影響が大きい症状といえます。

耳鳴り

「キーン」「ザー」といった音が耳の中で聞こえる状態です。

耳管開放症による耳鳴りは、呼吸に合わせて波打つように変化することがあります。 開放した耳管から呼吸音がそのまま中耳へと届いてしまうために起こる現象です。

耳鳴りというと「神経性のもの」というイメージを持つ方も多いですが、耳管の状態や鼻の炎症が関係していることも少なくありません。


耳管開放症の原因とは?

耳管を閉じる役割を担っているのは、耳管周囲の筋肉と粘膜の弾力です。 この緊張が低下することで、耳管が開放されやすくなります。

では、なぜその緊張が低下するのでしょうか。 原因はさまざまですが、主なものをご紹介します。

鼻炎や風邪による鼻の不調

アレルギー性鼻炎・慢性鼻炎・副鼻腔炎などがある方は、鼻の粘膜が慢性的に炎症を起こしています。

耳管の入り口は鼻の奥(上咽頭)にあります。 ですから、鼻の炎症や腫れが耳管の周囲にも波及しやすいのです。

また、風邪のあとに耳管の機能が乱れるケースも多く見られます。 「風邪をひいてから耳の調子がおかしい」という方は、耳管への影響を疑ってみてください。

慢性的な鼻のずるずるをお持ちの方は、要注意です。

自律神経の乱れ

自律神経は、血管や粘膜の状態をコントロールしています。

自律神経が乱れると、耳管周囲の血流や粘膜のコンディションに影響が出ます。 その結果、耳管を適切に開閉する機能が乱れてくることがあります。

ストレスや睡眠不足、過労が続いているときに耳の不調を感じやすいのは、こうした背景があるからかもしれません。 自律神経失調と耳管開放症は、深い関係にあります。

妊娠など体調の変化

妊娠中は、ホルモンバランスの変化や血液循環の変化により、耳管の機能に影響が出ることがあります。

また、前述のとおり急激な体重減少も耳管開放症の誘因になります。 耳管の周囲には脂肪組織があり、それが減少することで耳管が閉じにくくなるためです。

ダイエット後や病後の体力低下のタイミングで発症するケースが、臨床でも少なくありません。


耳管開放症と耳管狭窄症の違い

耳管の不具合には、開放症とは逆のパターンもあります。 それが耳管狭窄症です。

耳管狭窄症は、鼻炎や副鼻腔炎によって耳管の入り口が腫れ・炎症で狭くなってしまい、空気が通りにくくなった状態です。 耳閉感や軽度の難聴、こもった感じが続きます。

2つを整理するとこうなります。

  耳管開放症 耳管狭窄症
耳管の状態 開きっぱなし 閉じっぱなし・狭い
主な原因 体重減少・自律神経・妊娠・鼻炎 鼻炎・副鼻腔炎・上咽頭の炎症
主な症状 自声強聴・呼吸音が響く・耳閉感 耳閉感・難聴・こもった感じ
楽になる体位 横になると改善しやすい 耳抜きや通気で改善しやすい

どちらも症状が似ている部分があるため、自己判断が難しいのが正直なところです。 ただどちらの症状も、鼻の状態が深く関係しているという点は共通しています。

2つの症状から分かるように、耳の機能を正常に保つために「耳管」はとても重要な役割をはたします。 そして、鼻の状態がとても大切であるという事も。


耳鳴りや難聴と鼻の状態の関係

当院でも、耳鳴りや難聴の症状で来院される方で、鼻の周囲にツボの反応が出ている方は多いです。

鍼灸の観点から見ると、鼻と耳は経絡でもつながりが深い部位です。 耳の治療に鼻のケアは欠かせません。

「耳鳴りが続いている」「耳が聞こえにくい」という方でも、鼻まわりのツボに施術することで耳の症状が改善するケースがあります。

あなたの耳鳴りの原因が、鼻にある場合もあるのです。

特に以下のような方は、鼻と耳の両面からアプローチすることが大切です。

・慢性的な鼻炎や副鼻腔炎がある ・花粉症・アレルギー性鼻炎が毎年ひどい ・鼻がいつもずるずるしている ・風邪をひくと必ず耳の調子が悪くなる ・ストレスや疲れが溜まると耳鳴りが強くなる

慢性的な鼻のずるずるをお持ちの方は要注意です。 耳の症状だけを追いかけるのではなく、鼻の状態を整えることが、耳の不調の根本的な改善につながることがあります。


まとめ

今回のポイントをまとめます。

・耳管は中耳と鼻の奥をつなぐ管で、普段は閉じており気圧調整のときに開く

・耳管が開放されたままになるのが「耳管開放症」、逆に閉じてしまうのが「耳管狭窄症」

・耳管開放症の主な症状は耳閉感・自声強聴・耳鳴りなど ・原因として鼻炎・風邪・自律神経の乱れ・妊娠・体重減少などが関係する

・耳の不調と鼻の状態は密接に関わっており、鼻のケアが耳の改善につながることがある

耳の症状が続いているとき、ぜひ鼻の状態も一緒に見直してみてください。

当院では、耳鳴りや難聴など、耳の不調で来院される方も多くいらっしゃいます。難聴・耳鳴りの症例一覧では、実際の施術例や経過をご紹介しています。

当院「ミントはり灸院」は、根本から改善することに特化した神戸の鍼灸院です《年間10,000人超の実績》。六甲道駅3分”六甲院”/三ノ宮駅6分”三ノ宮院”/明石駅5分”明石院”の3店舗がございます。全室個室でマンツーマンで施術しています、ぜひお越しください。