ミントはり灸院・ジェネリック薬、スイッチOTCなどの自己負担増加トレンドに向けた予防医学

投稿日:2025年12月25日

ジェネリック薬、スイッチOTCなどの自己負担増加トレンドに向けた予防医学

カテゴリ: 健康法(自宅ケア)

「薬が高くなる時代が、すでに始まっています」

最近、「薬代が前より高くなった」と感じたことはありませんか?

ジェネリック医薬品の供給不足や、スイッチOTCの拡大など、薬を取り巻く環境は静かに、しかし確実に変わり始めています。これは一時的な値上げの話ではなく、今後も続いていく構造的な流れです。

これからの時代、症状が出るたびに薬で対処する医療との付き合い方は、患者自身の負担を増やしていく可能性があります。だからこそ今、「治す医療」だけでなく、「悪くならないための医療=予防医学」という視点が、より重要になってきています。

本記事では、薬の自己負担が増えていく背景を整理しながら、これからの時代に求められる予防医学、そしてその選択肢の一つとしての鍼灸について解説していきます。

院長 森本 賢司

この記事の執筆者

ミントはり灸院 院長
森本 賢司

高度専門鍼灸師

【略歴】
神戸東洋医療学院卒業
神戸東洋医療学院にて河村廣定先生に師事
明治国際医療大学 大学院 修士課程 修了
神戸東洋医療学院 非常勤講師

【資格】
はり師免許証・きゅう師免許証

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薬が高くなっていると感じる人が増えている

最近、身近な薬の値段や自己負担が「高くなった」と感じる人が増えています。

厚生労働省の検討では、例えば「ロキソニン」などの薬について、医療保険の適用を維持しつつも患者の負担が増える方向で見直しが進められています。これにより薬剤費の約25%が料金に上乗せされる可能性が報じられており、薬代の実質的な負担増が懸念されています。実際に医療費にしめる薬剤費は年々増加しています。

このままでは薬でなんとかするという判断が難しくなってくるかもしれません。

ジェネリック医薬品の供給不足

ジェネリック薬とは何か

ジェネリック医薬品とは、先発薬(元の薬)の特許が切れたあとに、同じ有効成分・効果を持ちながら価格を抑えて提供される薬です。医療費の負担を抑えるために長年推奨されてきた選択肢であり、国内でも多くの処方で使われています。
医療費を抑制するための有効な手段として、病院や薬局でもおすすめされたことがあるのではないでしょうか。

なぜ供給不足が起きているのか

近年、ジェネリック薬の供給不足が深刻化しています。調剤薬局の実態では、数千品目の薬で供給停止や出荷調整が発生しており、そのうち約6割以上がジェネリック薬です。これは、製造体制の非効率(少量多品目生産)、品質管理による業務停止、増産余力の不足などが背景にあります。こうした構造的な課題が、安定した供給を困難にしています。
薬価もどんどん下がっており、企業としても作りにくい実状があるわけです。

ジェネリック不足が患者に与える影響

ジェネリック薬の供給不足は、患者に複数の影響を及ぼしています。まず、安価な薬が手に入りにくいため、場合によっては高価な先発薬を使わざるを得ないケースが増えています。また、薬局での在庫不足により、処方通りの薬が出せず、医師や薬剤師が代替薬を提案する必要が生じることもあります。このような状況は、日常的に薬を使う人にとって、経済的な負担増と不安をもたらしています。

薬の値上げとスイッチOTCの増加

薬を取り巻く環境は、ここ数年で大きく変わり始めています。
その象徴の一つが、薬の値上げと「スイッチOTC」と呼ばれる薬の増加です。これらは別々の出来事のように見えますが、実際には同じ流れの中で起きています。

スイッチOTCとは

スイッチOTCとは、もともと医師の処方が必要だった医療用医薬品が、市販薬として購入できるようになる仕組みのことです。
ドラッグストアなどで手軽に買えるようになる一方で、医療保険の対象外になるため、費用は全額自己負担になります。

一見すると便利な制度ですが、「病院で処方してもらえば安く済んでいた薬」が、市販薬扱いになることで負担が増えるケースも出てきています。

負担が増えて悪いことばかりではありません、保険が使えるからといって過度な薬の処方や働いている人が薬を購入しやすくなるなどのメリットもあります。

身近な薬でも起きている変化

頭痛薬や痛み止めなど、これまで多くの人が使ってきた身近な薬でも、この変化は起きています。
ジェネリック薬の供給不足や制度の見直しによって、処方される薬が変わったり、自己負担が増えたりするケースも珍しくありません。

「いつもと同じ症状なのに、支払う金額が違う」と感じる背景には、こうした制度上の変化があります。

今後もしかしたら今後は病院で「痛み止め(ジェネリック薬)は不足してるからOTC類似薬でドラッグストアで購入して下さい」と言われることもあるかも。

今後さらに増える可能性

医療費の抑制やセルフメディケーションの推進を背景に、スイッチOTCは今後も増えていくと考えられています。
つまり、これまで医療保険でカバーされていた薬が、徐々に自己負担へと移行していく可能性があるということです。

この流れは一部の薬に限った話ではなく、今後の医療全体の方向性とも言えます。
そのため、薬に頼る頻度が高い人ほど、将来的な負担増を意識せざるを得ない状況になりつつあります。

患者負担が増えていく医療の構造

医療制度は今、「患者の自己負担が増えやすい仕組み」へと少しずつ移行しています。これは突然の変化ではなく、長期的な医療費抑制の流れの中で起きているものです。
おそらく、軽度な症状においては自己負担比率が高まっていき、高度な医療が必要とするケースにおいては補助などの制度を使うことになるのではないでしょうか。

薬代の自己負担が増えやすい理由

ジェネリック医薬品の供給不足や、スイッチOTCの増加により、これまで保険適用で抑えられていた薬代が、自己負担になりやすくなっています。
また、今後も医療費全体を抑えるために、「軽症は自己管理で」という考え方が進んでいくと見られています。

その結果、同じ症状でも以前より薬代が高くなる、あるいは保険が使えない場面が増える可能性があります。

症状が出てから対処する医療の限界

これまでの医療は、「症状が出たら病院に行き、薬で抑える」という形が中心でした。
しかし、この方法は症状が繰り返されるほど、薬の使用頻度や医療費が増えていきます。
お医者さんも目の前で不調を訴えている人がいたら、たとえ重篤な病気で無いとしても、すぐに症状を楽にしてあげたいという判断をするのは当たり前のことです。「日にち薬なので、暖かくして寝て下さい」なんて言いにくいわけですね。正しいことなんですが、言うと悪い口コミを書かれたりするからです。

医療費負担が変わる中で、この“対処型の医療”だけに頼り続けることは、身体的にも経済的にも負担が大きくなりやすい状況になっています。

薬が高いアメリカの医療事情

日本とは対照的に海外では以前から医療費や薬代が非常に高額な社会が続いてきました。
この環境が、医療の考え方そのものを変えるきっかけになっています。

医療費・薬代が高額な社会

アメリカでは、薬代や診察費が数万円から数十万円になることも珍しくありません。
そのため、「病気になってから治す」医療を続けていると、生活そのものに大きな影響が出てしまいます。

医療を受けること自体が、大きな経済的リスクになる社会とも言えます。
もちろん、民間や会社の医療保険に加入して経済的な負担を抑えていますが、保険料はとても高くなっています。

予防医学が発展した背景

こうした状況の中で注目されてきたのが、予防医学です。
病気になる前、症状が軽いうちに体を整えることで、将来の医療費や生活への影響を減らす考え方が広がっていきました。

欧米で予防医学が発展した背景には、「医療費が高いからこそ、悪くならない工夫が必要だった」という現実があります。
海外にも鍼灸院がありますが、受療率は日本よりも高いと言われています。
漢方薬なども人気です。ただ、その結果漢方薬の金額も高騰しています。

予防医学という考え方

予防医学とは、病気になってから治療するのではなく、体調を崩す前の段階から体を整えていく医療の考え方です。
症状がはっきり出る前の違和感や不調に目を向けることで、将来的な負担を減らすことを目的としています。
予防医学の考え方はメディアでも何度も取り上げられるようになってきました、「ロコモティブシンドローム」「フレイル」「睡眠負債」などなど

病気になる前に整える医療

多くの場合、体は突然悪くなるのではなく、少しずつバランスを崩していきます。
疲れが取れにくい、眠りが浅い、肩や首が重いといった状態は、そのサインの一つです。

予防医学では、こうした小さな変化の段階で体を整えることを重視します。
大きな症状が出る前にケアを行うことで、治療にかかる時間や負担を抑えやすくなります。

例えば高齢者向けの帯状疱疹の予防接種などもその一つとも言えます。帯状疱疹に一度発症すると、高頻度で病院に行くことになりますし、場合によっては長期間の痛み止めの服用が必要となります。

また、2025年では「歯科健診」の無料化もありました。虫歯を予防することの健康へのメリットが非常に大きいということですね。

生活の質を下げないための選択

症状が強くなってから対処する生活は、仕事や家事、趣味など日常生活の質を下げやすくなります。
痛みや不調を我慢しながら過ごすことは、心身の余裕を奪ってしまいます。

予防医学は、「不調を我慢しない」「悪くなる前に整える」という選択です。
日常を大きく崩さずに過ごすための、一つの現実的な医療との付き合い方と言えます。

予防というのは目の前のメリットは少ないですが、長期間で考えると非常に大きなメリットになります。予防に時間をかけるほどに、その経済的、身体的な効果が非常に大きい医療なんですね。

予防医学としての鍼灸

鍼灸は、強い症状が出てから行う治療というよりも、体のバランスが崩れ始めた段階で整えていく医療として活用されています。
病名がつかない不調や、はっきりとした異常が見つからない状態にも対応しやすい点が特徴です。

未病へのアプローチ

「未病」とは、病気と診断される前の段階で、体調が完全には整っていない状態を指します。
疲れやすさ、慢性的なこり、眠りの質の低下などは、未病の代表的なサインです。
未病という言葉も最近ではTVなどで紹介されてきて一般化してきましたが、鍼灸においては鍼灸の古典にあって当たり前にあった言葉なんです。

だから、鍼灸はこうした段階で体の働きを整え、悪化を防ぐことを目的としています。
症状が軽いうちにケアを行うことで、長期的な不調につながりにくくなります。

薬に頼りすぎない体づくり

痛みや不調が出るたびに薬で抑える生活は、一時的には楽になりますが、使用頻度が増えるほど負担も増えていきます。
特に薬の自己負担が増えつつある現在では、この点を意識する人も増えていくはずです。

鍼灸を取り入れることで、体の状態そのものを整え、薬を使う回数を減らすことを目指す考え方もあります。

けっして薬を否定するのではなく、必要以上に頼らない選択肢として、予防医学の一環として活用されています。

六甲道本院
三ノ宮院
明石院

これからの時代の医療との付き合い方

薬の値上げや自己負担の増加は、一時的な問題ではなく、今後も続いていく可能性があります。
こうした変化の中で、私たちは医療との向き合い方そのものを見直す時期に来ています。

治療中心から予防中心へ

これまでの医療は、症状が出てから治療する「治療中心」の考え方が主流でした。
しかし、医療費や薬代が上がる中では、この方法だけに頼ることが負担になりやすくなります。

不調が軽いうちから体を整え、悪化を防ぐ「予防中心」の考え方は、
身体的な負担だけでなく、経済的な負担を抑える意味でも重要になっています。

以前に比べて予防へのコスパはどんどんと高まっています。

自分に合ったケアを選ぶ重要性

医療の選択肢は一つではありません。
薬、病院での治療、生活習慣の見直し、そして予防的なケアなど、さまざまな方法があります。

大切なのは、自分の体調や生活に合ったケアを選び、無理なく続けられる形を見つけることです。
これからの時代は、健康を「任せきり」にするのではなく、自分自身で選び、整えていく姿勢がより求められていきます。

当院「ミントはり灸院」は、根本から改善することに特化した神戸の鍼灸院です《年間10,000人超の実績》。六甲道駅3分”六甲院”/三ノ宮駅6分”三ノ宮院”/明石駅5分”明石院”の3店舗がございます。全室個室でマンツーマンで施術しています、ぜひお越しください。