神戸市で治療実績豊富なミントはり灸院が症例1 変なにおいがする異臭症の治療記録をご紹介しています。

■症例1 変なにおいがする異臭症

画像

患者

30代女性 神戸市

来院

202X年3月

症状

10年前からひどい風邪の後など、時々ゴムのような焦げ臭くて油っぽい異臭がする。来院前1ヶ月は毎日異臭がするようになり、特に生理前後は症状が強くでていた。
また、来院する5ヵ月前にコロナに感染。その後は寝つきが悪く中途覚醒もある。
調理の仕事に影響があり、食事も美味しく感じないため、何かできることがないかとネットを検索。当院を受診することになった。

治療内容と経過

触診をすると鼻、咽、肝臓、胃に反応があり、鼻の反応の悪さが際立っていた。(10段階で9)また咽や肝臓の反応も顕著であった。

カウンセリングや触診の結果から、10年前から慢性的な鼻炎があり免疫力の低下や風邪などをきっかけに悪化、鼻腔の上部にある嗅粘膜まで広がり異臭を起こしていると考え、鼻や咽を中心に治療を開始。筋肉を触診すると首や肩の緊張が強いことがわかり、鼻や咽への血流が悪くなり、異臭が長引く要因になっていると考え同時に治療した。

鼻や咽は鍼やローラー鍼を用いて刺激を加えた。腹部は鍼とせんねん灸を使用。
腹臥位で首や肩に横刺と斜刺にて刺激を加え、筋緊張をとった。

月に3回ほどしか来院できないため、自宅で鼻と咽にそれぞれ5分間ローラー鍼を用いたセルフケアを指示した。

3回目 午前中異臭がしない日が週に2日あった。(10段階で8)
4回目 午前中異臭がしない日が週に3~4日あった。(10段階で8)
8回目 夜眠れている日やローラー鍼ができていると調子がいい(10段階で7)
9回目 異臭がうすくなった。(10段階で6) 
12回目 くしゃみをすると異臭がするが、ローラー鍼をすると治まる。(10段階で6)
15回目 普段は異臭が少し気になる程度に。生理中は異臭がした。(10段階で4)
20回目 異臭がほとんど気にならなくなったので、月に1回程度のメンテナンスへ移行(10段階で2)

同時に治療した症状

不眠、肩こり

考察

本症例では鼻の反応の変化とともに異臭が治まっていった。もともと風邪を引いた後に異臭がしやすいことからも、鼻炎が鼻腔上部にある嗅粘膜まで広がり異臭がしていたと考えられる。また鼻炎があると神経の反射を介して首や肩の筋肉を硬くするため、顔面部への血流が悪くなり、より異臭が長引いたと考えられた。
鍼治療により鼻炎が改善したこと、首や肩の筋肉の緊張が取れたことが異臭の改善につながった。

定期的な通院が難しい中での治療だったが、患者の「異臭をどうにかしたい」という強い気持ちとご自宅でのセルフケアに協力的だったことも症状の改善に向けて支えられた。

同じ病名や症状であっても効果には個人差があります。また、このページの症例は当院の経験であり、鍼灸の一般的な効果を意味するものではありません。