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不妊症・不育症

■症例9 流産後、妊娠しにくい30代女性

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患者

30代女性 Y 様

来院

201X 年8月

症状

3年前に結婚、その一年後から不妊のクリニックに通っている。

通い始めてすぐ妊娠したが初期に流産を経験。
しばらくクリニックを休んでいた。

その後クリニック通院を再開し、卵管鏡下卵管形成術(FT)をした。

流産後一年が経ち、クリニックでタイミング指導を受けて
いるが妊娠に至っていない。

慢性的な肩こりや腰痛、便秘、一年中アレルギー性鼻炎があり、
体質改善を希望して来院した。

治療内容と経過

触診の結果、鼻の広範囲の皮膚領域に反応が出ていた。

加えて側頭部、咽、内耳、腹部は胃、肝臓、膀胱に反応を検出した。

小鼻の外方に5分―02の鍼で切皮し、ローラー鍼で広範囲に刺激を加えた。

また咽、内耳、側頭部の反応のある場所に鍼をした。

腹部は鍼で切皮し、せんねん灸で刺激を加えた。

首や肩、腰の筋緊張に対して寸3-1の鍼を用いて斜刺で皮膚と筋肉に刺激を加えた。

週に一度の治療頻度で治療を開始した。

2ヶ月を過ぎた辺りから鼻水やくしゃみの頻度が減り、

治療開始3ヶ月後、タイミング指導にて自然妊娠に至った。

妊娠初期はお尻から股関節のだるさやつわりがあった。

「吐いてはないが、吐き気が強い」と訴え、その間も週に一度の頻度で治療を続けた。

安定期を過ぎて治療頻度を二週間に一度とし、妊娠後期まで体調管理のため治療を続けた。

同時に治療した症状

アレルギー性鼻炎、肩こり、腰痛、便秘

考察

鼻炎の症状に改善がみられた頃、妊娠していることがわかった。

初診の触診で一番反応の強く出ていた鼻の領域、

アレルギー性鼻炎の改善がこの患者の治療の鍵となった。

不妊の原因は人によりさまざまだが、子宮や卵巣に問題がない場合、

他の内蔵の不調(炎症)を改善することで自律神経の働きが正常化し、

子宮内膜や粘液に良い影響を与えたことが推察される。

妊娠前、患者は胃に自覚がなかったが、つわりで苦しんだとき胃の弱さを実感したようだ。

「妊娠もすごく嬉しかったですが、鼻炎が一年中辛かったので

改善してよかったです。」と話した。

同じ病名や症状であっても効果には個人差があります。また、このページの症例は当院の経験であり、鍼灸の一般的な効果を意味するものではありません。

■症例8 高温期になると体温が下がる不妊症

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患者

30代前半女性 神戸市垂水区

来院

2016年8月

症状

2年前に生理不順で婦人科を受診したところ子宮内膜症、チョコレート嚢胞と診断を受けた。手術するほどではなかったので経過観察となった。しかしその後も生理痛や月経前症候群に悩まされる。その後結婚、半年後に不妊専門クリニックを受診した。子宮内膜症による癒着の可能性はあったが検査での異常はなかった。まずタイミング法で試みたが5か月間たっても妊娠に至らず、担当医師より人工授精を勧められる。母親が当院を受診しており、以前から娘の身体の弱さを感じていたので「人工授精よりも先に体を健康にするべき。」と紹介で来院した。

手足の冷えが強く、基礎体温表を見ても高温期に体温が下がってしまうことがあった。
生理周期は不順で24日~31日と幅があり、生理痛も生理前から後にかけてあり、腹部の痛みが強い。
他にも小学生のころから肩こりを感じていた。

治療内容と経過

全身をくまなく触診すると、咽、気管、子宮の弱さを感じた。
呼吸器の状態を確認すると、風邪を引くと咽から痛みを感じることが多く、咳が止まらないこともあるとのこと。
子宮については問診時に確認した内膜症やチョコレート嚢胞の影響が皮膚の広範囲に出現していた。

高温期の体温低下は自律神経興奮による影響があるので、生理痛や生理前症候群を緩和して、身体への負担を少なくすることを目的として治療を開始した。

治療開始して1か月後の生理時では頭痛はほぼ消失した。冷えやお腹の気持ち悪さは残る。
2周期目では冷えは感じない程度まで改善。
3周期目では症状は全体的に軽くなっている。中でも生理周期が安定していることに驚いていた。
主治医から妊娠に至らない原因として子宮内膜症による癒着があると言われ子宮鏡手術を勧められる。
治療開始後4周期目で手術のため鍼灸治療を休止する。
手術をし6か月後に再度治療を再開、手術の結果を確認すると「癒着はそれほどなかった」とのこと。
その後は間隔を空けながら治療する。治療中、生理痛の波はあったが良い状態を維持する。
鍼灸治療を開始して10か月後に人工授精で妊娠した。

その後、出産直前に股関節の痛みや出産直後にも授乳中の肩の痛みでも来院している。

同時に治療した症状

肩こり

考察

手足の冷えについては、咽や呼吸器は首肩や手先に子宮は腰や足先に神経の興奮を起こす。その結果、自律神経が興奮することで血管の収縮がおきて冷えを起こしていた。肩こりを小学生の頃か感じていたようだったのでおそらく小さいころから呼吸器が弱かったであろう。
生理痛や生理前症候群は子宮や卵巣が原因なるとは限らない、首の筋肉が硬いようだと生理時の頭痛の原因になり、胃が弱いと吐き気などを起こすこともある。生理中は全身の感度を上げるので、小さな不調を大きく感じてしまう。
当初は子宮内膜症の後遺症が原因だと考えていたが手術で癒着範囲が少なかったようにその可能性は低いと考えられる。
患者本人の生理時のストレスは非常に大きかったと想像でき、そのストレスが高温期の体温低下の要因になっていた。手術をしたので鍼灸治療の貢献度は高いとは言えないが念願の赤ちゃんを抱くことができ担当者としても満足している。

同じ病名や症状であっても効果には個人差があります。また、このページの症例は当院の経験であり、鍼灸の一般的な効果を意味するものではありません。

■症例7 喘息の改善で妊娠

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患者

30代女性 神戸市

来院

2016年10月

症状

2年前に結婚。1年前から子宮腺筋症の診断を受けて漢方薬を処方されている。
子供を望み今年に入り病院にて血液検査を受けたところプロラクチンが高いと指摘されていた。タイミング指導を受け、2ヶ月目に妊娠したが9週目で流産した。流産後から基礎体温が不規則になる。他にも持病の喘息や胃腸炎にかかりやすい。肩こりや腰痛など慢性的な疲労があることから妊娠に備えて体調を整えたいとのことで来院を決めた。

治療内容と経過

触診すると肺や気管など呼吸器の弱さが目立った。「吸入器を使用しているが朝や就寝時の咳や痰に悩まされている」という。腹部は胃腸の広い部分に弱い反応があり、免疫に関係する肝臓にも疲れが顕著に出ていた。膀胱と子宮にも弱さは出ていたが呼吸器の反応を取ることを第一優先として週に1回の治療を開始した。治療時間の大半を咽、気管、肺の改善に時間をかけた。初診時が排卵日付近であった。
2回目 前回治療後、咳の回数が減った。排卵は確認されているが基礎体温が上がらないので
    生理がいつ来るかわからない状態。
3回目 今日から生理が始まる。痛み止めの薬は1回しか使用しなかった。
    咳き込む回数や痰の量が減り、呼吸が楽だった。
4回目 この1週間咳き込むことが何度かあった。少し疲れている。

4回治療後、仕事の都合で2週間、間隔が開いた。予約日に電話にて妊娠反応陽性でつわりのため自宅で安静にしていると連絡を受けた。

同時に治療した症状

喘息、胃腸の不調、肩こり、腰痛

考察

この患者の場合、子宮腺筋症の治療中であった。受精卵の着床には内膜の状態と粘液の十分な分泌が必要だが、身体を診ると呼吸器と胃腸の弱さが目立ち慢性的疲労の原因であることがわかった。特に喘息の自覚のあった呼吸器の広い範囲の炎症を抑えることで自律神経の混乱を正常化するように施術した。その結果、子宮粘膜の増殖や粘液の分泌を促して子宮内環境がよくなったと考えられる。
治療開始約1ヵ月、呼吸器の顕著な改善によって妊娠に至った稀な例である。[MIMO011016]

同じ病名や症状であっても効果には個人差があります。また、このページの症例は当院の経験であり、鍼灸の一般的な効果を意味するものではありません。

■症例6 転院前に体を整えたい

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患者

30代主婦 芦屋市

来院

2016年6月

症状

35歳で結婚したこともあって、結婚して間もなく2年前より不妊治療を開始する。最初のクリニックではタイミング治療のみであったが、転院とともに人工受精→体外受精に移行。

3度の体外受精の結果、2度陽性になったがどれも早期に化学流産となった。通っていたクリニックとのトラブルもあって神戸の病院に転院。今度こそはとの想いから鍼灸治療で体を良くしたいと思うようになり。
当院を偶然知って来院した。

検査はヒューナーテストで良好とはならなかった。
生理周期は35日程度で生理中に軽く腹部の痛みがあった。

治療内容と経過

肝臓は全身の免疫と代謝に関わる、免疫力は妊娠維持に重要な役割がある。着床後の卵子は妊娠週数がある程度経過するまでの間は外からの細菌などに無防備な状態にある。卵子にかわって守るのが母体の免疫力になる。

肝臓が不調であるということはその力が弱まっているということになる。

次に気になったのは鼻であった、自覚は少ないようだが「たまに鼻水が止まらなくなることがある」と言っていた。わずかな鼻炎であっても自律神経への影響は少なくない。自律神経の安定は妊娠には不可欠である。

今回の場合は、肝臓と子宮、そして自律神経に関わる鼻を中心に状態を改善するための治療を行った。

治療を開始して1か月(4回目)で足の冷えが楽になっていることに気が付く。
2か月目に睡眠の質がよくなり、近隣のジムに通い筋力トレーニングを始める。
2か月半ごろに、転院して採卵から治療を再開する。初期胚が9個となり、その後胚盤胞まで至ったのが3個となった。今回はこれまでの流産の経過から着床前診断を行っていた。

4か月目に移植。陰性となった。
今回にかけた期待も大きく、思った結果でなかったことでしばらく治療を休止した。

2か月ほどして、次の移植がきまり鍼灸治療を再開する。前回の移植での結果を受け止めるのかなりのストレスがあったようで、不眠症となり心療内科でも治療を受ける。

再開して最初の体外受精で陽性を確認。その後、つわりに悩みながらも安定期に入ったので治療を終了した。

途中の休止はあったものの、治療を開始して半年後に妊娠となった。

同時に治療した症状

鼻炎

考察

今回の場合、着床まではこれまで流産を経験していたので問題は少ないだろうと思っていた。妊娠は着床から妊娠判定となるまでの期間で子宮の状態がどうであったかで決まる。子宮内部が免疫力の低下などにより、炎症しやすい状態だと免疫を持たない受精卵では妊娠を維持できなくなる。

流産を2回していたので、そのあたりがネックになっていて妊娠まで至らなかったと考えた。

鼻や肝臓の不調がそれを表しており、早い段階で体質改善できたことで結果がだすことができた。
これまでの頑張りを考えると、1回目の体外受精でなんとか妊娠してほしかった。体質改善がもう少し早くできれていればと反省点が残った。

妊娠中はつわりで疲れている顔をみせていたが、そんな中でも目の奥は輝いていた。[MMWN150616]

同じ病名や症状であっても効果には個人差があります。また、このページの症例は当院の経験であり、鍼灸の一般的な効果を意味するものではありません。

■症例5 低体温に悩む不妊

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患者

30代女性 神戸市灘区

来院

2016年8月

症状

2012年に1人目を出産して、1年後から2人目にむけて不妊治療を開始した。
年齢を考慮して人工授精から始めた。その後3回の人工授精と2回の体外受精をしたものの陽性とならず

検査をしても、左卵管の狭窄だけであった。
ただ、子宮内膜の厚みが以前が8mmだったが徐々に薄くなっていることが気になる。さらに、低血圧(最高血圧が90mmHg)、低体温(35℃~36℃)がある。1か月後に移植をする予定だが自分の身体に自信が持てない。そこで職場の近くの鍼灸院を受診。そこで、不妊治療を受けていたが考え方に不安をもち、当院のホームページを見て内容に共感し来院した。

それ以外の身体の悩みとして、眼精疲労、首肩のコリ。

治療内容と経過

腹部から触診すると、肝臓と子宮の反応はそれほど強くなかった。生理周期によって反応の出方が変わるがそれほど悪い感じはしなかった。次に顔面部を触診すると、目と鼻の反応が強く出ていた。鼻炎などの有無を確認すると、花粉症やアレルギー性鼻炎があるとのこと。ひどい鼻水ではなかったので不妊に影響しないと考えていたそう。

子宮の循環改善に下腹部のツボだけでなく、自律神経全体の影響を考えて目と鼻にあるツボにも施術を加えた。

2回目 1回目の時に比べて肝臓の悪さが目立った。1回目の時は偶然調子がよかった可能性もある。
5回目 移植日同日に治療。期間は短かったが鼻と肝臓の反応は少し改善がみられた。
6回目 1か月後、陽性の反応あり(不妊治療を開始して初めて)

陽性となってから微量の出血などがあり治療を休止

7回目 安定期に入ってからトイレが近くなる。膀胱の反応が出ていた。
8回目 30週を超えたところで逆子と診断される。子宮の状態が悪くなっていたので施術を加える。
9回目 1週間後に逆子は戻っていた。

その後、2017年初めに無事に出産。

同時に治療した症状

冷え症 鼻炎

考察

子宮内膜の厚みは着床する上で卵子のグレードと同じかそれ以上に重要な要素になる。
もちろん不妊クリニックでもホルモン剤を追加することはあるが、内膜にある血管は自律神経によって調整されるので顔面部の不調の影響は小さくない。
今回の場合は鼻炎と眼精疲労が内膜の成長を阻害していた可能性があった。

移植までの短い期間であっても、本当の原因を見極めることができれば早くに体質改善ができると感じたケースであった。
院のメールに赤ちゃんの写真を送っていただいた。幸せそうな家族の写真に私たちが癒されました。[MMAH270816]

同じ病名や症状であっても効果には個人差があります。また、このページの症例は当院の経験であり、鍼灸の一般的な効果を意味するものではありません。

■症例4 トイレの近い不妊症

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患者

20代女性  神戸市灘区

来院

2016年7月

症状

1年前より近隣の不妊クリニックで不妊治療を開始する。最初はタイミングを取っていたが結果が出ずに人工授精に移行する。5回実施したが結果が出ずにショックを受ける。不妊の原因が病院でもわからない状態。体外受精を進められたが原因がわからないままでは同じ結果を繰り返すと思い違う方法を探し近隣の鍼灸院として当院を選んだ。

生理周期は安定しているが、生理前に肩こり、吐き気、頭痛などのPMS症状がある。
卵管造影検査をしたが少し狭窄がみられた。

治療内容と経過

顔面部については右の耳と鼻に反応があった。症状を確認すると、小さいころ耳鳴りがあって難聴気味とのこと。腹部については胃や肝臓などの調子も悪くなかったが、膀胱の反応が悪かった。
頻尿を疑い確認すると、自覚があって。乗り物に乗る前や出かけているときはトイレの場所が気になることがあるほどであった。治療中に「足が寒い」と言っていた、真夏であっても仕事中は足が冷えるとのこと。

全体から判断すると、顔面部の不調による自律神経の乱れ、膀胱の炎症による足の冷えと子宮の機能低下が考えられた。

1回目 治療後に冷たいと感じていた足が暖かくなる。
3回目 耳の状態は以前変わらないが、めまいが少し楽になった。
10回目 夜間にトイレに行く回数が減った。ただトイレを探してしまうのは癖になってしまい変わらず。
18回目 体の状態も良く、風邪なども引きにくくなる。この段階で体外受精をチャレンジするために転院。
検査や採卵の準備等で2か月休止
19回目 初めての体外受精にむけて治療再開。体の状態は良いままを維持している。
23,24回目 移植前後の治療

移植10日後の治療時に陽性判定と報告を受ける。
その後数回の治療を経て安定期に入り卒業となった。

同時に治療した症状

頻尿 肩こり

考察

身体の働きは関係ない内臓の影響をうけることがある。それが、鼻炎であったりめまい、痛みの場合もある。
今回のケースでは検査ではほとんど異常のないケースであったが、検査では測ることのできない体の働きに問題があって不妊になっていた。実際にこの患者は病院から体外受精であっても薬を処方されることはなかった。(自然周期の採卵も関係する)
見えるところが全てではなく、見えないところに原因があると考えさせられる不妊であった。[MMAH270816]

同じ病名や症状であっても効果には個人差があります。また、このページの症例は当院の経験であり、鍼灸の一般的な効果を意味するものではありません。

■症例3 鼻炎の改善によって妊娠

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患者

30代女性 神戸市

来院

2016年 7月

症状

結婚して3年、妊娠を望むが結果が得られていない。2年前から不妊治療のためクリニックに通い身体の状態に合わせてタイミング指導、人工授精を行っていた。生理周期、基礎体温とも安定し順調である。血液検査、エコーに問題はなかった。卵管造影検査で左卵管が狭いと指摘されている。
数回人工授精にチャレンジするも妊娠に至らず悩んでいるときに知り合いの助産師に「鍼灸がいい」と聞き、インターネットで当院を調べ来院。
自覚のある症状は慢性鼻炎、片頭痛。

治療内容と経過

顔周りと腹部の触診をすると鼻炎と胃の疲れがあることがわかった。片頭痛の場所を聞くと鼻の領域と一致していた。胃の疲れは自覚がなかったが指摘すると「食べ過ぎたときムカムカすることがある」という。子宮や卵巣の触診では問題がなかったので、おそらく鼻炎や胃の小さな炎症のせいで子宮内膜の増殖や粘液の分泌が阻害され、受精卵が着床しにくいことが推測された。
鼻と胃を中心に治療を週に1回のペースで開始した。治療開始1.5ヶ月ごろから「鼻炎の症状がましになってきた」と言っていた。鍼灸治療開始2ヶ月で医師からの薦めもあり体外受精へステップアップを決意。採卵後の腹部の張りなどがあったがそのときの体調に応じた治療をした。初めての移植で妊娠反応陽性。15週まで体調管理のため治療を続けた後、安定期に入ったため一旦治療を終了した。

同時に治療した症状

鼻炎 片頭痛 肩こり

考察

不妊で悩むカップルは多い。病院に通っているにもかかわらず一般的な体外受精の成功率は3割程度と言われている。この患者の場合、鼻炎や胃の改善が鍵となった。一見、鼻炎や胃の疲れは不妊と関係ないように思われる。しかし鼻に炎症があるとその領域の皮膚は顔の広い部分に相当し、脳も興奮する。その結果子宮内膜の増殖や粘液の分泌に影響を及ぼしていたのであろう。
患者は初めての移植で希望通りの結果が得られた。今回の症例では不妊の原因は子宮だけでないこと、患者の身体全体を診ることが必要だと実感した。[MIKO050716]

同じ病名や症状であっても効果には個人差があります。また、このページの症例は当院の経験であって鍼灸の一般的な効果を意味するものではありません

■症例2 生理不順のある不妊症

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患者

女性 40代 神戸市灘区

来院

2016年1月

症状

2年前に妊娠出産したが2人目が欲しいと思い妊活を始める。大手のクリニックに通いながらタイミングで妊娠を目指したが至らず。病院で年齢の事を考慮して体外受精を勧められるも、薬を飲むことに不安があり何か別の方法がないかと考えるようになった。フリーペーパーで当院の紹介記事を見て、足の冷えのことが書かれてあったので自分に合っていると思い来院となった。

生理は遅れ気味で30日から50日程度。生理痛は生理前後にあり、腹痛と頭痛がある。前回の妊娠時もHCGの値が低いと言われていた。肩こりや腰痛などもある。

治療内容と経過

触診をすると肝臓と子宮に反応が出ていた。首肩や腰の緊張や足の冷えなどもあったが、それほど悪いものではなかった。まばたきが多いと感じたので、目の周りも触診すると反応がでていた。自覚がないようだが、目の疲れは強いと判断した。主に内臓の治療を中心にして、お灸と鍼を浅く刺激を繰り返した。

2回目の治療後にクリニックで内膜厚さを確認したところ10mm程度であった。4回目の治療では冷えを感じることが少なくなり、肝臓の状態も改善してきた。

2周期目の子宮の内診では19mmまで厚みがあって、本人も驚くほどの結果となった。確実に体質改善が行われており、タイミングをしっかり取るように指導したところ、12回目の治療で陽性。その後安定期まで内臓の疲れが残らないように治療し14回目で終了となった。[MMHK300116]

同時に治療した症状

生理不順、足の冷え

考察

薬が苦手という方は少なくない。これはその人の考え方というより、体質の問題が大きい。今回のケースでは肝臓に問題があった、肝臓は薬を代謝して血管に流す。肝臓の機能が悪いと代謝の効率が悪くなり、薬剤が残ったり、効果が弱くなったりする。そして、肝臓は全身の免疫にも関係するので、肝臓が改善する事で子宮内膜が厚く成長することができた。
タイミングだったので子宮環境が整ったとしても運次第のところもあったが、幸運にも短い期間で結果を出すことができた。冷え症にこだわり過ぎず、内臓の働きを細かく確認して行ったことで妊娠の手伝いができたと感じた。

同じ病名や症状であっても効果には個人差があります。また、このページの症例は当院の経験であり、鍼灸の一般的な効果を意味するものではありません

■症例1 不妊治療により体質改善が必要

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患者

30代前半女性 神戸市中央区

来院

2015年9月

症状

結婚後、旦那さんが40代ということもあってすぐに妊活に入る。結婚前より生理不順や強い生理痛があり、コントロールするために病院に通院しながらピルを服用していた。
なかなかタイミングでは結果がでず、担当医師より人工授精を進められる。自身に冷えなどの不調を感じないこともあり、不妊治療に対して積極的になれず。
体質改善が必要と判断し、当院を受診する。
病歴は喘息を年に1、2回発症する。
血行を良くする漢方を服用している。

治療内容と経過

全身をくまなく触診すると、右耳、咽、目、子宮の弱さを感じた。特に右の耳が強くでており。
症状の有無を確認すると、めまいがあるとのこと。さらに偏頭痛もあった。
耳の反応は三半規管の状態を表しており、目の震えが目の疲れを起こし頭痛を誘発していると考えた。
子宮については、強い生理痛を起こすほど悪いとは感じなかった。
耳や頭痛などの顔面部の不調が、生理痛を強くしていしまい、生理周期の乱れなどの要因になっていると考えた。

治療頻度は週に一度が最適な間隔であったが、忙しさもあって10日に1度程度となった。
治療のたびに不調である、めまい感や頭痛が徐々に改善していき
10回目には「あきらかに体調が良い」と言うほどに。
12回目の時に人工授精の結果、初めて陽性判定となった。

その後は安定期に入るまで、体の状態を安定する治療をして卒業となる。

同時に治療した症状

生理痛、生理不順、めまい、偏頭痛

考察

子宮の内膜の環境が悪いと着床しにくいが、たとえ内膜の状態が良くても、生理周期を起こす自律神経が乱れていては
妊娠しずらくなる。そんなことを感じた1例であった。
子宮だけを着目していてはどうしても確率は上がりにくい、体の不調を全体としてとらえることで、不妊解消の糸口が見える。
妊活ブログを始めたがすぐに妊娠してしまったという嬉しい言葉が印象に残った。

同じ病名や症状であっても効果には個人差があります。また、このページの症例は当院の経験であり、鍼灸の一般的な効果を意味するものでは
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