■症例9 頭の中心に響く耳鳴り

患者
60代女性 西宮市
来院
2017年5月
症状
2年前の2015年11月より耳鳴りがする。音は耳というより頭の中でキーンという感じで鳴っており、特に寝る前になると気になる。症状に波があり、悪い日は一日中鳴っている。良い日は気にならない。
耳鳴りになってからは、耳鳴りに強いと言われる耳鼻科だけでなく脳神経外科も受診した。しかし大きな異常は見つからなかった。その後は整体を試し、耳鳴りを専門としている鍼灸院にも半年通った。ところがどれも効果が出なかった。以前から当院のことが気になっており、最後の望みとして来院に至った。
その他の身体の症状としては高脂血症の薬を飲んでいる。夜間頻尿(就寝中に2回)や肩こりがある。
耳鳴りになってからは、耳鳴りに強いと言われる耳鼻科だけでなく脳神経外科も受診した。しかし大きな異常は見つからなかった。その後は整体を試し、耳鳴りを専門としている鍼灸院にも半年通った。ところがどれも効果が出なかった。以前から当院のことが気になっており、最後の望みとして来院に至った。
その他の身体の症状としては高脂血症の薬を飲んでいる。夜間頻尿(就寝中に2回)や肩こりがある。
治療内容と経過
触診をすると、特に左側の耳から反応が出ていた。「耳鳴りは左側が強くないですか?」と聞いたが、左右を聞き分けることができず常に中心に感じるとのこと。他にも鼻周りの反応が顕著で、鼻炎があった。咽は左側に強く反応が出ていた。
また頭部全体にむくみがあった。頭痛の有無を聞いてみると「問診時に言っていなかったが疲れると頭痛がある」と答えた。
治療では左耳の治療と頭部のむくみ感、耳鳴りの原因となる鼻炎と左側の咽を中心に行った。
1週間後の2回目の治療では1回目の治療から変化を感じ数回気にならない日があった。
4週間後の4回目では週に3、4日あった耳鳴りの日が1日に減少した。
2か月目では週に1回(仕事で忙しかった日)が普通になる。
3か月目では治療間隔を空けて月に2回程度にしたが状態は維持できており、本人の不安もなく家族旅行に行く。
4か月目では月に1~2回程度になる。耳鳴りを起こす前の元気さが戻ってきて娘さんと旅行に行く回数も増える。
6か月目では完治に近い状態になり治療を終え卒業となった。
また頭部全体にむくみがあった。頭痛の有無を聞いてみると「問診時に言っていなかったが疲れると頭痛がある」と答えた。
治療では左耳の治療と頭部のむくみ感、耳鳴りの原因となる鼻炎と左側の咽を中心に行った。
1週間後の2回目の治療では1回目の治療から変化を感じ数回気にならない日があった。
4週間後の4回目では週に3、4日あった耳鳴りの日が1日に減少した。
2か月目では週に1回(仕事で忙しかった日)が普通になる。
3か月目では治療間隔を空けて月に2回程度にしたが状態は維持できており、本人の不安もなく家族旅行に行く。
4か月目では月に1~2回程度になる。耳鳴りを起こす前の元気さが戻ってきて娘さんと旅行に行く回数も増える。
6か月目では完治に近い状態になり治療を終え卒業となった。
同時に治療した症状
肩こり、夜間頻尿
考察
今回の耳鳴りは左耳が原因であったと推察される。しかし頭の中心で聞こえていたのは、頭痛を起こすほどの頭部全体の緊張感のせいであった。例えば鐘の中にはいって音を出したときに反響して、いたるところから聞こえるように。頭部の筋肉や皮膚の緊張が耳鳴りの音を反響させて中心から鳴っている錯覚を起こすことがある。
上記のメカニズムを考慮して、原因となる耳と頭部の緊張をとった。
それが他院で6か月かかっても変化が出なかった耳鳴りを3回目時点で顕著な効果が出せた理由である。
患者の訴える情報は治療をするうえで欠かせないが、状態を正確に判断する技術も必要であると感じた症例であった。
上記のメカニズムを考慮して、原因となる耳と頭部の緊張をとった。
それが他院で6か月かかっても変化が出なかった耳鳴りを3回目時点で顕著な効果が出せた理由である。
患者の訴える情報は治療をするうえで欠かせないが、状態を正確に判断する技術も必要であると感じた症例であった。

同じ病名や症状であっても効果には個人差があります。また、このページの症例は当院の経験であり、鍼灸の一般的な効果を意味するものではありません。












































