神戸市で治療実績豊富なミントはり灸院が症例10 20年以上続く耳鳴りの治療記録をご紹介しています。

■症例10 20年以上続く耳鳴り

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患者

30代女性 神戸市東灘区

来院

2017年3月

症状

高校生のころから耳鳴りがあり20年以上続いている。近年では難聴にもなっており、高温域での音が聞こえにくく、大人数で話す会議などでは聞き分けがしにくいなどの症状がある。子供の大きな声がすると響くこともあり苦痛に感じるときもあった。特に疲れると耳鳴りがひどくなる傾向にある。現在は耳鼻科等での治療は行っていないが、育休明けで仕事復帰するので耳鳴り・難聴の治療と疲れやすい体を改善したいと思い、当院の症例を読んだときに効果がありそうだと感じ来院に至った。その他の症状として疲れやすい、眼精疲労、めまいがある。

治療内容と経過

触診をすると、20年以上経過しているが耳の反応はしっかり確認できた。他にも鼻や咽も弱く、胃や肝臓も疲れが出ていた。鼻や咽の不調は耳鳴りに影響する。胃や肝臓は食べた物の吸収に関わる。その状態が悪いと栄養が充分に吸収できず、免疫力の低下が起きていること考えられる。患者は瘦せ型で血色の良くない色白であった。
鼻については慢性鼻炎を患っており、年中鼻水が出ている。加えて鼻水が多い日は眼精疲労を強く感じるという。

治療では免疫の基になる肝臓の治療を優先して進めた。本来であれば耳であるが、慢性鼻炎や疲労感は免疫力によって左右されるので、影響範囲の広さを考慮した。

治療を開始して12回目のころには治療中の会話を聞き返す回数も少なくなった。
肝臓の状態も回復してきており疲労感も軽減してきた。16回目のころには「耳の症状が軽減したせいかむしろ肩こりが気になる」と言っていた。
8月に入ってから職場に復帰する。2人の子供を保育園に送り迎えしながら、急いで会社と家を往復する毎日もあって状態がやや後退する。その時は耳鳴りよりも耳のつまり感と便秘の症状が出た。
10月になるころには生活のペースも慣れてきて少しずつ寛解した。
その後は月2回ペースでメンテナンス治療をしている。
耳鳴り難聴は残ったが治療前よりも楽な状態を維持できている。

同時に治療した症状

易疲労、めまい、眼精疲労

考察

耳の反応がまだまだ残っているということは20年以上経過しているがまだまだ回復の余地がある。先天性の難聴の場合、反応点が出ないこともある。だが経過年数に関係なく触診することができた。今回の場合は耳や鼻だけでなく肝臓が決め手になったと考えている。
患者の疲労感は筋肉的な疲労よりも、重さやだるさ、やる気がでないといった症状であった。こういった場合は全身性の炎症や自律神経の興奮が長時間、頻発することで脳の情報処理が追い付かず、停滞することで現れる。初診からポイントを絞って治療することで効果を早くに感じてもらうことができた。

これからも忙しい日々が続くのでしっかりとサポートしたい。