神戸市で治療実績豊富なミントはり灸院が症例2 痺れを伴う肩こりの治療記録をご紹介しています。

■症例2 痺れを伴う肩こり

画像

患者

20代男性 神戸市

来院

2017年2月

症状

3か月前から続く慢性的な肩こり。常に右側が凝っている。重いものを持つとき、肩に痺れを感じるときもある。肩以外で気になるところはない。検査にて肩に振動を加えると痛みが、肩を挙げたときには痺れが再現された。仕事は外での重作業が主で、夜勤もある。入社して1年目でこれから仕事の負担が増えることを考えると不安がある。親が当院を通院していることもあり、鍼が初めてであったが試してみることにした。

治療内容と経過

咽の周囲を触診すると、顕著な反応があった。以前から風邪をひくと咽が必ず痛くなるようで患者自身、弱いと自覚していた。肩周囲の筋肉には目立った緊張はないように感じた。一方で肩よりも鎖骨周辺の反応が強く出ていた。さらに咽の筋肉を触診すると右側の前面にある前斜角筋にも強い緊張がみられた。肩を動かすときに体幹と連動した動きをするのが鎖骨である。鎖骨周囲の筋肉の緊張と前斜角筋の緊張がともに引っ張り合うことで痺れや痛み・違和感が出ていると判断した。日頃仕事で重たいものを持っていても、咽や鎖骨の筋肉に負担が起きるとは考えにくく、もともと弱い咽の慢性的な炎症が影響していると考えられる。
初回では咽、気管支と前斜角筋、鎖骨周囲の筋肉に、腹臥位で首肩と肩甲骨間の筋肉に浅く鍼をし、皮膚と筋肉の緊張をとった。
3回の治療では「肩こりがかなり楽」と話していた。肩周囲の筋肉の緊張は取れていたが咽の反応が少し残っていた。6回目の治療では「痛みやしびれを感じることはない」と言っていた。この頃には咽の反応も良くなり、少し枯れ気味だった声もクリアに聞こえるようになっていた。現在も月に2度メンテナンスを兼ねて来院しており、仕事も順調だそうだ。

同時に治療した症状

なし

考察

今回のケースの場合は痛みやしびれもあるので、病院に行くと「斜角筋症候群」という病名が付いたかもしれない。さらに年齢が上がると「頸椎ヘルニア」や「変形性頚椎症」という病名になっていただろう。しかし考えるべきは神経の圧迫ではない。実際に患者は痛みを「感じて」おり麻痺は起きていないので神経に問題がないはずである。普通の肩こりに比べると複雑な原因であったが、共通して反応の出る咽だけは絶対に外せないポイントだと強く感じた。
[MMKS070217]

同じ病名や症状であっても効果には個人差があります。また、このページの症例は当院の経験であり、鍼灸の一般的な効果を意味するものではありません。