投稿日:2026年9月3日
パニック障害の食事で気をつけたいこと|カフェイン・血糖値との関係を解説
カテゴリ: うつ病・パニック障害

「食事を変えれば発作が減ると聞いたけれど、本当なのだろうか」
パニック障害と栄養の関係について調べている方の中には、こうした疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
日々の食事の中で何に気をつければよいのか、逆に発作を悪化させてしまう食べ物はあるのか、気になっている方も少なくないと思います。
結論からお伝えすると、栄養だけでパニック障害が治るわけではありません。ですが、日々の食事の内容によって、身体のコンディションや発作の起こりやすさに影響が出る可能性は指摘されています。
この記事では、パニック障害と栄養に関する研究をもとに、避けたほうがよい可能性がある食品・成分、意識してみたい栄養素、そして食事だけに頼らないために大切な考え方について解説します。

この記事の執筆者
ミントはり灸院 院長
森本 賢司
高度専門鍼灸師
【略歴】
神戸東洋医療学院卒業
神戸東洋医療学院にて河村廣定先生に師事
明治国際医療大学 大学院 修士課程 修了
神戸東洋医療学院 非常勤講師
【資格】
はり師免許証・きゅう師免許証
パニック障害と栄養は関係あるのか?まず知っておきたいこと
パニック障害と栄養の関係については、研究が進められている分野ではあるものの、「この食事法で治る」と言い切れるほどのはっきりとした結論が出ているわけではありません。
とくにカフェインについては、パニック障害のある方が発作を起こしやすくなるという研究結果が複数報告されている一方、マグネシウムや腸内環境といった栄養素・要因については、まだ研究段階のものが多いのが実情です。
パニック障害の食事において大切なのは、「これを食べれば治る」という発想ではなく、身体のコンディションを整えるための一つの視点として、無理のない範囲で取り入れていくことだと考えられます。
治療の中心はあくまで医療機関での診断・服薬・カウンセリングであり、栄養面のケアはそれを補うものという位置づけで捉えていただければと思います。自律神経の乱れや睡眠の質の低下といった身体面の不調も、食生活と無関係ではないため、発作そのものだけでなく、日々のコンディション全体を整えるという視点で捉えていただくとよいでしょう。
パニック障害で避けたほうがよい可能性がある食品・成分
パニック障害の食事で気をつけたいこととして、まず挙げられるのが以下の3つです。発作を悪化させる食べ物として断定できるものではありませんが、体調の変化を感じている方は、一つずつ見直してみる価値があります。
カフェイン(コーヒー・エナジードリンクなど)
パニック障害とカフェインの関係については、比較的多くの研究が行われています。パニック障害のある方は、健常な方と比べてカフェイン摂取後にパニック発作が誘発されやすいという報告が複数あります。
あるメタ分析では、コーヒー4〜5杯程度に相当する量のカフェインを摂取した場合、パニック障害のある方の半数以上に発作が見られたという結果も示されています。
日常的な量(コーヒー1〜2杯程度)でどこまで影響があるかについては、まだ研究が十分ではありませんが、発作が起きやすいと感じる方は、コーヒーやエナジードリンク、緑茶などカフェインを含む飲み物の量を見直してみる価値はあるといえるでしょう。急に完全に断つ必要はなく、量を少しずつ減らしながら、ご自身の体調の変化を観察していくのがおすすめです。
アルコール
アルコールには一時的に気分を落ち着かせる作用がありますが、体内で代謝される過程で、かえって不安が強まりやすくなることが知られています。
とくに、飲酒量が多い日の翌日や、お酒が抜けていく過程で動悸や落ち着かなさを感じやすいという方は、アルコールが症状に影響している可能性があります。また、不安をまぎらわすためにお酒に頼る習慣がついてしまうと、依存のリスクも高まるため注意が必要です。
精製された糖分の摂りすぎ
白砂糖を多く含むお菓子や清涼飲料水を大量に摂ると、血糖値が急激に上下しやすくなります。血糖値の変動そのものがパニック発作を引き起こすと断定はできません。
ですが、血糖値が乱高下する際に起こる動悸や手の震え、めまいといった症状は、パニック発作の症状とよく似ているため、体調の変化を感じやすくなる一因になっている可能性はあります。精製された糖分に偏った食事よりも、血糖値が緩やかに上がる食品(玄米や全粒粉のパンなど)を選ぶことを意識してみるとよいでしょう。
「低血糖でパニックになる」は本当?研究から見る血糖値との関係
パニック障害と血糖値の関係については、インターネット上でもさまざまな情報が見られますが、ここは慎重に理解しておきたいポイントです。
実際に、パニック障害のある方に発作を誘発する薬剤を投与した研究では、発作が起きた時点で血糖値が低下していたという証拠は見られなかったという報告があります。つまり、「血糖値が下がったことが直接の原因でパニック発作が起こる」と科学的に証明されているわけではありません。
一方で、低血糖になると身体はアドレナリンなどのホルモンを分泌して血糖値を上げようとするため、動悸、発汗、手の震え、めまいといった症状が現れます。これらはパニック発作の症状と非常によく似ているため、「発作だと思っていたら実は低血糖だった」あるいはその逆というケースも起こり得ます。
空腹時間が長く空いたときや、糖尿病などで血糖値の管理が必要な方は、体調の変化が発作なのか低血糖なのか判断がつきにくいこともあるため、繰り返し似た症状が出る場合は、自己判断せず医療機関で相談し、必要に応じて血糖値を確認してもらうことをおすすめします。
パニック障害で意識してみたい栄養素

避けたい食品がある一方で、意識して取り入れてみるとよいとされる栄養素もあります。ただし、いずれも「摂取すれば発作が止まる」というものではなく、あくまで身体のコンディションを支える要素として捉えていただければと思います。
マグネシウムやビタミンB群、腸内環境に関わる食品は、いずれも日常の食事で無理なく摂取できるものが多く、特別なサプリメントに頼らなくても意識できるポイントです。
マグネシウム(神経の興奮に関わる栄養素)
マグネシウムは、神経の興奮を抑える働きに関わるミネラルで、不足すると神経が過敏になりやすいと考えられています。
不安症状全般に対するマグネシウム摂取の効果を調べた研究では、PMS(月経前症候群)に伴う不安など、特定の状態においては一定の効果が示唆されているものもあります。一方で、パニック障害そのものに絞った研究では、血中マグネシウム濃度とパニック症状との間に明確な関連が見られなかったという報告もあり、エビデンスの強さとしてはまだ限定的といえます。
海藻類やナッツ類、大豆製品などに多く含まれる栄養素ですので、無理のない範囲で食事に取り入れてみるとよいでしょう。
ビタミンB群
ビタミンB群は、神経伝達物質の合成や、エネルギー代謝に関わる栄養素です。不足すると、疲労感やイライラ、集中力の低下につながりやすいとされています。
豚肉、レバー、卵、玄米などに多く含まれており、日々の食事の中でバランスよく摂ることが望ましいとされています。とくに外食やインスタント食品が続くと不足しやすい栄養素でもあるため、意識して取り入れる価値があるといえるでしょう。
腸内環境(発酵食品・食物繊維)
近年、腸内細菌と脳の状態が互いに影響し合う「腸脳相関(腸脳軸)」という考え方に関する研究が進んでいます。不安障害全般については、腸内細菌のバランスの乱れとの関連や、乳酸菌などのプロバイオティクスによって不安症状が緩和したという報告も出てきています。
ただし、パニック障害に絞った研究はまだ数が少なく、発展途上の分野です。発酵食品(納豆、味噌、ヨーグルトなど)や食物繊維を積極的に摂ることは、腸内環境を整えるだけでなく、全身の体調管理という観点からも取り入れやすいセルフケアといえるでしょう。
栄養だけに頼らないために大切なこと
ここまで栄養に関する情報をご紹介してきましたが、繰り返しになりますが、食事の工夫だけでパニック障害が治るわけではありません。栄養はあくまで、身体のコンディションを整えるための一つの要素です。
治療の中心は、精神科・心療内科での診断や服薬、カウンセリングであり、食事の見直しはそれを支える補助的な位置づけとして考えていただくのが望ましいといえます。「食事さえ気をつければ大丈夫」と思い込んで通院や服薬を自己判断でやめてしまうことのないよう、注意していただければと思います。
ミントはり灸院でできること
ミントはり灸院では、栄養指導を専門的に行っているわけではありませんが、パニック障害の方が日々の生活の中で感じている身体面の不調(睡眠の浅さ、胃腸の不調、首や肩の緊張、呼吸の浅さなど)を確認しながら、身体が休まりやすい状態を整えていくお手伝いをしています。
食事や栄養の工夫とあわせて、身体そのものの緊張をゆるめていくことも、体調を整えるうえでの一つの選択肢としてご検討いただければと思います。
よくある質問
Q1.サプリメントだけでパニック障害は改善しますか?
サプリメントの摂取だけでパニック障害が改善するというエビデンスは、現時点では十分ではありません。あくまで治療の補助として捉え、服用中の方は念のため主治医にも摂取内容を伝えておくと安心です。
Q2.コーヒーは絶対にやめるべきですか?
必ずしも完全に断つ必要はありませんが、発作が起きやすいと感じる方は、量やタイミングを見直してみる価値はあります。ご自身の体調の変化を観察しながら調整してみてください。
Q3.食事を変えても発作が減らない場合は?
食事の工夫はあくまで補助的なものであり、それだけで発作が完全になくなるとは限りません。発作が続く場合や強くなっている場合は、自己判断で対処を続けず、精神科・心療内科への相談を優先してください。
まとめ
パニック障害と栄養の関係については、カフェインのように比較的研究が進んでいるものもあれば、マグネシウムや腸内環境のように、今後さらなる研究が待たれるものもあります。
共通して言えるのは、栄養はあくまで身体のコンディションを整えるための一つの視点であり、パニック障害そのものの治療の代わりにはならないということです。食事の工夫は、通院や服薬と並行して、無理のない範囲で取り入れていただくのがよいでしょう。
当院は神戸市・明石市に店舗を構え、パニック障害の方の身体面のケアを行っております。「食事以外にも身体でできることはあるのか」と気になる方は、お気軽にご相談ください。
当院「ミントはり灸院」は、根本から改善することに特化した神戸の鍼灸院です《年間10,000人超の実績》。六甲道駅3分”六甲院”/三ノ宮駅6分”三ノ宮院”/明石駅5分”明石院”の3店舗がございます。全室個室でマンツーマンで施術しています、ぜひお越しください。






























