ミントはり灸院・癌に鍼灸は禁忌なのか?緩和ケアで鍼灸治療は可能?鍼灸の有効性を解説

2025年1月31日

癌に鍼灸は禁忌なのか?緩和ケアで鍼灸治療は可能?鍼灸の有効性を解説

カテゴリ: 初めての鍼灸

実はがん患者さんへの鍼灸適用はすでに行われており多くの実例が報告されています。

ただ、まだまだ一般的な認知は低いのが現状で鍼灸に対して好意的なドクターや看護師さんからの推薦があって患者さんも治療の選択肢として選んでいます。

私も終末期の癌患者さんへの鍼灸治療を何度も経験していますが、薬だけではカバーしきれない不調などに鍼灸は有効だと感じていますし、体調が良くなることで気持ちの余裕が出てきてご家族や医療関係者も含めて前向きな感情になっていく経験をしてきました。

今回のブログでは少しでも鍼灸ががん患者さんやケアをしている関係者の方の負担軽減に鍼灸が有効であることを解説し、少しでも楽に過ごすための方法の一つとして知っていただければと思います。

院長 森本 賢司

この記事の執筆者

ミントはり灸院 院長
森本 賢司

高度専門鍼灸師

【略歴】
神戸東洋医療学院卒業
神戸東洋医療学院にて河村廣定先生に師事
明治国際医療大学 大学院 修士課程 修了
神戸東洋医療学院 非常勤講師

【資格】
はり師免許証・きゅう師免許証

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癌に鍼灸は禁忌なのか

癌に鍼灸治療をすることが禁忌なのか?一般的には禁忌ではありません。むしろ補完療法として有効で積極的に採用されているところもあります。

ただ、患者さんの状態によっては鍼灸治療をすることに注意が必要な場合もあります。
1:感染症のリスクが高い場合
免疫力が著しく低下している場合は注意が必要です。鍼灸そのものは衛生的ではありますが、病院ほどの高いレベルの消毒滅菌をしているわけではありませんので病院外で鍼灸治療を受けるときは事前に担当医への相談をしましょう。

2:出血傾向
血液凝固障害や抗凝固薬を使っている場合は鍼灸によって出血のリスクが高まります。こちらについても担当医の相談をしてください。

病状によっては鍼灸治療後に原因不明の体調不良が出る場合もありますので、すぐに担当医や病院に相談できる体制を取っておくことも大切です。

鍼灸治療が禁忌とされるケースは?

WHO(世界保健機構)のガイドラインを紹介すると

・悪性腫瘍(ガン)のある人
・出血性の疾患がある人
・妊婦の人
・すぐに手術が必要な人
・重い動脈硬化症の人
・動脈瘤のある人

については事前に担当医に相談してから鍼灸治療を受けてください。

ただ、禁忌というと受けてはダメのようなイメージを持たれるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。

個人差がありますし、体調や何を治療したいのか?によっても変わってきますので担当医や受けようと思っている鍼灸師に相談しましょう。

鍼灸師も症状改善へのアプローチは沢山持っています。
太い針を患部にブス!ってイメージを持っている人も多いかもしれませんが、刺さないで症状を緩和させることもできますし、お灸だけで効果を出すこともできます。細い針やまつげほどの短い鍼を使うこともできます。

その人に合わせた方法を選ぶことができますのでご安心ください。

当院では不安のある方に初回から施術をしない場合もあります。どんなことをするのか説明して不安が解消されたら施術を行っております。

海外での癌患者さんへの鍼灸治療

海外での癌患者さんへの鍼灸治療を調べてみました。

ロズウェルパークがんセンター: 2017年から小児がん患者に対して鍼灸治療を導入しています。このセンターでは、鍼灸ががん治療に伴う痛みや副作用の軽減に寄与することが期待されています。

メイヨークリニック: この医療機関では、鍼灸ががん患者の痛み管理や治療の副作用軽減に役立つとされ、患者に対して鍼灸治療を提供しています。鍼灸は、がん治療に伴う吐き気や倦怠感の緩和に効果があるとされています。

トロントのがんセンター: カナダのトロントにあるがんセンターでは、鍼灸ががん患者の痛みや副作用の緩和に用いられています。特に、化学療法による吐き気や疲労感の軽減に効果があるとされ、患者の生活の質(QOL)を向上させるための補完療法として位置づけられています。

イギリス:ロンドンにある病院では、がん患者に対して鍼灸治療が提供されています。特に、がん治療に伴う痛みや不安の軽減を目的としたプログラムが実施されており、患者の心理的なサポートにも寄与しています。

あのスティーブ・ジョブズも自身の癌治療に鍼灸治療を取り入れていたそうです。

癌の緩和ケアとして鍼灸治療は可能か

緩和ケアというと癌による疼痛の管理が主な役割となりますが、癌患者さんの不調は痛みだけには限りません。

長期の入院でさまざまな体の不調が現れます。
腰痛、肩こり、足のむくみ、口内炎、食いしばり、など様々です。

そのたびに薬を処方していては薬による体への負担もありますし、サポートをする医療従事者や家族の負担も増えます。

そこで鍼灸治療が薬を使わずに不調を改善することができるます。

緩和ケアでの鍼灸導入による効果はすでに数多くが研究されています。

https://mhlw-grants.niph.go.jp/project/23230

こういった事例が日本だけでなく世界中に増えてきていることから、緩和ケアに鍼灸は有効ですし、ぜひ多くの方に取り入れてもらいたいと思っています。

癌のある方が鍼灸治療を受けたい場合には?

まずは担当医に相談してください。

体の不調が大きくなると鍼灸という選択肢を選ぶ余裕がなくなってきます、なので早い段階で鍼灸等方法を検討しておくことがおすすめです。

今は必要ないと思うかもしれませんが、早めに受けておくことでいざという場合に早く対応することができます。

現在のところ多くの緩和ケアの病院やクリニックには鍼灸師とのパイプを持っているところがまだまだ少ないので、自分で探すことになると思います。

いろんな方に相談をすることがおすすめです。
看護師さんやご家族の友人の中には鍼灸治療を受けたことがある人がいますので聞いてみるのも良いかと思います。

あとはHPなどで癌での鍼灸治療についてしっかり書いてあるところに相談してみましょう。

六甲道本院
三ノ宮院
明石院

まとめ

がん患者さんのQOLが向上することには沢山の意味があります。

身体的な苦痛が緩和するだけでなく、それによって精神的な健康も向上されるからです。

がん治療による精神的な苦痛や不安、ストレスはとても大きく、時には周囲に感情的になってしまうこともあります。

また自分の病気への受容にも関わりので、積極的な治療や前向きな生活が維持できます。

鍼灸には癌患者さんQOLを高めることができます。
はっきりと言い切れるのはそれだけの知見や報告が積み重なっているからです。

最初の一歩が少し大変だと思いますが、受けてみると「もっと早く来ておけばよかった」と言うかたが多いです。ぜひ勇気を持って踏み出してみてください。

少しでも日々が楽になれるように鍼灸がサポートします。

当院「ミントはり灸院」は、根本から改善することに特化した神戸の鍼灸院です《年間10,000人超の実績》。六甲道駅3分”六甲院”/三ノ宮駅6分”三ノ宮院”/明石駅5分”明石院”の3店舗がございます。全室個室でマンツーマンで施術しています、ぜひお越しください。